ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

概要

メソポタミア神話とは、シュメール神話バビロニア神話アッシリア神話といったメソポタミア文明における諸神話の総称。

シュメールの神話は、シュメール人の各都市国家が互いに抗争する中で生まれた。後に強大となったバビロンを中心とするバビロニア帝国、またその後継のカッシート王朝はバビロンの守護神マルドゥークを最高神とするバビロニア神話を成立させる。ただしマルドゥークの地位はシュメールの神々の承認で成立したとし、神話にも多くシュメール神話を取り入れている。またアッシリア帝国が強大になるとその最高神アッシュールがマルドゥークに代わって最高神となったが、バビロニア神話の多くはアッシリア神話にも引き継がれることになった。続く新バビロニアがアッシリアを打倒すると、バビロニア神話が復興してペルシャ帝国に征服されるまでこの地に定着することとなる。

簡単に言うなら「今の世界における『悪魔』と呼ばれる存在が主役を務める神話」である。

 

神々と英雄の一覧

シュメール神話の神は(シ)、バビロニア神話の神は(バ)と略称をつける。

呼び名が複数ある場合は/でつなぐ。

神の名はシュメール語とアッカド語の表記があり、バビロニア神話はアッカド語表記によっている。

天地創造

ティアマト(バ) アプスー(バ) アヌ(バ)/アン(シ) エンリル

エンキ(シ)/エア(バ) マルドゥーク(バ) シャマシュ

シュメールの神話では神々の支配権が空の神アンから、エンリルに奪われたことを描く。

エンリルは天空神にして洪水を起こす神として恐れられた。

人類を作ったのは知識の神エンキであり、後にエンリルに挑んで破れている。

バビロニア神話では神々の父としてアプス、母としてティアマトが置かれる。

その子孫たる若い神々の大騒ぎゆえに苛立ったアプスーは神々の抹殺を企てる。

エアがアプスを倒すものの、さらに騒ぐ神々にティアマトが激怒、軍団を編成して神々の抹殺を謀る。

そこでアヌやエアら若い神々は、マルドゥークに最高神の地位と引き換えに

ティアマトを倒すことを求めた。

マルドゥークはティアマトを殺して二つに割き、片方を天、片方を地とした。

またマルドゥークはティアマトの部下キングーの血から人類を創造して神々の僕とした。

冥界下り

イナンナ(シ)/イシュタル(バ) エンキ/エア エレシュキガル

シュメールの女神イナンナは冥界に下って冥界の女神エレシュキガルに会う。

イナンナは殺されてしまうが、エンキの助力で復活する。

バビロニアのイシュタル女神にも同様な神話がある。

ネルガルとエレシュキガル

ネルガル エレシュキガル エア

ネルガルはエアの子であったが、エレシュキガルの使者に無礼を働いたので

エレシュキガルに殺されてしまう。エレシュキガルは冥界でネルガルを歓待するが、

ネルガルは門番を籠絡して天界に戻る。

エレシュキガルはネルガルを夫に望み、

冥界に戻ったネルガルははじめエレシュキガルを殺そうとするが、

女神の懇願に負けて冥界の王エラとなる。

洪水神話

アトラ・ハーシス(バ) エンリル エア

旧約聖書などの洪水神話にも影響したとされる神話である。

その背景には、エジプトのナイル川よりずっと激しい洪水をおこし、

全てを押し流してしまうティグリス河・ユーフラテス河への恐れがあったという。

神々に創造された人類は増え続け、エンリルはその騒々しさを不快に思った。

そして人類を滅ぼすべく、疫病の神ナムタルに疫病を起こす命が下される。

しかし賢者として知られたアトラ・ハーシスは、エアの助言によりナムタルに貢物を捧げてこれを防ぐ。

次に旱魃が襲うが、同じく嵐の神アダドに貢いで阻止してしまう。

最後にエンリルは洪水を起こす。

エアはアトラ・ハーシスに警告し、全ての種を乗せるための船の設計図を渡す。

船を建造したアトラ・ハーシスは人々を招いて船中で宴を行う。

やがて洪水が襲い、七日間で世界を滅ぼしてしまう。

しかし船は沈まず、アトラ・ハーシスたちは生き延びることに成功した。

ギルガメシュ叙事詩

ギルガメシュ エンキドゥ イシュタル アヌ

一般に世界最古の英雄譚と呼ばれるこの神話は、メソポタミア神話の中でも有名である。

詳細はギルガメシュの記事を参照。

コメント

コメントが未記入です

pixivに投稿されたイラスト

すべて見る

