概要
1981年より『週刊少年ジャンプ』で連載が始まった高橋陽一によるサッカー漫画。
ジャンプ黄金期を代表する作品の一つであり、1983年放送開始のTVアニメとの相乗効果から、世界的な大ヒット作となった。
Jリーグすら存在していなかった1980年代の日本は、まだ野球全盛であり、サッカーはマイナー競技の一つでしかなかった。というか作者自身も野球の方が好きだったのだとか。
しかし本作の爆発的なヒットにより、空前のサッカーブームが巻き起こった結果、競技を取り巻く状況も年々変化。1993年にはJリーグ発足へと至った。
発足時の宣伝ポスターにはもちろん、高橋陽一のイラストが採用された。
本作の影響でサッカーを始めたというプロ選手も大変多く、このような経緯から、日本もサッカー人口と人気を飛躍的に向上させた「最大の功労者」と位置づけられるタイトルである。
アニメ版が海外でも放送され世界的ヒット作になったことから、海外選手の中でも「リオネル・メッシ」や「クリスティアーノ・ロナウド」といった歴代のレジェンド級選手がファンと公言するなど非常に多い。
続編で翼のバルセロナ入団が発表された時には現実世界でも入団式が行われ、レアル・マドリードの幹部が「何でウチじゃないんだ」と愚痴ったほど。
「キャプテン翼」が世界で愛されすぎ! メッシのバルサ入団にも一役? | Asahi.dot.
イタリアやスペイン、南米、中華圏、タイなどで特に人気が高い。
「スペインで一番有名な日本人は大空翼」という調査結果が出たこともある。
ちなみにヨーロッパでは、
『Holly e Benji(オーリー&ベンジー)』
『Oliver y Benji(オリベル&ベンジー)』
などのタイトルでTVアニメ放送されている。
(オリバー(もしくはオリベル、オーリー)=大空翼、ベンジー(もしくはベンジャミン、トーマス)=若林源三、のことである。)
香港の俳優周星馳(チャウ・シンチー)が映画『少林サッカー』を製作するきっかけになった作品に挙げるなど、他の分野においても影響を与えている。
現在、埼玉県浦和美園駅には、本作品のステンドグラスが設置されている。
浦和美園駅「キャプテン翼」ステンドグラス ついに公開!! - @URAWA-MISONO.net
シリーズ
「小学生編:キャプテン翼小学生編」、「中学生編:キャプテン翼中学生編」、「ジュニアユース編:キャプテン翼Jr.ユース編」からなる連載(通称「無印」)は1988年に完結。
1993年よりその続編となる『キャプテン翼ワールドユース編』が連載され、
その後「ヤングジャンプ」にて『ROAD TO 2002:キャプテン翼ROAD_TO_2002』、『GOLDEN-23』、『日いづる国のジョカトーレ』、『EN LA LIGA』の連載へと続き、
2018年から最新作『キャプテン翼ライジングサン』が「グランドジャンプ」(2019年まで)を経て『キャプテン翼マガジン』(2020年から)を増刊して連載していたが、2024年1月に同年4月発売の『キャプテン翼マガジンvol.20』で体力の衰えと執筆環境の変化を理由に最終回にする事を発表、1981年から始めてから43年目で幕を下ろすことになり撤回されることなく終了の流れとなったが、同年の夏からWEBサイト『キャプテン翼WORLD』に掲載の場を移し、最終回までの構想を残す為に鉛筆描きの「ネーム形式」で週刊連載してストーリーは継続していくと4月に連載終了を取り上げたニュースサイト向けにアナウンスされ、同年7月より『キャプテン翼WORLD』上で掲載している。
またリメイク作品の『キャプテン翼 KIDS DREAM』が戸田邦和・作画で「最強ジャンプ」2021年5月号まで連載、続編はキャプテン翼マガジンVol.11(2022年5月4日号)から最終刊となるVol.20まで連載された『キャプテン翼 BOYS DREAM』。
連載開始当初は小学生だった大空翼たちも続編では成人し、現在はプロ選手として活躍中である。
新規キャラ登場や降りかかる数々の苦難など、その内容を純粋に楽しむファンもいる一方、
翼が突出して強くなりすぎた事や、旧作キャラの空気化やかませ犬化が深刻になった、といった状況を嘆くファンもいる。
他にも無印連載時からゲーム化されたり、パチンコになったり、舞台も上演されている他、作者がオーナーとなって東京都葛飾区に本拠地とし『南葛SC』を創設するなどサッカークラブ化もされていたりする。
物語と特徴
サッカーが大好きで「ボールは友達」が信条の主人公・大空翼の活躍を描く成長物語。
そして、大空翼に出会うキャラクターたちが彼と対峙し、時には共闘し、そして「翼の夢:日本のサッカーワールドカップ優勝」に向かって追いかけていく物語である。
翼の父親は外航船の船長であり、元ブラジル代表の日系人「ロベルト本郷」が翼の師匠となることから物語が始まる。(小学生編)
「中学生編」に入ると、ブラジル行きを夢見る翼が家庭教師にポルトガル語を学んでいる姿が描かれ、翼の生涯の盟友となる若林源三がドイツに、岬太郎がフランスにそれぞれ留学するなど、ワールドワイドな世界観が描かれ始めていく。
