もしかして
略歴
1970年4月28日生まれ。男性。
もともとは『寿司』表記で活動していたが、難読のためひらがな表記に統一した。
なお、ペンネームの「つかさ」はアニメーターの土器手司に由来し、先に「司」という名前を決めたが、友人から「名前が『司』なら、苗字は『寿(ことぶき)』だ」と勧められて何も考えずにその案を採用したとのこと。のちに「それ、漢字で書いたら寿司(すし)だぞ」と逆にツッコまれたという。
中学生のころからメガゾーン23ファンクラブで知り合った仲間と同人活動を行い、高校生からは商業作品にも少しずつ参加するようになる。高校卒業後、園田健一のもとでアシスタントを務めた後、『サイバーコミックス』に掲載された機動戦士ガンダムの外伝漫画で本格的にデビュー。
漫画家活動と並行して、イラストレーターとして数多くのアニメやゲームにキャラクター・メカニックデザインで参加している。また、モデラーとしても活動している。
1990年代に手掛けた『セイバーマリオネットJ』や『VS騎士ラムネ&40炎』、『アキハバラ電脳組』といった作品が著名であり、後述するように当時の強烈なデフォルメの効いた画風が「1990年代アニメの象徴」の一つとして取り上げられることが多く、その絵柄が特に反映されたものは「スシってる」と言われることも。
女性キャラクターのデザインに関しては、「耳玉」なる大ぶりな玉型のイヤリングをつけているキャラクターが多いのが特徴。
主な仕事
キャラクターデザイン
『餓狼伝説 -THE MOTION PICTURE-』
『闘神伝』
『セイバーマリオネットJ』挿絵
『アキハバラ電脳組』
『ポプテピピック』(※第13話OPのキャラクターデザインを担当。なお、このOPは株式会社サンライズが制作協力、かつスーパーバリザーも参加している。もちろんポプ子には耳玉つき)
漫画
『ラグナロク』
『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』
『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』
イラストレーション
森口博子『GUNDAM SONG COVERS』シリーズのジャケットイラスト
関連イラスト
余談
インターネットでは「年代別のアニメ絵の変化の例」のネタとして、ことぶきつかさを90年代風の代表として挙げた画像(参考URL)が出回っている。
巨大な目、うねるような顔の輪郭、頬の赤みを表す目元の斜線、てかりのある肌と、大変に特徴的な画風は当時から好みの分かれるものであり、また今も昔もアニメの絵柄は千差万別であるため、彼のような絵柄が当時の主流であったというわけではない。ただ、そのインパクトは大きく、また近似の画風の作品も多かったことから、当時のアニメに詳しくない側からすれば時代の象徴のように感じられるといえる。
この画像については本人も知っていて、度々自らTwitterで取り上げている。
なお、もともとの画風は『セイバーマリオネットJ』の初期イラストなどでもわかるようにアクは少なめであり、近年の作品では再びシャープでややリアル寄りの頭身に戻っている。
→参考
ひところはスラップスティックでブラックなギャグ作品ばかりに起用されていたが、彼自身は後年のカイレポのような方向性が最初から描きたかったとのことで、作風・画風ともども道化じみたイメージで語られることを嫌っていたようだ。
1993年~1994年にかけて『MS SAGA』や『DYNE』といったバンダイ刊行のアンソロジーコミックス向けに『機動戦士Vガンダム』を題材として描いたパロディギャグ漫画である『いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!!』が2012年にKADOKAWAより改訂版の単行本として再発売される際に新規収録された対談コメントでは「ファースト原理主義者だった自分には1stガンダムから70年後の時代が舞台のVガンダムには全く興味が持てず、ストーリー漫画から逃げたくてギャグ漫画にしたけど、どうしていいか分からなくてブラックな弄り方しか出来なかった」と述懐していた。
さらに「旧単行本が出た後にVガンダムを何度か観返してるんですが、当時解らなかった味が徐々に見えてくる訳ですよ。なのに作品の良さに気付けなかった鈍感な頃の自分の言葉しか旧単行本には記録されていない。」と、当時の自分の行為をかなり後悔していた。
しかも、1994年にメディアワークスから発売された旧単行本にのみ載っている本人の作品解説によれば、漫画の執筆時にはキャラクターの台詞に関してバンダイとサンライズ側から何度もチェックが入り、漫画中の過激な台詞の訂正を要求されてはバンダイの担当者と表現の自由に関して揉めており、後半は最早やる気の欠片すらもなくなってしまい、最終回を描いたときには「これでやっと【ガンダムのギャグ漫画】という悪夢から解放される…と思った」との事である。
これらのことからメディアワークスの旧単行本に収録していた、「関係者に喧嘩を売っていると誤解されてもおかしくない」とKADOKAWAの編集者からも指摘された「ガンダム作品や出版社に対して愚痴る様なコメント」が載っていたページを「何の考えもなく書き殴った痛コメント」だと反省して改訂版では全て削除している。