概要
主催は公益社団法人日本プロサッカーリーグ(以下:Jリーグまたは公益社団法人Jリーグ)、公益財団法人日本サッカー協会(以下:JFA)。
1993年に10クラブで開幕。
その後リーグの拡大路線によるクラブ数の増加に伴い、1999年からディビジョン(部門)制を導入し、J1(Jリーグ ディビジョン1)とJ2(Jリーグ ディビジョン2)の2部制に移行。
2014年より、J2の下位となる「J3リーグ」を創設。J1リーグ(トップ【上位】リーグ:日本の第1種区分全体においてのトップリーグでもある)・J2リーグ(ミディアム【中位】リーグ)・J3リーグ(ロー【下位】リーグ)の3リーグ制となった。
日本サッカーの普及促進のみならず、豊かなスポーツ文化の振興および国民の心身の健全な発達への寄与および国際社会における交流および親善への貢献と、単なるサッカーのみならずスポーツ全般の発展を目的としている。
『チェアマン』と呼ばれるクラブチームおよびリーグを統括する最高責任者を設け組織としての運営に協調性・スピード感を持たせたこと、放映権を一括管理してその収益を全チームに分配すること、チームや指導者に対し一定の条件を設けて厳しく管理するライセンス制度など従来見られなかった新機軸を多数導入したのが大きな特徴。
その後国内で多数誕生したスポーツのプロリーグはJリーグ、あるいはJリーグ出身者をアドバイザーに招いて運営の参考にするなど、Jリーグが日本のプロスポーツのあり方を変えたと言っても過言ではない。もっとも、Jリーグ自体もメジャーリーグに代表される北米プロスポーツリーグを参考にして運営方針を決めた経緯がある。
日本トップリーグ連携機構にもJFLと事実上入れ替わる形で加盟している。これは元々同機構が設立当初はアマチュアリーグに該当するリーグのみを対称にしていた為である。なお、同機構の現会長はJリーグ初代チェアマンである川淵三郎が担当している。
特徴
ホーム&アウェイ方式の2回戦総当たり。チーム数の増減により年ごとの試合数は異なるが、2024年シーズンから全リーグ20チーム・38試合に統一された。
各クラブ間の実力が拮抗している為、優勝・残留・昇格争いのいずれかが最終節まで縺れ込むことが多い。最終節で逆転優勝という「どんでん返しの伝統」のもJリーグでは珍しくない。チャンピオンシップを廃止した2017年では川崎フロンターレが逆転優勝し、伝統も復活した。2020・2021年は、その川崎が両年とも4試合残して優勝。黄金時代を築いている。
前年上位であったクラブが中位や下位に、逆に下位だったチームが上位に躍り出るというケースもしばしば。川崎や鹿島アントラーズのように安定して上位で終えるのは難しく、最終的にどのチームがどのあたりの順位にいるかという予想が非常に困難。これもJリーグの名物だといえる。
特にJ1優勝候補だったクラブがまさかのJ2降格という場面が数多くある。2012年のガンバ大阪や2018年の柏レイソルがその代表的な例。2022年のヴィッセル神戸も降格危機に陥った。
J2リーグやJ3リーグに降格しても、2019年の柏レイソルのように圧倒的な強さを誇ってすぐにJ1やJ2に復帰という事例は少なく、苦戦しがちなチームが大半。一度降格すると上のカテゴリーに復帰するのが難しいことからJ2やJ3を『沼』と称するファン・サポーターも少なくない。実際、ジェフユナイテッド千葉は降格してから一度も復帰経験が無く、松本山雅FCに至っては沼にハマるどころかJ2逆戻りから2年でJ3へ降格してしまい、現在もJ3の沼にハマっている。
2部制導入以降、複数優勝を経験しているチームに上記の川崎のほか、横浜F・マリノス、サンフレッチェ広島があるが、共通点として「独創性のある指導者が勝てない時期があっても一貫して長い時間をかけて土台を構成し、後任者が基本的な路線を継続しながらも悪かった部分を修正して現実的なチームとし優勝をつかむ」というパターンが構築されており、優勝を目指すなら「勝てない時期があったとしても一度これだと決めたらその土台が構成されるまでその路線を続ける」我慢強さも求められる。(カップ戦だと2018年の1回のみだが湘南ベルマーレも該当しており、こちらは後任ではなく土台を構成した本人が達成している)。
2024シーズンの入れ替え制度
J1 | 18位~20位がJ2へ自動降格。 |
---|---|