pixivに投稿された小説

すべて見る
  • 偏屈皇帝と神君

    甘い果実と虫歯の病魔

    古代ローマ史。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14596197に始まるシリーズ「バッカスとアポロ」と同一世界観。 今回は紀元前27年頃。温室で自分で育てたメロン(※原語popones:ティベリウスの好物であったと伝えられるウリ科の植物。マクワウリっぽい何かの模様。)を収穫して食べるティベリウス&ドルスス兄弟とアウグストゥスの話。食べ物ネタ+神話系与太話です。話者ティベリウス。 ワイ基本的には記憶知識だけで勢いでお話書いてしまうマン。一応歴史的事実と大きく矛盾しないようには気を付けてますが、間違ってる知識が多々あるかもしれない。 まあフィクションですし素人なんで大目に見てください。ちょっとでも楽しんで頂けると幸いです。
  • (シャマイシュ)ドゥムイシュの馴れ初め神話『ドゥムジとエンキムドゥ』をラノベ風にしてみた

    本来ドゥムイシュの馴れ初め神話ですが、中身はシャマイシュです。原典を読んでもですね、結婚するのはドゥムイシュだけど、どう読み込んでもシャマイシュ+ドゥムジ&エンキムドゥの友情神話でした。という事で… シャマシュ&イシュタル。もしくはウトゥ&イナンナ。 彼らの資料を繋げるとこういう事!?っていうストーリーにしています。 彼ら双子兄妹はですね。どうやら「2柱はとても親密で、しばし不倫関係だった」らしいんですよ。 しかもイシュタルの恋人ドゥムジは不妊の神で、イシュタルとの子供がいない(当時は子供が生まれる事で正式な夫婦。恐らくドゥムイシュは子供がいないから「恋人」と表記されると思われる)。 それなのにイシュタルには父親不明の娘、女神サラがいるんですよね。 『夫は不妊神』『不倫』『父親不明設定の娘』…これはいろいろ察しますよね笑 今回シャマシュイシュタルどちらも独身スタートですけど、シャマシュが先に結婚しているバージョンがあっても違和感ないかな。 『ドゥムジとエンキムドゥ』を中心にしていますが、『イナンナもしくはイシュタルの冥界下り』や『ギルガメシュ叙事詩』などに繋がるような設定を意識しており、イメージはギルガメシュ叙事詩の2千年前です。 なお、私が描くシャマシュ神の外見は、「Fateギルガメッシュのオリジナルになる」という設定の為、顔だけはギルガメッシュと同じです。このシャマイシュあってこそのギル←イシュだと思ってます。 さらにシャマシュがギルガメッシュ顔なので、イシュタルから見た上の兄アダドはプロトギルぽい顔かな?ってイメージでいってます。アダド=ウガリット神話の最高神バアル説を採用しているので、バアル(後に新宿で戦う魔神柱バアルになる)もプロトギル顔ですね。 それとFGOのスペースアシュタレトが凛顔なので、ウガリット神話のアスタルトも凛顔。 バアルとアスタルトは夫婦なので、実はウガリットでも金凛ぽいカップルがいたりいなかったり!?金凛ちゃんは時代と国を跨いでも面白いのでした。 登場人物 シャマシュ=ウトゥ 多分独身時代のシャマシュ。イシュタル(イナンナ)の双子のお兄ちゃんなんだけど、何故か彼女の嫁入り話を取り仕切っている。普通はお父様のポジションだぞ☆ 乳製品が大好き→乳製品を作ってくれるドゥムジ大好き!なんだと思う。 イシュタル=イナンナ 年頃だけどまだまだお兄ちゃんに甘えたい妹。ナツメヤシをシンボルとする女神で聖花はギンバイカ。その為植物神であるエンキムドゥに恋をしている。愛らしい外見。 ドゥムジ(後のタンムズ) 牧神。最高神エンリルの息子で好青年。お調子者。この頃は天の神(後に冥界神となる) エンキムドゥ 植物神。あっさり草食男子。 ※原典はウトゥ&イナンナ呼びですが、聞き慣れたシャマシュ&イシュタル呼びで書きます。 場所はおそらく、シャマシュとイシュタルの実家。イシュタル視点で書いてます。
    12,442文字pixiv小説作品
  • とある戦神の恋愛事情

     メソポタミア神話の冥界の戦と疫病の神ネルガルなリヴァイ×女王エレキシュガルなエレンのお話です。久々に短編を書いたので、短く纏める心算が余り纏まらなかった…でも、書きたい場面はちゃんと書けたので良かった良かった。  直接のエロ表現は書いていませんが、話の流れの中で下品な会話やエロ表現が出て来ているのでR-15を付けておこうと思います。
    24,328文字pixiv小説作品
  • 女王クレオパトラの悪霊払い

