解説
創設年 | 2005年 |
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加盟年 | 2008年 |
ホームスタジアム | 熊本県民総合運動公園陸上競技場 |
クラブカラー | 赤 |
マスコット | ロアッソくん |
日本電信電話公社熊本サッカー部を母体として、2005年に「ロッソ熊本」として設立。
その後、商標権の問題から、現在の名称に改称された。
ここに至るまでの経緯のややこしさは説明しにくいので、Wikipedia辺りを参考にすることをお勧めする。
2005年、JFL昇格。
2007年、リーグ戦は2位の成績でJ2に昇格。
2018年、二年連続21位でJ3降格。
2021年、J3優勝に伴いJ2に再昇格。
マスコット
ロアッソくん。
馬がモチーフのキャラクター。出身はヒノクニで、年齢は小学校高学年くらい。
一輪車やローラースケートを扱いこなす等、非常にアクティブ。
ただし、技の中には、倒立のようなマスコット的な意味で危ないものも・・・。
馬だけに足の速さは九州サッカーマスコット最速を誇る。
動きやすさも有るだろうが、他のマスコットと競争をする際はハンデを付けないと勝負にならない。
最近ではホームゲームにくまモンも駆けつけるようになり、2体で戯れている姿が目撃されている。
そういえば、最近ロアッソくんに何処となく似たキャラクターを見たような・・・
スタジアム
えがお健康スタジアム 。熊本市の中心からは10kmほど東にある。
このスタジアムは、コンコースからスタンドへの出入り口が52あり、同じく52あるトランプの数字がゲート番号となっている。
車で行くのなら広い公園内の駐車場利用で問題なさそう。
電車では光の森駅などからシャトルバスで向かう。
その他
池谷即電
「熊本の池谷社長は早速オファーの電話を入れた」の略。他のチームで戦力外になった選手に節操無くオファーの電話を入れ続けたことから、移籍シーズンになるとヴィッセル神戸の「尚既神断」と並んでネタにされる。
一番有名な話は、元柏レイソルのGK南雄太の「戦力外通知を受けた10分後にオファーが来た」。
巻オファー
移籍シーズンにおけるもうひとつの熊本名物。
元サッカー日本代表の巻誠一郎(熊本県出身)がフリーになるたびにオファーを出しては断られ、「また熊本か」と呆れられるまでが一連の流れになっている。
弟の巻佑樹(元名古屋グランパス、現在名古屋のスカウト)なら獲得できそうな気もするが、大事なのは「元日本代表」の肩書きらしい。
なお、流石に池谷社長は獲得を諦めた模様。
・・・だが、2014年新体制発表会見の席で巻の入団がサプライズとして発表。ついにロアッソの悲願が達成された。
たまにやってくるビッグネーム
「池谷即電」の効果なのか、熊本にはたまにとんでもないビッグネームのベテラン選手が移籍してくる。
- 藤田俊哉:ジュビロ磐田黄金期を築いたMF。日本人MFでは唯一の通算100得点を記録している。ちなみに熊本在籍時代、チームメイトだったカレン・ロバートに自分の代理人を紹介しており、これがカレンのVVVフェンロ移籍のきっかけとなっている。
- 北嶋秀朗:柏レイソルのレジェンド。本人がブログ上で柏残留を表明し移籍話は消滅したはずだった・・・が、5月末にまさかのレンタル移籍が決定。両チームのサポーターを驚愕させた。のちロアッソに完全移籍し、そのまま引退。2014年シーズンよりコーチに就任。
柏レイソル熊本支部
上記の北嶋といい南といい、スタッフ選手に柏レイソル関係者が妙に多い。
池谷社長自身も柏の元監督なので仕方ないといえば仕方ない。
2022年、天国と地獄
2022年にJ2に復帰した熊本ではあったが、J2でも3-3-1-3のシステムで大木監督による独特なサッカーを展開。たまに負けたりはしたが、着実に勝ち点を積んでいき、昇格初年度ながらクラブ史上最高位の4位でシーズンを終える。本年度は2019年以来のJ1参入プレーオフが開催され、熊本はそのプレーオフに参戦することが決定。もしJ1昇格まで辿り着いたらJ2復帰初年度でのJ1昇格という偉業を成し遂げることになる。
まずプレーオフ1回戦。5位の大分トリニータとホームであるえがお健康スタジアムで対戦。開始1分で先制されて点が奪えない時間がかなり長く続くが、終盤に追いつき、ATには逆転に成功。試合終了間際に大分に追いつかれてドローで終わるも、「引き分けの場合はホームチームの勝利」という規定により、大分を下して2回戦進出。
次に2回戦。相手は6位だが3位のファジアーノ岡山をアウェイの地で0-3で下したモンテディオ山形と再びホームのえがお健康スタジアムで対戦。先制するもすぐに追いつかれ、更には前半のうちに逆転されてしまう。しかし、後半開始早々にPKを獲得して同点に追いつき、試合はこのままスコアが動くことはなく、2-2のドローで終了。この試合もホームであったため、岡山を下してJ1の16位との決定戦に進出。
そして運命の決定戦。J1を16位で終えた京都サンガF.C.と今度は京都のホームであるサンガスタジアムで対戦。アウェイでの最終試練である。試合は京都に先制されて前半を終了。だが後半にCKから同点弾を決めて追いつく。その後は攻勢を強めるも、スコアが動かずに1-1のドロー。終盤にはピーター・ウタカの顔面ブロックからの仁王立ちやシュートのポスト直撃などもあり、京都の堅い守備を再び崩すことはできなかった。結果、京都はJ1残留決定、熊本はJ1昇格の夢をあと一歩のところで断たれた。奇しくもプレーオフ1回戦・2回戦で救われてきた「引き分けはホームチームの勝利」という規定に今度は泣かされるハメになった。
番狂わせ甲府の再来??
