「神は自分のかたちに人を創造された。
すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された」
―『創世記』 「アダムの創造」より
概要
pixivでは、主にオリジナルキャラクターのデザイン画、設定につけられる。
これらは自分でイラストや漫画を描く時の覚書だったり、見る人にキャラクターの本編では描かれない部分を紹介する、作中にどういった人物が出てくるか告知するため。あるいは企画などでキャラクターシートだったりすることが多い。
解説
キャラクターのデザインは、大まかに二つに大別される。
すなわちVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)と設定である。
VI
VIとは、ヴィジュアル(見た目)とアイデンティティ(自分らしさ、個性)を組み合わせた語であり、人の手で作られる創造物に他とは違う個性を与えること。
キャラクターは、頭から爪先まで作者の意図によって作られる創造物であり偶然、誰か既存のキャラクターに似ているということは起こり得ない。
また現実の人物のように外見と内面が一致しないと見る者にとって違和感となる。あるいは、そういった意表を突くデザインもあり、それらを含めてVIは、キャラクターの大きな仕掛け作りと言える。
ぶっちゃけて言えば、このキャラクターはこれまでの漫画やアニメのキャラとどう違って、どこが魅力なのかを設計することである。
「小説はキャラクターの外見を自分で空想できるから良い」と言ってしまうVIを根本から否定される意見もあり、VIの失敗は、キャラクターデザインの失敗に直結する。
VIを成功させるには、引き出し(レパートリー)を多くすること。様々な外見のキャラクターを描き分ける画力が求められる。一目で他の人が描いたキャラクターと違うことが伝わり、キャラクターの内面まで説得力を持たせることが出来れば成功と言える。
漫画家の横山光輝、あだち充のように「この人が描いた」ことさえ伝われば、キャラクターの見分けがつかなくても良いかも知れない(?)。
設定
キャラクターデザインの設定とは、本編に出てこないキャラクターのこれまでの経歴(性格、家族関係、過去の行動など)という意味合いで使われる。
キャラクターの生まれてから物語に登場するまでの経緯を全て描写すると物語が長大になってしまう。そこで物語の枠外で、この時のキャラクターの行動心理を背景から語るものが設定である。
あるいは、作者がキャラクターの行動指針として覚書にしたもの、あるいは複雑な人間関係を整理する目的で作られたりする。
そういった意味では、読者に見せることを前提とした設定と作者個人の設計図という二通りの意味がある。
しかし前者は本編で説明不足になっている部分を補完していることを揶揄して「設定」という場合もある。
設定を読者にも公開する以上、設定と本編での活躍に矛盾がないことが好ましい。
中にはVIと連動している設定もあり、どうしてこのキャラクターはこんな服を着ているのか、顔の傷は何時着いたのか、などもある。
これらはVIだけで説明し切れない部分を文章で説明するもので、経歴をつらつらと書き殴った駄文に比べて直接的である。
また下着や体形(身長、体重)、スリーサイズ、足のサイズ、股下、果ては表情差分、四季折々の衣装差分など、よりVIに肉薄した設定も作られることがある。
これらはアニメやゲームなど複数の人間が携わる場合に作成されることが多く、個人が小説や漫画のキャラクターの設定を作る場合には、その意味もあまりない。
ゲームクリエイター芝村裕吏は、設定魔ともいわれ、設定だけで物語を書いてしまう。
あまり拘ることに、拘らないことが肝心。
キャラクターデザイン(仕事)