J2 | 1位・2位がJ1へ自動昇格。3位~6位でJ1昇格プレーオフを行い、勝者がJ1に昇格する。18位~20位がJ3へ自動降格。 |
J3 | 1位・2位がJ2へ自動昇格。3位~6位でJ2昇格プレーオフを行い、勝者がJ2に昇格する。19位・20位はJFL上位チームと自動入れ替え、あるいは入れ替え戦に参加する。 |
いずれの場合も、上位リーグに参加するためのクラブライセンスを持たないクラブが自動昇格順位に入った場合は下位クラブの繰り上がりはなく、下位リーグへの降格対象クラブも減る。また、昇格プレーオフについては参加資格が与えられない。実際に、2017年のJ3で優勝したブラウブリッツ秋田がJ2ライセンスを持たなかったために昇格を見送られ、同年のJ2で21位に終わったロアッソ熊本が降格を免れてJ2に残留している。
2020シーズン、通常通り2月に開幕したもののCOVID-19の影響を受け3月に中断、再開も5月以降にずれ込むことに。また3月24日には理事会で『全カテゴリーに於いて降格無し』の特例ルールの適用を決定した。2021年シーズンのみJ1が20クラブになり、降格については11月17日、J1・J2共に4チーム降格(※変動あり)とすることにした。(⇒文献)
2026年からのJリーグ
現在は初春頃に開幕し秋の終わりに閉幕するJリーグだが、2008年より秋から春に亘って行っているヨーロッパなどの強豪国など多くの国の正規リーグのカレンダーに合わせて移籍市場を意識した目的で語られていたが、近年の異常気象による夏の酷暑対策やAFCチャンピオンズリーグが2023年より秋春制に移行した事で議論が加速。
積雪対策を理由にクラブ運営が担保出来ないとして一部クラブが固辞し続けていたが、長い協議を重ねた末、2023年12月に正式に秋春制への移行が発表された。
これまでの春秋制は2025年をもって終わりとし、移行期にあたる2026年上半期は各ディビジョンを東西に分けて降昇格のない大会を行い、2026-27シーズンより予定している。
クラブ(チーム)名称の方針
Jリーグのクラブ(チーム)名称は「地域名と愛称の組み合わせ」とするよう原則的な方針が定められており、企業名を入れてはならないとしている(企業がチームの宣伝を行うことはこの限りではない)。これは企業活動ではなく地域活動の一環としてのサッカークラブ(チーム)という考え方に基づいており、企業の名前を売り込む目的でチームを買収するケースもあったプロ野球とは対照的である。また、FC東京を筆頭に愛称無しで地域名のみの名称とするクラブ(チーム)もある。
なお、発足当初読売グループは企業名を入れてはならないことに反対しており、新聞紙上でも独断で読売の名前を使用していたが、最終的に従った。ヴェルディに限ってこのことは、2部制時代の途中まで正式名称と呼称が全く異なるままだったことにも影響する。
一方、地域名は地方自治体名のみ認められるが、市町村合併前に結成されたクラブ(チーム)が合併後に名称、表記を変更するかどうかは任意となっている。鹿島アントラーズ、浦和レッズ、大宮アルディージャ、清水エスパルスが該当する。また、カマタマーレ讃岐やFC琉球のようにホームタウン地域の旧国名を名乗るクラブも存在する。
例外として、『企業名や特定企業に所縁のあるものを由来とする愛称を名称に組み込む』というのは認められており、代表例が浦和レッズとジェフユナイテッド千葉である。前者の愛称は三菱グループの赤いスリーダイヤが由来であり、後者の愛称はJR東日本と古河電工の連合(※JR EAST FURUKAWA=JEF)であることが由来である。
2024年シーズンの加盟クラブ(チーム)
カテゴリ | クラブ(チーム)名 | 略称 | ホームスタジアム | 加盟年 |
---|---|---|---|---|
J1 | 北海道コンサドーレ札幌 | 札幌 | 札幌ドーム | 1998 |
J3 | ヴァンラーレ八戸 | 八戸 | プライフーズスタジアム | 2019 |
J3 | いわてグルージャ盛岡 | 岩手 | いわぎんスタジアム | 2014 |
J2 | ベガルタ仙台 | 仙台 | ユアテックスタジアム仙台 | 1999 |
J2 | ブラウブリッツ秋田 | 秋田 | ソユースタジアム | 2014 |
J2 | モンテディオ山形 | 山形 | NDソフトスタジアム山形 | 1999 |