また岬の父親は世界中を渡り歩く画家であり、各国の町並みやその国・地域の言語などの描写も多い。
必殺技
翼の「オーバーヘッドキック」、「ドライブシュート」、日向小次郎の「タイガーショット」など多数の必殺シュートが生み出され話題となったが、
特にトリッキーな空中技を得意とする立花兄弟の「スカイラブハリケーン」は絶大な視覚的インパクトからマネをする少年たちが続出し、とても危険であったため禁止令が出た学校もあった。
絵柄
ネットではしばしばキャラクターの「ありえない頭身」がネタにされるが、実際ありえない頭身をしている。
しかし連載初期(無印)はごく普通の頭身で描かれているし、コマ割りのセンスや躍動感の高さを評価している読者も多い。
その後の高橋陽一がなぜ今のようなありえない頭身にこだわり続けるようになったのかを謎とする声も多い。
サッカー漫画だけに登場キャラクターは非常に多いが、キャラの描き分けが甘いため、ファン以外が一見するとキャラの区別がつかないとよく言われている。
特に岬太郎と三杉淳と松山光(通称「3M」)の区別が瞬時につかないとよく話題にされ、今となっては古すぎて真偽不明だが2001年版アニメの放送当時の公式ホームページでも間違われていたとの噂もある。
TVアニメ
これまでに原作のテレビアニメ化は4回行われており、2023年10月から4回目の続編が放送中である。
タイトル | 通称 | 放送期間 | 話数 |
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キャプテン翼 | 「昭和版」「初代」 | 1983年10月~1986年3月 | 全128話 |
キャプテン翼J | 1994年10月~1995年12月 | 全47話 | |
キャプテン翼 | 「平成版」「2001/2002年版」 | 2001年10月~2002年10月 | 全52話 |
キャプテン翼 | 「キャプテン翼2018」「2018年版」 | 2018年4月~2019年4月 | 全52話 |
キャプテン翼シーズン2 ジュニアユース編 | 2023年10月~ |
※オリジナルアニメ:2019年にフジの27時間テレビにて長友佑都とのコラボを原作者監修で放送されたが、製作会社・声優は2018年版を継続している。
ゲーム
FCで出ていたテクモのゲーム版:テクモ版キャプテン翼は、キャラクターものとしては非常に出来がよく、特にガッツ(必殺技を出す際のパワー)が足りない時の「く! ガッツがたりない!」は今なおネタとして使われる事があるほど、当時のゲーム少年たちの心に刻み付けられている。
余談ながら、このゲーム版では選手がバンバン必殺シュートに吹き飛ばされ、必殺シュートでゴールしたボールはしばしばネットを突き破ったりと豪快な演出のバーゲンセール状態であった。
(両者とも原作では数えるほどしかやってない演出である)
なお、ファンによってはその派手なゲーム性から「テクモ版が正史」と断言する人も多い。
他にアプリゲーム『たたかえドリームチーム』、PS4などの据え置きゲーム『RISE OF NEW CHAMPIONS』などがある。
舞台版
二次創作
日本における同人誌の歴史を語るうえでも外すことができないタイトルの一つである。
この作品から発生した同人活動、いわゆる二次創作のムーブメントにより、1980年代においてコミケを席巻し、週刊少年ジャンプ連載時には当時の担当編集者による編集後記で一部の読者に対して「これ以上キャラを傷つけないで下さい」と苦言を残す程、影響を巻き起こした。
そして、「やおい」の道に堕ちていった腐女子の数は計り知れない。
なお現在pixivでは略称である「C翼」をタグとして用いて二次創作作品が投稿されている。
登場キャラクター
関連イラスト
南葛SC
東邦学園
中学生編
世界のライバルたち
世界へ
外部リンク
:漫画の中で翼や若林などが愛用しているブランド「adidas」が、現実の世界でもコラボレーションキャンペーンを行っている。全国のスーパースポーツゼビオの店頭を中心に展開。
関連タグ
原作作品タグ
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(以上「無印」)
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キャプテン翼GOLDEN-23
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キャプテン翼日いづる国のジョカトーレ
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キャプテン翼 EN LA LIGA
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アニメ版作品タグ
キャプテン翼100users入り:評価タグ
C翼:かつて同人活動に用いられた隠語であり、現在はpixivでの二次創作作品投稿に利用されているタグである。
頭身がすごいシリーズ:ネタ絵タグ