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成田亨

なりたとおる

成田 亨(なりた とおる、1929年9月3日 - 2002年2月26日)は青森県出身のデザイナー、彫刻家。ウルトラマンや彼と戦った怪獣達のデザインを手がけた。
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ケムール人。
バルタン星人


ウルトラマン 第8話「怪獣無法地帯」
地球は俺たちにまかせろ!!


突撃!ヒューマン
ブキミ星人(円盤戦争バンキッド)


空中戦艦A案(1966年、東宝 未制作)
空中戦艦C案、B案(1966年、東宝 未制作)


来歴

ウルトラQ、初代ウルトラマンウルトラセブンおよびそれに登場した怪獣(セブンは29話まで担当)、マイティジャックの主要メカニックや小道具等の多くをデザイン担当した人物。ウルトラセブン/マイティジャック制作中に無茶苦茶な注文をしてくる製作陣とそれまでに幾度かあったいざこざが原因となり円谷プロを途中退社し、その後は個展の開催や美術監督の仕事を手がける。
代表作はウルトラマンウルトラセブンケムール人 カネゴンガラモンレッドキングエレキング等多岐にわたり、未だに語り継がれるウルトラシリーズの個性的な怪獣の多くは彼のデザインによるところが多い。

デザイン思想

成田亨のデザインは”シンプル”である所に最大の特徴がある。
新しいデザインは必ず単純な形をしている。人間は考えることができなくなると、ものを複雑にして堕落してゆく」とは彼の談であるが、余分なものを徹底的にそぎ落としたウルトラマンのデザインはそれを地で行くものであった。なお、唯一カラータイマーだけは製作サイドの都合で製作段階の途中から着けられた為、本人は晩年までそれを悔やんでいた。

次回作のセブンではそれを防止する為に額にランプを付けたと言う話が残っている

また、彼は怪獣をデザインする際に

①怪獣は妖怪ではない。手足や首が増えたような妖怪的な怪獣は作らない。
②動物をそのまま大きくしただけの怪獣は作らない。
③身体が破壊されたような気味の悪い怪獣は作らない。 

という三原則を自らに課し、その上で怪獣をカオス(混沌)の象徴であるとしてあらゆる生物や無生物からヒントを得ながらも意外性を求め、自由な変形や組み合わせにより独創的な形の創造を目指した。
これらの「組み合わせ」によって独自のデザインを構築する手法は、シュールレアリスムという美術的用法に起因している。(尚、怪獣を造形した高山良策氏は元々画家であり、彼もまた成田と同じくシュルレアリストだった)


また、宇宙人のデザインに際しても、「地球人にとっては悪でも、彼の星では勇者であり正義なのだから、『不思議な格好よさ』がなければいけない」というモットーを持っていた。
なお③に関する逸話としてスペル星人の話があり、とある本の巻末コメントにて「真っ白い服にケロイドをつけてくれないかというのが、演出の実相寺昭雄氏からの注文でした。これは、ウルトラ怪獣に対する私の姿勢に反するのでやりたくありませんでした。私はろくにデザインも描かず、高山良策さんに白いシャツとズボン、それにマスクを作ってください。できたら、適当にケロイドをつけてくれと実相寺氏の注文通りに依頼したら、高山さんが『そんなものでいいんですか?』と呆れて言ったのを憶えています」と語っている。

ナリタ・モンストロ・ヒストリカ

朝日ソノラマ版『宇宙船』vol.22(1985年2月号)~vol.27(1985年12月号)にかけて、連載された、イラストエッセイ。全六回。
直訳すると「怪獣の歴史」と言える。連載されていた時期が1984年版『ゴジラ』公開直後である事から、第1回の序文及び内容的に見て、『ゴジラ』のみならず日本の怪獣映画全体に対するアンチテーゼとも言える作品である。

