「降臨!ガオハンター!!」
データ
全長 | 62m |
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全幅 | 36m |
体重 | 6600t |
(※)「SMP 魔獣合体ガオハンター」パッケージより。
概要
Quest 17から登場。
ガオシルバー、および狼鬼のパートナーである3体のパワーアニマル(ガオウルフ、ガオリゲーター、ガオハンマーヘッド)が合体して誕生する精霊王。
後述する誕生の経緯に起因した、正義と悪の2つの姿を備えており、狼鬼の操る邪な王としての姿を「ガオハンターイビル」、ガオシルバーの誕生とともに変化した荒ぶる狩人としての姿を「ガオハンタージャスティス」と呼称する。
両形態に共通する武器としてガオリゲーターとガオハンマーヘッドの尾を結合させた大剣「リゲーターブレード」(※1)とガオウルフの尾で通常は胸飾りとなっている「クレセントブーメラン」。クレセントブーメランは実際のブーメランのように一回の投擲で手元に戻ってくるのではなく、自在に軌道を変えて何度も相手に当てることができる。
また、ガオハンターの両腕を他の精霊王が百獣武装する際にはリゲーターブレードも一緒に装備する事ができる(ガオイカロスの記事も参照)。
また得意技として右腕からの「ハンマーショット」、左腕からの「ウルフアタック」とガオキングと同様のパンチ技も有しており、こちらも両形態共に使用可能である。
必殺技は胴体に折りたたまれていたガオリゲーターの頭部を起こし、その口からガオソウル(もしくは邪気)の光線を放つ「天地震撼・ビーストハリケーン」(※2)でガオマッスルの放つ「氷牙炎滅・ベアーストライク」と同等の威力を発揮する。
ガオハンターへの合体能力は元来備わっていたものではなく、1000年前のオルグとの戦いにおいて、闇狼の面を被ったシロガネから伝わった邪気を、パートナーたるパワーアニマルが取り込んで強化されたことにより初めて可能となったものである。
そのため、ガオハンター本来の姿は以上の経緯からも分かる通りイビルの方であり、ジャスティスはシロガネがガオシルバーの変身能力を会得した影響により誕生した、新たな形態である。
テーマソングは今井清隆の歌う『I.D. 〜ガオハンターレクイエム〜』。作中で流れるようになったのはジャスティス登場以降で、いずれもインストゥルメンタル版のみが使用された。
(※1 作中では未使用に終わっているが、設定上はガオキングと同様にフィンブレードを使用することも出来る)
(※2 1,000年前の戦いでは「天地震撼・百獣の嵐」と呼称)
魔獣合体
ガオハンターイビル
「三つの宝珠が紋章を描くとき、魔獣たちは一つに重なり、邪なる王が誕生するのです!」(作中ナレーションより)
この形態では、「魔獣フェイス」と呼ばれる狼を模した邪悪な顔をしており、額からはオルグのような一本角が生えているのが特徴である。
初合体を果たし、オルグの頭領である百鬼丸を倒した時の姿でもあり、当初は闇狼の面を被ったシロガネの手により制御されていたが、百鬼丸の討伐を果たすと同時に邪気をコントロールできなくなり、完全なる「邪な王」へと転じてしまった。
百鬼丸が百獣の神とも称されるガオゴッドを破り、その百鬼丸をガオハンターが倒したという事実から、ファンの間では歴代悪の戦隊ロボの中でも屈指の戦闘力の持ち主である、とも考えられている。
邪気の影響で誕生した形態であるため、ガオレンジャーとの戦いの末に邪気が抜けた後は後述のジャスティスの姿へと転じたが、後にウラの策略によって大神が囚われ、彼の身体に再び千年の邪気を注入する儀式の際、その影響で一時的にイビルの姿に戻ったこともある。
固有の必殺技として、リゲーターブレードを用いた斬撃「魔性十六夜斬り」を繰り出すことができる。
魔獣武装
狼鬼がガオレンジャーから奪ったガオの宝珠を用いることにより、彼の使役する魔獣を「魔獣武装」することも可能である。
他の精霊王による武装とは異なり、ガオリゲーターが腕以外の部位を一体で構成する都合上、下半身を構成するパワーアニマルを武装することはできない。
