サンドル・アラルコン
さんどるあらるこん
「弱い、こいつら本当にヤン・ウェンリーの部下か」(ウォルフガング・ミッターマイヤー)
CV:大友龍三郎
田中芳樹の小説『銀河英雄伝説』の同盟側登場人物。同盟軍少将。
アムリッツア星域会戦後、生き残った高級軍人の中では有能とされているが、人格的に問題がないライオネル・モートン、ラルフ・カールセンとちがって、過度な軍隊至上主義者として知られ、民間人・捕虜殺害の疑惑により、何度か軍法会議にかけられ、その都度無罪になったいわくつきの人物である。
イゼルローン要塞駐留艦隊司令官・ヤン・ウェンリー大将はそれらの疑惑を事実であると思い、無罪になったのも軍上層部が事実を握りつぶしたのではないかと疑っている。
しかし、そのような人物でも「ヤン・ウェンリー査問会」の最中に起きた第八次イゼルローン要塞攻防戦では使わざるをえず、ヤンですら彼の艦隊約2200隻を戦力として計算せざるをえなかった。
結果、ヤンが率いた計5500隻の増援艦隊は帝国軍・カール・グスタフ・ケンプ、ナイトハルト・ミュラー両大将が籠るガイエスブルグ要塞を破壊、ケンプ大将は要塞の爆発に巻きまれて戦死、帝国軍艦隊はほぼ壊滅した。
残存部隊はミュラー大将のもと逃亡を図るが、案の定、ヤンが敵の撤退を追撃しない方針を言うと弱腰として非難し追撃。
追いすがるアラルコン、グエン・バン・ヒュー両少将の艦隊に追いまくられ、著しく数を減らしていく。
その瞬間、オスカー・フォン・ロイエンタール、ウォルフガング・ミッターマイヤー両上級大将率いる帝国軍の増援艦隊が現われる。
ケンプの弔い合戦に燃える2人の前にアラルコン、グエン・バー・ヒュー両少将の艦隊はもろくも敗れ両名はあえなく戦死、同盟軍のあまりのもろさにロイエンタール、ミッターマイヤーは上記のとおり慨嘆した。
アラルコン、グエン・バン・ヒュー両少将の残存艦隊は、「全兵力をあげて救援に向かう」というウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ客員提督の建策を入れてヤン自身が率いるが、そのことを知ったロイエンタール、ミッターマイヤーはこれ以上の深入りを避けて撤退、
ヤンはアラルコン・グエン・バン・ヒューの深入りが招いた帝国軍の反撃と、目的を達成したことで最大の宿敵に目にやることなく潔く撤退した帝国軍のロイエンタール、ミッターマイヤーを比較することで名将の引き際の見事さを養子のユリアン・ミンツに教え、諭している。