J3 | 福島ユナイテッドFC | 福島 | とうほう・みんなのスタジアム | 2014 |
J2 | いわきFC | いわき | いわきグリーンフィールド | 2022 |
J1 | 鹿島アントラーズ | 鹿島 | 茨城県立カシマサッカースタジアム | 1993 |
J2 | 水戸ホーリーホック | 水戸 | ケーズデンキスタジアム水戸 | 2000 |
J2 | 栃木SC | 栃木 | カンセキスタジアムとちぎ | 2009 |
J2 | ザスパクサツ群馬 | 群馬 | 正田醤油スタジアム群馬 | 2005 |
J1 | 浦和レッズ | 浦和 | 埼玉スタジアム2002 | 1993 |
J3 | 大宮アルディージャ | 大宮 | NACK5スタジアム大宮 | 1999 |
J2 | ジェフユナイテッド千葉 | 千葉 | フクダ電子アリーナ | 1993 |
J1 | 柏レイソル | 柏 | 三協フロンテア柏スタジアム | 1995 |
J1 | FC東京 | F東京 | 味の素スタジアム | 1999 |
J1 | 東京ヴェルディ | 東京V | 味の素スタジアム | 1993 |
J1 | FC町田ゼルビア | 町田 | 町田GIONスタジアム | 2012,2014 |
J1 | 川崎フロンターレ | 川崎F | 等々力陸上競技場 | 1999 |
J1 | 横浜F・マリノス | 横浜FM | 日産スタジアム | 1993 |
J2 | 横浜FC | 横浜FC | ニッパツ三ツ沢球技場 | 2001 |
J3 | Y.S.C.C.横浜 | YS横浜 | ニッパツ三ツ沢球技場 | 2014 |
J1 | 湘南ベルマーレ | 湘南 | レモンガススタジアム平塚 | 1994 |
J3 | SC相模原 | 相模原 | 相模原ギオンスタジアム | 2014 |
J2 | ヴァンフォーレ甲府 | 甲府 | JIT リサイクルインク スタジアム | 1999 |
J3 | 松本山雅FC | 松本 | サンプロ アルウィン | 2012 |
J3 | AC長野パルセイロ | 長野 | 長野Uスタジアム | 2014 |
J1 | アルビレックス新潟 | 新潟 | デンカビッグスワンスタジアム | 1999 |
J3 | カターレ富山 | 富山 | 富山県総合運動公園陸上競技場 | 2009 |
J3 | ツエーゲン金沢 | 金沢 | 金沢ゴーゴーカレースタジアム | 2014 |
J2 | 清水エスパルス | 清水 | IAIスタジアム日本平 | 1993 |
J1 | ジュビロ磐田 | 磐田 | ヤマハスタジアム | 1994 |
J2 | 藤枝MYFC | 藤枝 | 藤枝総合運動公園サッカー場 | 2014 |
J3 | アスルクラロ沼津 | 沼津 | 愛鷹広域公園多目的競技場 | 2017 |
J1 | 名古屋グランパス | 名古屋 | 豊田スタジアム | 1993 |
J3 | FC岐阜 | 岐阜 | 岐阜メモリアルセンター長良川競技場 | 2008 |
J1 | 京都サンガF.C. | 京都 | サンガスタジアム by KYOCERA | 1996 |
J1 | ガンバ大阪 | G大阪 | パナソニックスタジアム吹田 | 1993 |
J1 | セレッソ大阪 | C大阪 | ヨドコウ桜スタジアム | 1995 |
J3 | FC大阪 | FC大阪 | 東大阪市花園ラグビー場 | 2023 |
J1 | ヴィッセル神戸 | 神戸 | ノエビアスタジアム神戸 | 1997 |
J3 | 奈良クラブ | 奈良 | ならでんフィールド | 2023 |
J3 | ガイナーレ鳥取 | 鳥取 | Axisバードスタジアム | 2011 |
J2 | ファジアーノ岡山 | 岡山 | シティライトスタジアム | 2009 |
J1 | サンフレッチェ広島 | 広島 | エディオンピースウイング広島 | 1993 |
J2 | レノファ山口 | 山口 | 維新みらいふスタジアム | 2015 |
J3 | カマタマーレ讃岐 | 讃岐 | Pikaraスタジアム | 2014 |
J2 | 徳島ヴォルティス | 徳島 | 鳴門・大塚SPポカリスエットスタジアム | 2005 |
J2 | 愛媛FC | 愛媛 | ニンジニアスタジアム | 2006 |
J3 | FC今治 | 今治 | 里山スタジアム | 2016 |