なお、魔獣時代のガオエレファントが狼鬼に使役される扱いで終わっているのは至極簡単な話で、ガオエレファントを武装できるのはガオキングまたはガオゴッドの腕(※)のみという玩具の互換性の都合による物である。
(※)SMP版ではガオソーシャークの鋸を外せば両腕とも百獣武装可能。
- ガオハンタースピアー
Quest 18に登場。
魔獣となったガオジュラフをガオハンマーヘッドと交換する形で武装した攻撃形態。
必殺技はジュラフスピアーを伸ばして敵を貫く「精霊貫徹・ネックスラスト」。
- ガオハンターダブルナックル
Quest 21に登場。
魔獣となったガオポーラー・ガオベアーをガオハンマーヘッド・ガオウルフと交換する形で武装した格闘形態。
必殺技は右腕からの冷気と左腕からの炎熱を同時に噴射する「精霊炎滅・ベアーストライク」。
百獣合体
ガオハンター ジャスティス
「今、正義の力でガオハンターは、ガオハンター ジャスティスとして生まれ変わったのです!」(作中ナレーションより)
Quest 24から登場。
ガオシルバーの誕生後に合体したガオハンターが変化した姿。初合体の際には一度イビルの姿を経た後、魔獣フェイスが開いて中からヒューマンフェイスと呼ばれる人のような顔が出現、併せて一本角も消滅した。
イビルとは異なり、他のパワーアニマルを武装して戦うことはないものの設定上では百獣武装も可能ではある。
固有の必殺技としてリゲーターブレードに精霊の力を集めてドリル状に回転させ、この状態で突撃する「悪鬼突貫・リボルバーファントム」を繰り出す。
また他の精霊王との合体技として、ガオマジロと協力してビリヤードの要領でこれを打ち出す「ハンター聖獣球」、ガオキングストライカーと協力して放つ合体光線「獣神一体・アニマルバースト」、ガオゴッドとの連携による「ダブルゴッドインパクト」が存在する。
シルバー曰く「一匹狼の集まり」らしく、パワーアニマルを自在に操れる猛獣使いオルグのコントロールも平然と撥ね付けているのだが、その辺りの具体的な理屈は結局のところ作中では言及されなかった。
ただ皮肉な事に3体のパワーアニマルのモチーフである動物(オオカミ、ワニ、シュモクザメ)は、いずれも群れを成して行動する習性の持ち主だったりする。とりわけシュモクザメは、鮫の中でも珍しい群れを形成する種として知られている。
「千年の友」であるガオゴッドとも、この形態になってからようやく共闘を果たしているが、2度目の共闘となった究極オルグ_センキ戦では連携技をあっさり受け止められた末に修羅百鬼剣で呆気なく倒され、3つの宝珠の状態で月麿の元に戻った後に自壊している。
- ガオハンターブルームーン
「戦士の祈りが、天空を揺らしました!その時、空にガオシルバーの守護者・青き月が姿を現したのです!」(作中ナレーションより)
Quest 40のみ登場。
5人の祈りで出現したシルバーの守護者たる「青き月」の力を受けてパワーアップした奇跡の姿。通常のジャスティスとの差異としてボディを構成するガオリゲーターの緑色の部分が青にヒューマンフェイスの目が緑にそれぞれ変化、操縦席も青く染め上げられている。
その力は通常時より10倍の5億5,000万馬力にまで跳ね上がり、技も「ブルーハンマーショット」・「ブルーウルフアタック」、そして「リゲーターブレード三日月斬り」とより強力なものへと変化。ガオゴッドの神獣荒神剣との合わせ技により、強敵であったブリキオルグに大ダメージを与えた。
必殺技はビーストハリケーンを大きく凌駕する威力を持つ「月下咆哮・ブルームーンハート」。
もっともパワーアップによる代償も相当なものがあり、精霊の力を著しく消耗するために一時期戦線離脱を余儀なくされ、大神も戦闘後しばらくは動けない状態に陥った。
何気に武装やスーパー合体を経る事なく強化形態へ“変身”した姿という歴代で見てもかなり珍しい存在である。
- ガオハンターファントム
メディアワークスより刊行されたムック本『スーパー戦隊アートコレクション 戦隊ロボ編』にて明らかにされたガオハンターの強化形態。
背中と右腕に作中未登場のパワーアニマル・ガオバットが合体したもので同書にはこの形態の設定画も掲載されている。
備考
