「キャプテン翼」関連作品の登場人物。無印1巻から登場する黄金世代最古参の一人。
ポジションはMF。主な背番号は11番。
異名は「フィールドアーティスト」「フィールドの芸術家」。
主人公大空翼の盟友にして相棒であり、シリーズ全編を通して「もう一人の主人公」にあたるキャラクターとなっている。苦労パート担当。
概要
声優山田栄子(初代)、小林優子(J少年期)、結城比呂(J青年期)、雪乃五月(2001年版少年期)、鳥海浩輔(2001年版青年期)、福原綾香(2018年版)
温厚で優しい性格上、サポート役やら引き立て役に徹する事が多いが、作中屈指の実力者である。
まだ赤ん坊の頃に両親が離婚したため父子家庭で育ち、父親が放浪の画家であることから、小学校だけでも50回以上転校するなど全国を転々としており、転校届けも自分で出しに行くというプロの転校生である。
このため所属チームも転々としているが、明和FCでは日向小次郎と、ふらの小サッカー部では松山光と、難波FCでは中西太一とコンビを組むなど、どのようなタイプの選手とでもすぐにコンビプレーができる抜群のセンスとテクニックを持っている。
南葛小に転校後に大空翼と出会い、南葛SCからのちの日本代表に至るまで「黄金コンビ(ゴールデンコンビ)」と呼ばれる名コンビとなる。
作品を代表する必殺シュートのひとつ「ツインシュート」は小学生編で誕生した。
※当時の子供たちにものすごくマネされたが、タイミング合わなくて骨折したのもいるので今の子供たちはマネしてはいけない。
明るく純粋で、誰に対しても裏表のない性格だが、両親が離婚した経緯から、父親の前では母親の話をしないなど、大人びた面も持っている。
その一方で試合の正念場などでは、闘志をむき出しにした激しい気性を見せることもある。
経歴
南葛小サッカー部 - 南葛SC - 西峰小サッカー部 - フランス日本人学校(所属クラブなし)- 南葛中 - 南葛高校 - ジュビロ磐田
※南葛小以前は上記の通り転々としていたため在籍順については不明。ただし明和FCでは沢田タケシとも面識があるため、少なくとも5年生のときに在籍していたことになる。なお2021年のグランドジャンプNo.13に「ボクは岬太郎2」が掲載され、5年生の時、千葉県・九十九里FC在籍時に夏休みを利用して父に帯同して北海道に1か月間行った際にふらの小サッカー部と出会ったことが判明した。
南葛小と修哲小の対抗戦が行われている日に南葛小に転向してくることになり、サッカー部の試合が行われているところに現れ、負傷した石崎に代わって試合に出場することになり、そこで翼とコンビを組むことになる。南葛SCにも選ばれの全国大会優勝に貢献したが、また転向することになり、その後父親が絵の勉強のためフランスへ渡ることになり共に渡仏した。
中学生編ではパリ在住のため出番は殆どなく、翼達の間で連絡がつかない状態となっていたようで、3年生になってから若林の手紙でその所在が明らかになる。
続くジュニアユース編では日本代表入りのオファーを受け、エッフェル塔の下で翼と再会しチームに合流し優勝を果たす。
息子の日本代表入りへの挑戦に触発された父親が富士山を描くことを決めたため、大会後に日本へ帰国し南葛中学に転校。卒業までの短期間ではあるが再び翼達と同級生となり、こうして無印はめでたく完結した。…が「キャプテン翼」の裏主人公、岬太郎の長きにわたる苦難の物語がここからスタートするのである。
無印とワールドユース編の間に発売されたテクモ版のゲームでは、南葛高校のキャプテンとして2年生と3年生で全国制覇を果たし、再びフランスへ渡りシャンゼリゼに加入し、ライバルのエル・シド・ピエールと激闘…という読者の予想通りのサッカー人生を歩む。
連載が再開したワールドユース編では、作者が続編より唐突に岬にスランプ突入という試練を課す。このため原作では、岬率いる南葛高校は日向小次郎に3年間敗れ続けるというルートになっている。
プロ入りも進学も蹴って臨んだ「ワールドユース編」では、交通事故でユース代表から離脱。地獄のリハビリを経て決勝には強行出場し、日本の優勝におおいに貢献したが、事故った脚をまた怪我した結果、スカウトのあったパリSGへの移籍を諦めることになった。
再び長期のリハビリを経て、ようやくフランスリーグに挑戦と思われた「ROAD TO 2002」では、先にJリーグで力を試すとしてジュビロ磐田に入団。
主要キャラが海外組となる中、国内での復帰となった。
「GOLDEN-23」ではトップ下をつとめ日本代表の中心として活躍。
「ライジングサン」では自身の幼い頃からの夢であるオリンピックの金メダル獲得を目指す。
なぜワールドカップではなくオリンピックなのかは、幼い頃にはまだ日本はW杯に出場したことがなかったからである。なお、翼の夢はW杯優勝であり両方を叶えようと翼と約束している。
岬太郎受難物語
交通事故から重ねて負った怪我のせいで「もう一度怪我をしたらもう二度とサッカーはできない」という、旧作における三杉淳のような肉体的ハンデを負ってフィールドに立ち続けねばならなくなってしまった。(三杉の心臓病は完治している)
長期リハビリのため海外組に遅れをとり、翼との差が広がっていくことに悩むなど、旧作の日向小次郎のような苦労パートも、何だか全部この人が背負うことになってしまった。(日向は美人の彼女もできて順調に海外挑戦中)
焦りからか、この人らしくなく迷走するなどの描写も見られたが、短編「GOLDEN DREAM」や作者のコメントを読むと、一直線にスター街道を驀進する翼との対比として「遠回りするサッカー人生を歩みながら成長する」相方キャラ、という位置付けとなっている様子である。
「永遠のアイドル」
境遇やアクシデントの結果として作中では不遇ではあるものの、読者からの好感度は一貫して非常に高い。
公式の人気投票では、出番の無かった中学生編でも1位になっており、25周年記念の日本代表選抜人気投票でも1位になっている。この安定した人気から「25th ANNIVERSARY」では作中でフィールドアーティストに加え「永遠のアイドル」と紹介されることになった。
優しく爽やかで明るい性格から、作中でも誰とでも直ぐに打ち解けている(日向小次郎を登場時から平然と呼び捨てにしているのはこの人くらいのものであった。)
実在のサッカー選手からの人気も高く、内田篤人、名波浩、藤田俊哉らは「理想の選手」「目指した選手」「最高の選手」として、岬の名を挙げている。
ザンブロッタ曰くイタリアでも「岬が一番女の子にもてていた」らしい。
ブラジルで開催されたリオオリンピックの閉会式にも登場していた。
「ぼくは岬太郎」というスピンオフは単行本にもなっており、アニメ化も数回されている。(第1作の66話や2018年版のセカンドシーズン第8話)