J1 | アビスパ福岡 | 福岡 | ベスト電器スタジアム | 1996 |
J3 | ギラヴァンツ北九州 | 北九州 | ミクニワールドスタジアム北九州 | 2010 |
J1 | サガン鳥栖 | 鳥栖 | 駅前不動産スタジアム | 1999 |
J2 | V・ファーレン長崎 | 長崎 | トランスコスモススタジアム長崎 | 2013 |
J2 | ロアッソ熊本 | 熊本 | えがお健康スタジアム | 2008 |
J2 | 大分トリニータ | 大分 | レゾナックドーム大分 | 1999 |
J3 | テゲバジャーロ宮崎 | 宮崎 | いちご宮崎新富サッカー場 | 2021 |
J2 | 鹿児島ユナイテッドFC | 鹿児島 | 白波スタジアム | 2016 |
J3 | FC琉球 | 琉球 | タピック県総ひやごんスタジアム | 2014 |
このうち、鹿島アントラーズ、浦和レッズ、ジェフユナイテッド千葉、東京ヴェルディ(01年まではヴェルディ川崎)、横浜F・マリノス(99年に当時の横浜マリノスと横浜フリューゲルスが合併)、清水エスパルス、名古屋グランパス、ガンバ大阪、サンフレッチェ広島と、99年に当時の横浜マリノスに吸収合併されて消滅した横浜フリューゲルスはJリーグ発足時からのクラブであり、オリジナル10と呼ばれる。リーグ発足前には清水エスパルス以外はすべて実業団であった。
近年はこれらのクラブのJ2降格も相次ぎ、2023年現在、Jリーグ開始以降において下位カテゴリ在籍経験が一度もないのは、鹿島アントラーズと横浜F・マリノスの2クラブのみとなった。J2降格未経験だけに絞って言及するなら、前述した2クラブに加え2012年からJ1に参入したサガン鳥栖を含めた3クラブだけである。
因みにJクラブがない県は、福井県、三重県、滋賀県、和歌山県、島根県、高知県の7県。
過去の加盟クラブ(チーム)
クラブ(チーム)名 | 略称 | ホームスタジアム | 加盟年 | 退会年 | 退会理由 |
---|---|---|---|---|---|
横浜フリューゲルス | 横浜F | 横浜市三ツ沢公園球技場(当時) | 1993 | 1998 | 横浜マリノス(当時)への吸収合併による解散。 |
Jリーグ・U-22選抜 | J-22 | なし(※全試合アウェイで開催) | 2014 | 2015 | 若手育成に関する方針変更による為の解散。 |
FC東京U-23 | F東23 | 未定※ | 2016 | 2019 | Jリーグが規定変更によるU-23チームの試合参加を終了させることによる解散。ただし、FC東京U-23の場合は新型コロナウイルス流行の影響が大きいこともあり、下記2チームとは異なり1年早く終了させることとなった。 |
ガンバ大阪U-23 | G大23 | パナソニックスタジアム吹田※ | 2016 | 2020 | 退会理由はFC東京U-23と同じだが、FC東京U-23とは異なり活動終了年は予定通りに2020年となった。 |
セレッソ大阪U-23 | C大23 | ヤンマースタジアム長居※ | 2016 | 2020 | 同上。 |
※ホームスタジアム表記はJリーグ公式によるが、クラブ本拠地・隣接球技場・都府内の中規模競技場などでホーム戦を行う。
関連項目
明治安田生命 - 現在のリーグ冠スポンサー
DAZN - 現在のリーグ戦放映権保有メディア
スカパー! - 過去のリーグ戦放映権保有メディア。現在はJリーグカップと天皇杯の中継を担う。
バーコードバトラー - Jリーグ公認の関連商品が発売された。
J1リーグ/J2リーグ/J3リーグ - 公益社団法人Jリーグを直轄組織とするカテゴリ。
Jリーグカップ - リーグカップ戦。Jリーグ全クラブが参加する。
JFL/地域リーグ/都道府県リーグ - J3リーグより下位のカテゴリ。各々直轄組織が違う。
Jリーグクラブライセンス制度 - Jリーグ在籍クラブ及びJFL在籍の百年構想クラブに課す制度。
Jリーグ百年構想クラブ規程 - Jリーグ加盟を目指すJFL以下の在籍クラブに課していた制度。
ダービーマッチ - 各種ダービーマッチを参照のこと。
天皇杯 - J1とJ2の各在籍チームには本選シードが付与される。
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