かつて フジテレビで
無駄な知識を紹介する バラエティ番組があった。
へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~……
それでは見ていただきましょうか、こちらが確認の項目です。
本当にそんな番組があったのか pixiv百科事典はこう語る
trivia(トリヴィア)というのはくだらない事・顛末な事・些細なこと・無駄知識のことであり、それにイタリアのトレビの泉を掛け合わせたのが、「トリビアの泉」である。正式な名称は「トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜」であるが、専らサブタイトルは省かれ「トリビアの泉」ないし「トリビア」と呼ばれる。この記事でもそのように呼称する。
コンセプトは「明日人に教えたくなる」ような話題の提供。司会者の八嶋智人・高橋克実が紹介する一般人(ごく稀に芸能人)から提供されたトリビアにゲストがどれだけ感銘を受けたかをへぇボタンを押した回数で審査する(一人20へぇ)。ほとんど審査員は5人だが、特番になると2倍の10人になる事もある。
「正式な場でトリビアを品評する」のをコンセプトとするため、司会、レギュラー、ゲスト全員が正装で参加するのが決まりとなっている。また、少しでも品のある構成になるよう他の番組と比べテロップも最小限に抑えられ、ワイプも全く使用されていないのも特徴。
ナレーションは長年、昭和ライダーでお馴染み中江真司が担当していた。深夜版では少し抑揚の付いたナレーションだったが、ゴールデンに移行すると一転して、どんなに派手な場面であろうとツッコミどころ満載であろうと実に淡々と事実を読み上げるシュールなナレーションに転換し、人気を集めた。トリビアの泉といえばこの人の声というイメージを持つ人も多いのではないだろうか。トリビアの泉のナレーションは氏の晩年を代表する仕事でもあり、体調不良からか2005年に入ると提供されたトリビアが何へぇを獲得したかのナレーションが省略される回も目立っていった。そして2006年9月の番組終了から一年足らずの2007年6月に逝去した。
その後に製作されたスペシャル版のナレーションは大友龍三郎、窪田等らが担当している(窪田氏については、それより前に中江氏が担当していた任天堂のCMを引き継いでいる)。
はい、確かにフジテレビにはトリビアの泉という番組がありました
2002年10月に深夜番組として放送開始。深夜帯ながら視聴率が5%を越える人気を博しており、2003年7月からレギュラーに品評会会長としてタモリを加えゴールデンに進出。
「トリビアの泉」がメインコーナーで雑学紹介をメインとしながら、番組内の実験や調査で新しいトリビアを生み出す「トリビアの種」や、巷ではびこっている間違った知識(=ガセネタ)を是正する「ガセビアの沼」というミニコーナーもやっていた。
番組の制度を分かりやすく説明すると こういう事である
番組にトリビアが採用された投稿者はへぇ×100円の賞金がもらえる他、ゴールデン移行後は80へぇを超えたものは品評会会長のタモリの気まぐれによる粗品が提供された(ほとんどはトリビアに因んだダジャレから。ゴールデンに移行した2003年7月2日の初回放送は80へぇに満たなくても粗品が提供されていた)。
番組内で最も高いへぇを獲得したトリビアには賞金の他にメロンパン入れにもなる金の脳がプレゼントされる。次いでへぇの数値に関係なく番組内で高橋克実が気に入ったトリビアには金の脳をミニチュア化した銀の脳(5つ集めると金の脳と交換)がプレゼントされた。
そして、番組内で100へぇ(審査員が10人の場合は200へぇ)を記録したトリビアの投稿者には10万円がプレゼントされる…というルールだったが、番組通して100へぇを記録したトリビアが出る事は1度もなかった(ただしできるかなのノッポさんに関するトリビアで99へぇを叩き出したことはある)。ゴールデン移行後に至ってはタモリが満へぇを一度も出した事がなかった(最高18へぇ)ため無理な話でもあったが…(ちなみに200へぇ満点中のトリビアでその半分の100へぇが出たことはある)
この番組の本質はなんと言ってもトリビアの検証や再現などにおいて、経費と労力を使いまくる無謀とも言える試みである。その大真面目に馬鹿をやる姿勢が番組の売りとなり、大きな人気を博した。進出直後は平均20%超を誇る高視聴率をマークし、21世紀のおばけ番組として君臨していた。
実際にやってみた
ゴールデン進出後は無駄に力を入れる演出が多く、検証VTRに有名漫画家を起用したり、大物タレントが出演したこともある。また、お金をかけてさらっとギネスを更新したり世界初、日本初の試みをやってのけたこともあった。
例として……
- 平松伸二の「昆虫学者ファーブル」「ドーベルマン刑事で送る警察の失態」「土俵のゴミをひろって負けた力士の話」など…
- ちびまる子ちゃんアニメでおくる『TARAKOがたらこオニギリを食べたトラブル』、ナレーターはもちろんキートン山田…
- 桃太郎、原文であるお伽草紙から明かされる桃太郎出生の真実…
- 恐怖!!童謡・「ももたろう」、桃太郎の鬼ヶ島での容赦のない所業に「怖い絵」を使用…
- 浦島太郎、完結篇の語り部に「銀河鉄道999」の星野鉄郎、メーテルを起用…
- ファミコンと某世紀末漫画を合体させたような漫画のアフレコに本家のケンシロウ役やラオウ役、ナレーション役を起用…
- 理不尽な判定が原因でオウンゴールでわざと負けたマダガスカルのサッカーの試合のVTRにキャプテン翼を起用。
- 古代オリンピックを再現するために実際に全員全裸で競技を実践…
- ガーナサッカー協会会長の名は「ニャホニャホタマクロー」のVTRではやなせたかし、原ゆたか、さくらももこ先生が描いたイメージキャラクターが登場するテーマ曲が流れた。
金の種、検証VTR
- 「警護官・内田晋三」…「踊る大捜査線」に出たモブでどこまでスピンオフ作品ができるか?