    ネルガルとエレシュキガル、或いは物語る死神

    古代ローマ史。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14596197に始まるシリーズ「バッカスとアポロ」と同一世界観。 今回は紀元前37-36年頃?。オクタヴィアと離婚してクレオパトラ七世とサモス島でイチャイチャしているアントニウスの話。 話者アントニウスで、神話系与太話&若干のホラーテイスト。 ワイ基本的には記憶知識だけで勢いでお話書いてしまうマン。一応歴史的事実と大きく矛盾しないようには気を付けてますが間違った知識が多々あるかもしれない。 まあフィクションですし素人なんで大目に見てください。ちょっとでも楽しんで頂けると幸いです。
  • 女王クレオパトラの悪霊払い

    よろしい、ならば戦争だ。

    古代ローマ史。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14596197に始まるシリーズ「バッカスとアポロ」と同一世界観。 今回は紀元前37-36年頃?で、前話「ネルガルとエレシュキガル、或いは物語る死神」https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16131325のオクタヴィアヌス側視点。 意識を取り戻したがまだ病床にあるオクタヴィアヌスがマエケナスに話しかけています。 話者オクタヴィアヌス。 ワイ基本的には記憶知識だけで勢いでお話書いてしまうマン。一応歴史的事実と大きく矛盾しないようには気を付けてますが間違った知識が多々あるかもしれない。 まあフィクションですし素人なんで大目に見てください。ちょっとでも楽しんで頂けると幸いです。
  • 父は見た

    手慰みに書いたもの。アヌです。
  • 女王クレオパトラの悪霊払い

    女王クレオパトラの悪霊払い

    古代ローマ史。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14596197に始まるシリーズ「バッカスとアポロ」と同一世界観。 今回は紀元前37-36年頃?で、前話「ネルガルとエレシュキガル、或いは物語る死神」https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16131325の続き。 アントニウスのために『悪霊払い』をするクレオパトラ七世の話。話者クレオパトラ七世。 三頁目だけ話者リウィア・ドルシッラ。 ワイ基本的には記憶知識だけで勢いでお話書いてしまうマン。一応歴史的事実と大きく矛盾しないようには気を付けてますが間違った知識が多々あるかもしれない。 まあフィクションですし素人なんで大目に見てください。ちょっとでも楽しんで頂けると幸いです。
  • 英雄王とその下僕と冥界の話

    古代ローマ史。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14596197に始まるシリーズ「バッカスとアポロ」と同一世界観。 今回は紀元前30-31年頃。『対エジプト戦争』中のある夜。 負傷したアグリッパがオクタヴィアヌスに手当てされています。話者アグリッパ。 ワイ基本的には記憶知識だけで勢いでお話書いてしまうマン。 一応歴史的事実と大きく矛盾しないようには気を付けてますが、間違ってる知識が多々あるかもしれない。 今回の話の出典はオックスフォード大学のThe Electronic Text Corpus of Sumerian Literature(ETCSL)のサイト。 英文サイトの記述を作者が日本語訳したものなので、間違いだらけかもしれない。 まあフィクションですし素人なんで大目に見てください。ちょっとでも楽しんで頂けると幸いです。 元ネタが気になる方は是非ETCSLのホームページを訪れてください。 他にも色んな話が英語で読めます。
    12,539文字pixiv小説作品
  • 創世記のマルドゥクのはなし

    メソポタミア神話の創世記。 ティアマトを殺し、世界を作った至高神マルドゥクのはなし。 ただただ暗い話。
  • 深淵の星

    メソポタミア神話の呪術神アサルルヒとマルドゥクの話。 ※バビロニア創世叙事詩『エヌマエリシュ』を基にしてます。 ※↑の神話ではアサルルヒをマルドゥクの名の一つとして扱っているのですが、本来は別の神だったこともあり、自創作では別の神として扱っています。
  • 【メソポタミア神話創作】エレシュキガルとエンキとイシムド

    この小説は、メソポタミア神話(シュメール神話及びバビロニア神話)を基にした二次創作物であり、 主に以下の神話に対するオマージュが含まれています。  cf. main. 『ネルガルとエレシュキガル』、『イナンナとエンキ』、『イナンナの冥界下り』、     sub. 『人間の創造』、『エンキの定める世界秩序』、『アダパ物語』、『ビルガメシュの死』 メソポタミア神話に造詣ある方達にとって、クスリとくるような場面があれば幸いです。 また、これまで触れる機会が無かった方にとっても、この分野に関心を持つ一助となれば、なお幸いです。 拙い文章で恐縮ですが、少しでもお楽しみいただければ嬉しいです。
    50,835文字pixiv小説作品

このタグがついたpixivの作品閲覧データ

メソポタミア神話
45
編集履歴
メソポタミア神話
45
編集履歴