2023年は河原創(サガン鳥栖へ)、杉山直宏(ガンバ大阪へ)、高橋利樹(浦和レッズへ)をはじめとする2022年度の主力を前年度の鳥栖の如く、大量放出するハメになった。それに伴ってリーグ戦でも苦戦を強いられることになり、プレーオフ争いや昇格争いを演じた前年とは正反対の残留争いに巻き込まれてしまう。
しかし、大学サッカー部、アマチュア、プロ関係無しの天皇杯では前年度優勝して日本サッカー界隈に多大なる衝撃を与えたヴァンフォーレ甲府のようにJ1勢を撃破して勝ち進むジャイアントキリングを複数回起こしている。
本年は2回戦からのスタート。最初の相手はJ3のFC琉球。この試合は2-2に終わり、PK戦まで持ち込まれた。結果的にPK戦は5-4で勝利して、3回戦進出決定。敗れていたら逆にジャイアントキリングを許していた。
3回戦の相手は元熊本戦士の河原がいるサガン鳥栖。この試合は鳥栖のハイプレスに苦戦を強いられ、2点リードされるが、後半2点取り返す。さらに鳥栖に1点取られるが、AT突入直前に追いつく。さらに延長戦で1点追加して逆転に成功。これを守り切り、これまで勝ったことのなかった鳥栖に勝利した。
ラウンド16の相手はFC東京。ディエゴ・オリベイラや小泉慶、長友佑都など主力選手も多く出場していた東京を相手に開始僅か4分で先制。後半も比較的早い時間で追撃弾を決め、0-2で守り抜いて完封勝利を果たした。東京-熊本というスコアの形になっているが、実際は熊本のホームゲームである。
準々決勝の相手は大迫勇也や武藤嘉紀が猛威を奮ってJ1で優勝争い真っ只中のヴィッセル神戸。2人はベンチスタートであったが、守護神の前川黛也や酒井高徳、山口蛍、佐々木大樹らリーグ戦の主力選手の多くがスタメン出場していた。鳥栖が天敵とする神戸相手にも一切怯むことなく果敢に立ち向かっていき、熊本が先制に成功。しかし、終盤に1点返されてしまう。そして延長戦に突入。ここではPK戦狙いだったらしく、神戸の攻撃を懸命に跳ね返し続けて失点を許さず。ついにPK戦に突入した。神戸の2人目のキッカー武藤が外したが、熊本の2人目東山達稀も失敗。神戸はその後、4人目の大崎玲央が枠外に飛ばして失敗したが、熊本は誰も外さず、PK戦を4-3で制して準決勝進出決定。特に熊本3人目のキッカーは守護神の田代琉我であり、これを決めて前川に大プレッシャーを与えていた。
準決勝の相手は柏レイソル。ここでは開始早々に失点を許すと、前半ATにも追撃弾を喰らう。さらに後半開始早々にも失点を許し、後半ATにも失点。熊本の攻撃は柏によって完全に封じられてしまい、何もできないまま0-4で敗れる。熊本の快進撃はここで止まった。大木監督は「弱いチームが準決勝まで来られたというのは、ハッキリ言います、よくあることです。本当に強いチームはここで勝つんです。だから、まだまだだなと。そんな気持ちです。」とのこと。この試合は番狂わせ甲府がどれだけとんでもないことを成し遂げたかという裏付けにもなっただろう。ましてや当時の甲府の準決勝の相手は鹿島アントラーズであり、決勝はサンフレッチェ広島であった。
関連タグ
大宮アルディージャ NTT西日本熊本FC時代とアルエット熊本時代にNTT繋がりで関係が深かった(大宮から選手をレンタルしていた等)。そのあとチームがNTTから完全に切り離されて現在の体制になった後は関係が実質無くなった感じではあるが、大宮の元監督が熊本の監督になったり、熊本ユース出身の選手が大宮に移籍するなどのことが有ったりはしている。