  • 第一回(vol.22 1985年2月号)、メソポタミア・エジプトの怪獣
    • 1頁目、「怪獣が怪獣として姿を確実に現したのは、人間が文化らしいものを創り始めた時と同じ」と書かれ、メソポタミア文明のあらましと、人体を超越した神として崇拝した怪獣について言及。イラストではコルサバッド城門に彫られたラマッスが描かれている。
    • 2頁目、エジプト文明についての解説と、エジプト文明でファラオの象徴となった、太陽神ホルス、死者崇拝の神アヌビス、女神バステト、ナイルの神クヌムのイラストが描かれる。
    • 3頁目、スフィンクスのイラストと共に、メソポタミア文明とエジプト文明の相違点と共通点について解説。王を神格化していたか否かと、霊魂不滅を信じるか不老不死を願うかの違い。そしてどちらの文明も、あらゆる部門の文化が開花しても、理念を言葉に出来なかったが為に、人間と身近な、あるいは恐ろしい動物との同体化表現で強く尊いもの、つまり「神」を象徴した。怪獣は「圧倒的な力への憧れであり、秩序(コスモス)を作る為の典型(キャノン)だった」と結論づけられている。
    第二回(vol.23 1985年4月号)、ギリシャの怪獣
    • 1頁目、「哲学は驚きから生まれる」というプラトンやアリストテレスの言葉の紹介から始まり、ベレロフォンを乗せてキマイラと戦うペガサスが描かれている。ギリシャ人はシュメール人やエジプト人と異なり、「人体が最も美しく崇高」であるとして、ゼウスを筆頭にオリンポスの神々は殆ど人間そのものの姿をしている。その人間と神々との間に行き交う様々な怪獣について言及。
    • 2頁目、「最も怪獣らしい怪獣」としてグリフィンが描かれる。他にギリシャの怪獣として、四つのパターンを紹介。コスモス怪獣、カオス怪獣、多頭多尾怪獣、半人半獣。
    • 3頁目、ケンタウロスのイラスト。ギリシャ人が神に求めたのは「理想的な人間の体の調和」であったがために、エジプトやメソポタミアと異なり半人半獣は神とはなり得なかったと書かれている。
    第三回(vol.24 1985年6月号)、ヨーロッパの怪獣
    • 1頁目、旧約聖書の「モーゼの十戒」のその2「偶像崇拝の禁止」と、それに伴うコスモス怪獣の絶滅及びカオス怪獣の破壊について言及。イラストは「鏡の国のアリス」のドラゴン、ジャバウォックが描かれている。
    • 2頁目、中世カトリック教では竜が悪魔と同一視されていった事について言及。イラストは15世紀ドイツのアルブレヒト・デュラーが作った版画からの模写。八岐大蛇風の多頭竜。
    • 3頁目、イラストは同じく15世紀の画家、マーチン・ションガーの「迷える魂たち」の模写。キリスト教信仰とヨーロッパ文化の隆盛とは裏腹に、怪獣デザインは奇形化、複雑化、妖怪化していく事で堕落の一途を辿ったと書かれている。
    第四回(vol.25 1985年8月号)、インド・イスラムの怪獣
    • 1頁目、「西洋思想と東洋思想」の違いについて言及。また、それに伴う怪獣の扱いについての違いにも言及。イラストはヒンドゥー教の最高神の一つヴィシュヌを乗せる金翅鳥ガルーダ
    • 2頁目、象の頭を持つガネーシャのイラストと、象にまつわるインドの民話や英雄叙事詩「ラーマーヤナ」とハヌマーンについて言及。
    • 3頁目、象をかっさらう怪鳥シムルグのイラスト。マホメット(ムハンマド)を乗せたと伝えられている怪獣ブラークについて言及(この時点で作者、成田亨は「鳥の羽」ばかり描いている事に食傷気味。神格化された怪獣は、皆、鳥の羽を持っており、いかに人間の願いが「空を飛ぶ」事だったか判ると書いている)。
    第五回(vol.26 1985年10月号)、中国の怪獣
    • 1頁目、麒麟のイラスト。「これほど資料の少ない怪獣も珍しい」と、嘆息。結局、アメリカの百科事典を参考に描くが、作者は不満だった模様。
    • 2頁目、のイラスト。あまり知られていない部分について解説。
    • 3頁目、鳳凰のイラスト。孔子の「論語」第九篇を引用しながら、鳳凰を「中国のフェニックス」と位置づけている
    第六回(vol.27 1985年12月号)、日本の怪獣
    • 1頁目、八咫烏のイラスト。「日本の神話は、驚くほど怪獣が出てこない」と、衝撃的な一言(そんな国が、キリスト教国アメリカと並んで、大量の怪獣映画を作っているってのも皮肉な話)。成田亨は八咫烏を日本唯一の「コスモス怪獣」と位置づけており、「鳥そのままの姿のコスモス怪獣は世界的にも例が無い」とも書いている。
    • 2頁目、八岐大蛇のイラスト。恐ろしい怪獣で、生け贄のクシナダヒメを喰らおうとした所を須佐之男に退治されるが、退治したら天叢雲剣が出てきたという、コスモス怪獣なのかカオス怪獣なのか判らない、不思議な怪獣との事。
    • 3頁目、のイラスト。平安時代に源頼政に射落とされた怪獣。成田はこの「日本のキマイラ」とも言える鵺や先の八岐大蛇の発想が「日本的ではない気がする」と書いている。
「ナリタ・モンストロ・ヒストリカ」連載終了後、『モンスター大図鑑』のイラスト制作の為に取り寄せた、海外の資料に記載されていた日本のモンスターの記述のいい加減さに呆れると同時に、当の日本にも「日本のモンスター」に関する資料が無い事に気付き、成田亨は愕然としたという。
これが晩年、天狗河童等の「日本のモンスター」をテーマにした作品制作に重点を置き、大江山の酒呑童子茨木童子星熊童子のブロンズ像制作に携わるきっかけとなった。

鎮魂歌


成田氏は著書において、次のような詩を「鎮魂歌」として載せている。その内容は

星から来た勇者 地球を救った勇者 永遠であれ 
君を利用し 金儲けをたくらむ地球人の為に 
角をつけたり 髭をつけたり 乳房を出したりしてはいけない 
スーツを着たり 和服を着たり 星空に向かってラーメンをかゝげてはいけない 
経済と技術に溺れて了った地球人は 叡智と勇気を失って いま もだえ苦しんでいる 
しかし 遠からず必ず不変の叡智を取りもどすだろう 
君は星空の彼方から見とどけてくれたまえ 
永遠の偶像よ

成田はウルトラマンのデザインを「シンプル」であることに拘った。そして同時に、ウルトラマンに「神」とも等しい神秘性を求めていた。しかし、シリーズが進むにつれて、ウルトラマンのデザインはより複雑になっていった。更に、ウルトラマンがTVCMなどでギャグキャラ扱いされることも増えていった。成田は自分のデザインが変形されていくことに大変憤り、この詩を「ウルトラマンの墓」というモニュメントに添えた、と言う。


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サンダ対ガイラ ウルトラマン ウルトラセブン マイティジャック 突撃!ヒューマン!! 円盤戦争バンキッド 円谷プロ
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