- 実験「サザエさん」OP…ノラ猫はどの大きさの魚まで咥えられるのか?
- 実録!!斬鉄剣…日本刀はどこまで銃撃に耐えられるのか?機関銃との対決まで行われた。
- 忠犬物語…雑種の飼い犬は崖から落ちそうな主人を助けられるか?雑種の飼い犬は悪漢に囚われた主人を助けられるのか?などいくつかのシリーズにわかれる。
- 超巨大ゴム鉄砲…直径10メートルの輪ゴムはどこまで飛ぶのか?
- 対決!!防弾ガラスVSバズーカ…究極の「矛盾」を制するのはどちらか?
- 対決!!カタツムリVSナメクジ…OPがフジのF1中継のパロディ。BGMももちろんT-SQUAREの「TRUTH」。また、応援席やピットクルーの映像も本家からの流用。
- 世界で一番強いカブトムシ決定戦…OPからまさかの「PRIDE」パロディ。しかも、ナレーションとリングアナウンスも本家同様という気合いぶり。そのせいで前後編に渡っての放送に…………。
- 道路工事中の「ご迷惑おかけしております」の看板に合うナレーションは誰かということを、プロ声優参加で本物さながらのオーディションが行われた。本編で選ばれたのは堀内賢雄であったが、草尾毅(桜木花道)や緒方賢一(獅子丸)などはなりきりで、アドリブを決めていた。またダイジェストシーンにも檜山修之などの大御所が出演している。
- 電話の保留音で一番よく使われている音楽を1000件の在京企業に電話して検証した。ネタとしてはまだ普通だが、ランキング紹介の番組進行は当時の人気番組、TBS系カウントダウンTVのパロディそのものだった(しかも、彼らの声やキャラクターまで同じ)。よく、許可が下りたものだ。
- 駅から徒歩5分の物件を、競歩の選手が実際に歩いたら何分に縮まるかということを検証するために、本物の金メダリストを招いて実施した。その結果、1分50秒というとんでもない記録となった。
- プロ野球選手がスーパーボールをバットで打ったら何m飛ぶかということを検証。キャンプ中の中村紀洋が実践し、飛距離170mを記録した(しかし、過去にラルフ・ブライアントが推定飛距離170mのホームランを試合中に打っている)。
ちなみに
レギュラー放送末期から単発特番初期の頃には有名アニメのキャラクターが副音声として登場し、ナレーターとともにトリビアを読み上げる企画もあった(他局の人気アニメの場合、シルエットがかかる)。当時のプライムタイムでこんなにオタク狙い商法をやったのは珍しく、何気にこの番組が先駆者だったりする。
トリビアの泉は 伝説になっていた
しかし、放送が続くにつれ流石にネタ切れ感が否めなくなり、次第に空目や空耳、犬猫ネタへの依存、トリビアの種のメイン化、かつて自局の番組でも蘊蓄として取り上げた事のあるネタ(「ラブマの法則」など)の掘り下げ、テロップ過多などに走るようになり、番組の質の低下が目立つようになっていった。ただ、最後までワイプ画面を出さなかったのはこの番組の良心であった。
ゴールデン時代の時点でまだ知られていなかったトリビアもいっぱいあったし、後年の雑学番組で新たに取り上げられたトリビアも複数ある。
それでもレギュラー放送最終年となる2006年度は平均14.0%とまずまずの視聴率をキープしていたが、前述の「ネタ切れ状態」が週1回の放送に耐えられない状態となってしまった、とのスタッフ判断により、同年9月にレギュラー番組としての放送を終了することが決定。その後は単発特番として放送されるようになった。
単発特番としては、不運にも裏番組に「家政婦のミタ」の最終回が放送された回こそ8.0%と事故ったが、正月特番として放送された回を除き毎回15%以上の高視聴率を取りつづけており、その人気の高さは衰えていなかったことが窺える。
単発としては2012年の10周年スペシャルが最後となっており、現在もかつての視聴者からの根強い人気からまた放送してほしいという声も多いが、テレビ離れの時代ゆえか、或いは無駄な知識に対する感受性の変化ゆえかそれから10年以上音沙汰がない。
動画サイトでは過去に放送されていたトリビアが大量にアップロードされているが、もちろん番組自体のアップロードは違法なので注意してほしい。
補足トリビア
番組が与えた影響
- 2003年12月10日の放送で、「比内鶏を食べると逮捕される」という「トリビア」が紹介されて以降、それまでメディアで「比内鶏」としていたもの(食用鶏)は全て「比内地鶏」と掲載されるようになった。
