マンドリンとは、リュートから派生した、イタリア発祥の撥弦楽器である。
ボウル・マンドリン
16世紀、リュートを単弦6コースにして棹(ネック)を長くしたような「マンドーラ」が生まれた。撥ではなく指で直接弾き、調律はギターに似ている。
マンドーラはバロック時代に小型化して「マンドリーノ」となり、19世紀には複弦(同じ音の弦が2本ずつ)4コースのナポリ型が主流になった。
ナポリ型マンドリンの調弦はバイオリンと共通で高音域を担当し、指ではなくピックで弾く。複弦のため音量は大きく、独特の篭った音がする。
共鳴胴は、リュートに由来する「しずく型」「ボウル状」などと表現される、丸いバックが特徴。
マンドリン、マンドラ(マンドラ・テノーレ、マンドラ・コントラルト)、マンドロンチェロ、マンドローネをマンドリン属と呼ぶ。
マンドリンオーケストラ
マンドローネを除いたマンドリン属に、クラシックギターとコントラバスを加えた編成が主である。マンドローネやフルートが加わったものもある。
フラット・マンドリン
1894年、アメリカの楽器職人オービル・ヘンリー・ギブソン(1856~1918)は、マンドリンの共鳴胴にバイオリンの構造を取り入れたフラット・マンドリンを発明し、1898年に特許を取得した。
甲高く華やかな音色を特徴とする。
フラット・マンドリンは起業家たちに注目され、1902年にギブソン社が設立された。
カントリー&ウェスタンやブルーグラスでは欠かせない楽器となっている。