アニメ、ゲームといった作品のスタッフに「キャラクターデザイン」とクレジットされる場合、その人物がキャラクターをデザインしたことを示す。
取り分け原作のないオリジナル作品の場合は0からデザインされるが、中には原作となる漫画と全く違う絵柄や外見になることもある。
漫画やマンガ調のイラストによる挿絵が付くライトノベルなど、ビジュアルが伴う原作をアニメ化する際は、原作の絵をアニメで動かしやすいよう修正及び微調整することがデザイナー仕事となる。これらはアニメーターが兼任していることが多い。
またオリジナル作品でも、キャラクターデザイナーとは別に、他の人が掲示した原案を基づいてキャラクターデザイナーが推敲を施し最終的な決定稿を作り上げる場合もある。
(その場合、原案を作成する立場の人はキャラクター原案としてクレジットされる)
バーチャルYouTuberのキャラデザイナーは「ママ」とも呼ばれる。
デザイナーが男性の場合も無論多いが、その場合も「ママ」と呼ぶこともあり「パパ」と呼ぶこともある。
湖川友謙は、伝説巨神イデオンのキャラクターデザインに臨み、「全てのキャラクターを顔の骨格や特徴だけで描き分ける」と豪語したが、お禿(富野由悠季)から「そんなのお前以外、誰が描き分けるんだ」と否定され、トドメに「ひとりで全部(最終回まで)描ける訳ないだろ」と意見を退けられた。
また同作はキャラクターが多かったこともあり描き分けに苦心し、今では珍しくないが緑やピンクの髪のキャラクターが登場した。それでも当時は使える色が少なかったため、全キャラに色を振り分けるのにも頭を悩ませたという。
対して安彦良和は、巨神ゴーグにおいてストーリー原作、キャラクターデザイン、作画監督などを全て一人でこなし、完全に自分の絵柄、自分のタッチでアニメ全編を完成させている。
任天堂のマリオは「最も成功したゲームキャラクターデザイン」として知られる。
赤い帽子、大きな鼻、口髭の3つの特徴をわずか16×16ドットの中に、ごく限られた色だけでデザインされた。これが一目でわかるキャラクターデザイン、VIの傑作に挙げられている。
この仕事には、逸話が尽きないものである…。
キャラクターデザイナー
あきまん(ゲーム、アニメ)
天野喜孝(アニメ、ゲーム)
雨宮慶太(実写、アニメ、ゲーム)
荒木伸吾(アニメ)
奥山潔(実写)
井口昭彦(実写)
池谷仙克(実写)
いのまたむつみ(アニメ、ゲーム)
馬越嘉彦(アニメ)
川村敏江(アニメ)
さとうけいいち(アニメ、実写)
岸田隆宏(アニメ)
北山真理(アニメ)
木村貴宏(アニメ、ゲーム)
九月姫(ゲーム)
小泉昇(アニメ)
金子一馬(ゲーム)
河野さち子(ゲーム)
後藤圭二(アニメ)
後藤正行(実写、アニメ、ゲーム)
ごとうじゅんじ(アニメ)
ことぶきつかさ(アニメ、ゲーム)
貞本義行(アニメ)
篠原保(実写、アニメ、ゲーム)
しもがさ美穂(アニメ)
新貝田鉄也郎(実写、ゲーム)
高村和宏(アニメ)
竹内浩志(アニメ)
竹谷隆之(実写、アニメ、ゲーム)
たにはらなつき(ゲーム)
寺田克也(実写、アニメ、ゲーム)
鳥山明(ゲーム)
酉澤安施(実写、アニメ、ゲーム)
七瀬葵(ゲーム)
成田亨(実写)
西尾鉄也(アニメ)
西又葵(ゲーム)
韮沢靖(実写、アニメ、ゲーム)
野口竜(実写)
平井久司(アニメ)
平田雄三(アニメ)
平野俊貴(アニメ)
平松禎史(アニメ)
堀口悠紀子(アニメ)
丸山浩(実写、アニメ、ゲーム)
毛利和昭(アニメ)
森倉円(ゲーム、バーチャルYouTuber)
安彦良和(アニメ)
米谷佳晃(実写)
渡辺明夫(アニメ)
関連タグ
漫画家※上記キャラクターデザイナーの中には麻宮騎亜・安彦良和・貞本義行等アニメーター出身の漫画家(逆に荒木伸吾は漫画家からアニメーターに転身)や鳥山明の様に本業の者もいる。