概要
アッカド語では「太陽の牛(アマルトゥ)」、またメソポタミアの複数の言語で「ベル(主人)」とも呼ばれ、これはバアルと同語源、同義の言葉である。
バアルと同様、牛を象徴的な動物とし、水と関わりのある嵐の神という側面を持つ主神である。
ギリシャ神話のゼウスのように武器として雷を手に持ちもするが、父エア同様、魔術にも長けている。
四つの目と耳を持ち、ムシュフシュ竜に騎乗した姿で描写される。
創世神話エヌマ・エリシュでは、神々の太母ティアマトに戦いを挑み、斃した彼女の遺骸から天地を創造した。
ちなみにムシュフシュはティアマトに造られた配下の一体だが、母親が倒された後マルドゥク側についた。
家族関係
父:エア
母:ダムキナ
妻:サルパニト(ザルバニトゥ)
子:ナブー、サトゥ、アサルなど
50の名
彼は「マルドゥク」をはじめ50の名前を持つ。エヌマ・エリシュの書版には彼の神名として、
マルドゥク、マルッカ、マルトゥック、バラシャクシュ、ルカルディムムフランキア、
ナリ=ルガルディムムンキア、アサルルドゥ、ナムティルラク、ナムル、
アサル、アサルアリム、アサルアリムヌンナ、トゥトゥ、ズィウクキンナ、
ズィク、トゥク、シャズ、ズィシ、スフリム、スフグリム、ザフリム、ザフグリム、
エンビルル、エパドゥン、エンビルル=フガル、フフガル、スィル、マラー、ギル、
ギルマ、アリルマ、ズルム、ムンム、ズルンマル、ギシュヌムナブ、ルガルアブドゥブル、
パガルグエンナ、ルガルドゥルマー、アラヌンナ、ドゥムドゥク、ルガルクトゥガ、
ルガルランナ、ルガルッカ、イルキングー、キンマ、エスィズクル、ギビル、
アッドゥ、アシャル、ネビルが記されている。それぞれの名はマルドゥクが持つ神力や権能を象徴している(参考url)。
創作におけるマルドゥク
ゴッドイーター
シリーズに登場するアラガミ。
マルドゥークを参照。
ロードオブヴァーミリオン
マルドゥク(LoV)を参照。
Fateシリーズ
メロダックの名前で登場。
登場人物の一人ギルガメッシュが保有する剣。宝具「王の財宝」に収納されている。
マルドゥック・スクランブル
作中に登場する都市名。名称はマルドゥック。
新世紀エヴァンゲリオン
マルドゥック機関というダミー組織が登場。
白猫プロジェクト
マルドゥークの名前で登場。
闇の王の派生モンスター。
メタルサーガ~砂塵の鎖~
マルドゥックという名前の賞金額100,000Gであるタンク系の賞金首が登場。長期戦になるとシェルター状態になって攻撃が苛烈になる。
メタルマックス4
機甲神話マルドゥクという名前の賞金額330,000Gの、一週目では最強クラスの巨大なタンク系の賞金首として登場。クリア後には同型だが既視感があるカラーリングの賞金額350,000Gの機神強装マルドゥク、さらに難易度ゴッドクリア後には賞金額555,000Gの砲神マアルドゥクスが登場する。
銀河英雄伝説
(中段の艦艇)
OVA版において、自由惑星同盟軍の艦艇として「マルドゥーク」の艦名で登場。同軍の標準型戦艦の改造型という設定で、艦首主砲ブロック上部にドーム状構造物を増設している他、艦橋形状も変更されている。
劇中ではサンドル・アラルコン少将の座乗艦として、アラルコン少将が指揮する独立部隊の旗艦として登場。第8次イゼルローン攻防戦においてヤン・ウェンリー大将の麾下に増援として臨時編成された混成艦隊に部隊ごと派遣される。ヤン大将の方針を無視してグエン・バン・ヒュー少将の部隊共々敗走するナイトハルト・ミュラー大将の帝国軍残存部隊を追撃するが、応援として派遣されたミッターマイヤー・ロイエンタール両上級大将が指揮する帝国軍艦隊と遭遇。案の定追撃に出た同盟軍艦隊共々壊滅に追いやられる形となり、同艦も大破後に味方艦艇に激突する形でアラルコン少将諸共轟沈した。
女神転生シリーズ
魔神転生2やデビルチルドレン(GBA世代)など様々な派生作品で登場。特に偽典・女神転生とD×2真・女神転生リベレーションではNPCとして物語に関わってくる。
真・女神転生VVでは本人は出てこないが、アトゥムやバアルより前に“至高天”の王座を支配した初代王であり、本作のテーマである牛神と蛇神の争いの発端を作るなど物語の根幹に関わる存在として触れられている。
関連タグ
エヌマ・エリシュ:マルドゥクが登場する神話