ガオハンターは当初、コウモリ(※3)・サソリ(※4)・ワニの3体のパワーアニマルの合体によって完成するものとして考案されており、頭部をコウモリ、上半身をサソリ、下半身をワニが構成し、宇宙忍者のようなハサミ状の両手が特徴的な案やコウモリを胴体としつつ右手足をワニ、左手足をサソリとする、フラッシュキングに近いパターンの合体案などが提示されていた。
決定稿と同じ、オオカミ・シュモクザメ・ワニという組み合わせとして再考された後もブイレックスロボのようにワニの尾をそのまま尻尾として残すといったアイディアも存在する他、頭部についても三角形の耳を回転させることで、顔面と一部のカラーリングを変化させるという案も残されている。
(※3 前出のガオバットとはモチーフを同じくするものの、構造やギミックは全くの別物であり、恐らくはガオハンターを構成する一体から除外された後に、改めてガオバットとしての設定が起こされたものと見られる)
(※4 このことから、当初の企画では無脊椎動物もパワーアニマルのモチーフに含む形で検討されていたことが窺える)
玩具
放映当時に発売されたDXトイは放映時期、というより出荷時期によってパッケージの仕様が異なっており、ガオハンターイビルが作中で活躍していた頃に出回った初回生産分は「魔獣合体 DXガオハンター」として、ジャスティスとなってから出荷された第2期生産分以降は「百獣合体 DXガオハンター」として、それぞれの形態に準じたパッケージで販売された。
もちろん製品そのものの仕様は変わらないため、どちらを買っても魔獣合体・百獣合体の両形態を再現することは可能だが、戦隊ロボに限らず通常この手のパッケージはネタバレとなるような情報が記載されている場合が多く(※5)、各形態の活躍時期に合わせてパッケージ仕様を変更しての販売というパターンは、極めて珍しい事例と言える。
また、このような販売形式を取っている都合上、実質的に限定版とも言える「魔獣合体」バージョンのガオハンター、そしてクリスマス時期に流通・問屋限定品として発売された「ブルームーンバージョン」は、いずれもそれなりのレアアイテムとなっている。
良くも悪くも、作中におけるギミックを一通り再現可能なDXトイであるが、唯一再現不可能なのが「ビーストハリケーン発射時の体勢」である。これはガオリゲーターの頭部と、ガオハンターの頭部の各パーツが完全に一体になっているため、個別に動かせないことに起因したものであり、作中でビーストハリケーンを放つ際に見せた「ガオハンターの頭部をそのままにしてリゲーターの頭部を起こす」シーンを再現するには、何らかの改造を施す必要があるという点に注意する必要がある。(※6)
(※5 2号ロボのパッケージにて1号ロボとのグレート合体が紹介されるパターンは、その代表的なものと言える。大抵の場合は作中での初合体以前に発売されることが多く、現在のように事前のネタバレ防止が充実していなかった頃には、パッケージを店頭で見てグレート合体の存在を知るという子供達も多かった)
(※6 後年発売されたスーパーミニプラでは改造なしでも再現可能)
関連タグ
ガンバルオー:『炎神戦隊ゴーオンジャー』に登場する巨大戦力の一つ。一部の相違点こそあるものの、「後発のメンバーが操縦」し、「ワニ型を中心にイヌ科型と水生生物型が腕を構成」「水生生物の方は尾による斬撃、イヌ科の方は飛び道具で攻撃可能」といった複数の共通項を有する
ギガライノス ギガフェニックス:『星獣戦隊ギンガマン』に登場する巨大戦力達。ガオハンターのように玩具では再現されなかったものの、これに先駆けて善悪二つの姿を備える戦隊ロボの先輩格でもある
プテライデンオー:『獣電戦隊キョウリュウジャー』に登場する巨大戦力の一つ。こちらも善悪二つの姿を備えているが、公式で中の人諸共イメージモデルとしているだけのことはあり、玩具でも両形態の再現が可能となっている。また、物語中盤からは主に派生形態(ウエスタン)で運用された点は、ガオマッスルとも近似している
オウガ:『轟轟戦隊ボウケンジャー』に登場する敵怪人の一体。デザインモチーフとしてガオハンターが採用されている
マックスビクトリーロボ_ブラックバージョン:ガオハンターブルームーンより前に登場した色違いロボの先輩(こちらは最初から完成品として登場している)。