解説
元々単語の意味通り単独のオオカミのことである。
オオカミの群れは基本的にオスとメスのリーダーをトップに、その子どもや兄弟達で構成されている(これを英語では「パック」と呼ぶ) 。
子どもは2歳になるまでは親元の群れで暮らすが、成長すると新しいパートナーを探して群れを出ていく。
また、対立する群れ同士の争いによってリーダーが死亡した場合、群れの秩序やまとまりが崩壊し、群れから出ていくものもいる。
こういった群れから出たオオカミのことを、一匹狼(英語ではLonely wolf)と呼ぶ。
※前回までの記事には「子供が成長すると子供は同性の親を殺す事も有り得る」と書かれていたが、オオカミの生態調査においてその様な行動は報告されていない。
よって、群れで生きるオオカミが単独で行動する様子から、他者をあまり頼らず単独行動する人の事を一匹狼と呼ぶ。
表現の格好良さやワイルドさから一匹狼を気取りたい、と考える人は少なくないだろうが、大抵の人間社会では集団で生活する事が通常で有る為、あまりにも一匹狼のスタイルを貫けば他者から信頼されないことにも成る。
「君子は和して同ぜず 小人は同じて和せず」と言うように、優れた人間はむやみに他人に同調して馴れ合うべきではない反面、他人とは自主性を持って付き合うべきなのである。
また実際のオオカミもパワーや爪の威力が他の肉食動物に及ばない為、単独で生きることは非常に危険である。
大型の鹿を獲るのが困難なだけでなく、死肉をあさろうにも他の動物に奪われたり攻撃されたりして命を落とす危険性が高いからだ。
なのでオオカミにとっての「一匹狼」というのは「オレは群れないぜ(キリッ)」ではなく、「ぼっちなう(泣)」なのである。
実際にトリビアの種でバウリンガルを使って検証したら、「僕どうしたらいいの?」と出てきた。
ただ、フィクションでは他者を頼らないキャラクターとして一匹狼のようなキャラクターはよく出る。