- かつて『ひらけ!ポンキッキ』で放送されていた『たべちゃうぞ』という楽曲は、かなりの短期間で放送中止になったこともあり、そのまま超マイナーな楽曲になると思われていたが、当番組で「ガチャピンが子供を食べようとする歌がある」として紹介された(2003年9月10日放送分)ことで一気に脚光を浴びることになり、アルバムに収録されたりカラオケ配信されるようになるなど、現在ではポンキッキを代表する楽曲になっている。
- トリビアの種のコーナーで日本人が昔話金太郎を話せる人は何%のネタで、銀魂の坂田銀時の元ネタが金太郎の成人名「坂田金時」であることを知った人がけっこう多かったとか。
君の心には“へぇ~”はあるか
最終回のトリビアの泉SP「君の心には“へぇ~”はあるか」にて特別に作成された冒頭アニメーションがあった。
近未来、都市を前に立つレギュラー達、会話がメタ発言。
そんなところなぜか背を向けると砂漠で一人泣きじゃくる少女。
彼女を慰めるために教えたトリビア、『小便少女もいる』(トリビアNo.1)
その少女の姿はどう見てもじゃりン子チエ……しかもきれいな姿。
さらに流れてゆくBGMは『風の谷のナウシカ』……
司会
ネットでトリビアの司会が決定する経緯として「当初の司会は高橋克典を起用する予定だったのがプロデューサーの勘違いで高橋克実を呼んでしまったせいで八嶋智人・高橋克実になった」というネタが吹聴されてるが、これはガセである。
そもそも両者とも同じ事務所所属であり、共演舞台『おかしな二人』をたまたま見ていたフジテレビのプロデューサーが二人のやり取りを気に入ったことで同時に抜擢されたため、初めから八嶋智人・高橋克実コンビで話が進んでいた。
動画の視聴者投稿だが、No.262「ベルリンの壁は一人の男の勘違いで崩壊した」にて高橋克実が、「ちなみにですね、私達がここにいるのはプロデューサーの大きな勘違いです」と〆ていたが、もちろんジョークである。
ただ、この番組の影響もあって本業は役者である八嶋・高橋コンビの二人が視聴者からお笑いコンビか何かだと勘違いされることも多かった。
八嶋氏に至ってはその後の水10内の「ココリコミラクルタイプ」でもコントのレギュラーとして出演していたため無理もない話ではあるが…
2018年と19年の格付けチェックでも八嶋・高橋コンビが共演した際は他局にもかかわらず「チーム・トリビアの泉」と名付けられたことからもこの番組の影響力の強さが窺える。
版権ネタ
放送されたトリビアは、版権ネタに関してはかなり偏りがち。
特撮においてはウルトラマン、仮面ライダー、戦隊シリーズ全てが紹介されているが、その中でもウルトラマンのトリビアは特に抜きん出ている。
またスポンサーに任天堂がついていたものの、マリオシリーズやポケモンといった代表作のトリビアはまったく紹介されなかった。
サンライズ作品に関しても版権が厳しかったのか、ガンダムシリーズのトリビアが取り上げられることも皆無だった。ただしNo.333「ミツバチは巣にスズメバチが侵入すると蒸し殺す」で翔べ!ガンダムがBGMに使われたことはある。
パロディ
社会現象を起こした人気番組だったこともあり、「トリビアの泉」を様々な放送番組がパロディにしたことがあった。
フジテレビ繋がりの番組でも、「とんねるずのみなさんのおかげでした」(「ノリビアの泉」)としてパロディしているし、何故か他の放送局でも、TBSの「リンカーン」(「どんだけぇ~の泉」)などでパロディにしたことがある。
何故かアニメ作品でも本番組をパロディした事例が存在する。代表的な例として、2021年に配信された「ガルパ☆ピコ ふぃーばー!」(第4話の「エモイナの泉」)があり、こちらではAfterglow(美竹蘭、青葉モカなど)が登場していた。ちなみに、なんと金の脳のパロディまで存在する。
- なお、本番組をパロディにしている時は、何故か「へぇボタン」に該当するボタンを押した際の音声が、「まじぃ」(「ノリビアの泉」)、「どんだけ~」(「どんだけぇ~の泉」)、「エモい」(「エモイナの泉」)などのように、全く別の音声に変更されていることが多い。
私もね、関連タグは女性くらい気になっています。
「チコちゃんに叱られる!」(NHK)…「トリビアの泉」を手がけた小松純也氏がプロデューサーを務めている。局は違うがある意味、正当な後継番組といえる。
「まんが水戸黄門」:同アニメのOPが一時期この番組のEDに使われる。番組内でも紹介された。