「お休みなさい? シュテン……千年の恨みは、麿が引き継ぐわ」(Quest14)
概要
Quest14から登場した第2のハイネスデューク。
鼻と耳が合わさった様な緑色の姿をした鬼と言うべき外見をしている。
通常体は耳メインモチーフの容姿である。
さながら公家か日本貴族の様な口調で喋り、一人称は「麿」で口癖は「~でおじゃる」。
美しい物を好むが、その価値観は独特のものがある。
シュテンとガオレンジャーの戦いの最中、マトリックス内で衝動と共に誕生。
Quest14のラストでシュテンを用済みとして処刑すると新たなオルグのトップとなり作戦を実行。
配下であるヤバイバやツエツエの事は牽制や陽動、消耗戦の為の要員と割り切る一方、初登場時にシュテンの攻撃の巻き添えを食らった2人を回復・救助したり、功績をそれなりに評価する等、他のハイネスと比べ良好な関係を築いている。
また、後述する狼鬼が自身に従わず、ガオの宝珠を渡さない姿勢に対しても「ガオレンジャーを倒すという目的が同じであればよい。宝珠はしばらく預けておく」と笑って返す等、豪胆で器も相応に大きい。
劇中での活躍
狼鬼を復活させた張本人こそ他でも無いウラであり、後に彼が奪った宝珠からキマイラオルグを作り出した。狼鬼が千年の邪気から解放されてガオシルバーとなった際、一度は倒されたかに思われたが、残された角の宝石の力で復活。
残った千年の邪気を使ってオルグを誕生させ続け、熟成した邪気を取り込む事で禍々しいウラ究極体への変貌を遂げた。
ウラ究極体
「化け物?怪物?そちらの目は節穴でおじゃるか!」(Quest31)
ウラがツボオルグ、ボーリングオルグ、墓石オルグの3体のオルグ魔人の身体に宿るごとに熟成された千年の邪気を自ら取り込む事で変貌した姿。通常体が耳メインなら、こちらは鼻メインモチーフの容姿であり、いくらかスマートな外見である。
元の姿より更に醜悪な姿へと変貌しているが、当の本人はこの姿を「この世で一番美しい究極の体」と自負してとても気に入っている。
柄を伸ばして手持ち武器にもなる鋭いカギ爪や電撃放射に加え、飛行能力まで備えており、果ては掌から光の刃を形成させる事も可能。無論、その戦闘力は大幅に高まっており、劇中ではレッドとシルバー以外の4人の命を奪う快挙を成し遂げたうえ、視聴者たちにさらなる絶望とトラウマを植え付けた…。
だが、冥界にいた4人の力により現れたレッドの新たなる武器であるファルコンサモナーの一撃で負傷。
直後に自ら巨大化して等身大の二人を蹂躙するが、奮起したレッドの心を折ることはできない。
「ホホホホホ! 今度こそ、終わりでおじゃる」
レッド「終わって、たまるかぁ! 今、4人の声が聞こえた……奴らが言った、諦めるな、勝ってくれって! 俺は、“灼熱の獅子”! 最後まで諦めてたまるかぁぁ!!」
満を持して召喚された新たなるパワーアニマル・ガオファルコンが駆け付け、思わぬ敵の登場に面食らったウラは至近距離から連撃を受け、踏み止まれず盛大に転倒してしまう。
しかもガオファルコンの叫びに応えるかのように、4体のパワーアニマル、そして殺したはずの4人までもが冥界から蘇り、ガオレンジャーが完全復活。
「おのれぇぇ! 空はそちだけのものではないでおじゃる!」
降臨した新たなる精霊ガオイカロスと空中戦を繰り広げるも、パワーアニマル達の猛攻に圧倒された上にイカロスバインドで拘束され、ライノシュートの追撃を受けたところに究極天技・イカロスダイナマイトを喰らい敗北。千年の邪気が消滅した事で等身大に戻ってしまう。
「ま、麿が、せっかく育て上げた千年の邪気が……消えてしもうたでおじゃる~……ああっ!?」
シルバー「ウラ! ここまで全て貴様の計算通りだったかもしれない。しかし、貴様の起こした唯一の誤算は! ガオシルバーを誕生させたことだ!」
狼狽しているところに、巨大戦に参加せず隙をうかがっていたシルバーが出現。
シルバーからガオハスラーロッドで額の宝石を破壊されたところに、士気最高潮の初期メンバーたちが追い討ちをかけるように到着。
そのまま止めの破邪百獣剣を喰らい、
「無念でおぉぉじゃるぅぅぅぅ~っ!!」
断末魔を残して爆発四散、とうとう滅び去ることになった。
終盤、ヤバイバの手によってツエツエと他の2人のハイネスと共に復活。そして究極オルグ センキへと生まれ変わる。
海外版
ガオレンジャーの海外版『パワーレンジャー・ワイルド・フォース』においては、「ネイザー(Nayzor)」という名称で登場している。
3000年前にウルフマスク(闇狼の面)を管理していたオルグ・ジェネラル。石像に封印されていたが、3000年の後、マスター・オルグの力で復活した。ゼン=アクを復活させ、彼にレンジャーが持っているクリスタルを奪わせたが、ルナウルフレンジャーに倒された。
その後、マスターオルグの力により強化し、スーパーネイザー(上記のウラ究極体の姿)として復活。レンジャーを追い詰めるがレッドレンジャーがファルコンゾードの力によりアニマリウムアーマーの力とアイシスメガゾードの前に倒れる。
死後は同じジェネラル・オルグであったレティナクス、マンディロク共々、ビクターによって洗脳された状態で復活させられる。最期は原作と同様に、ワイルドフォース・レンジャー達との必殺技の撃ち合いに競り負け、3人纏めてあの世に送り返された。
余談
モチーフは耳と鼻と緑鬼だが、「百化繚乱 下之巻」によると耳のデザインは生々しくならぬ様に余り強調されておらず、鼻の要素も後から加えられた物である。
名前の由来も桃太郎に登場した鬼のモデルである温羅。この鬼はかつて吉備地方一帯を支配し「鬼神」、「吉備冠者(きびのかじゃ)」と呼ばれた人物であり、地元民が都に赴き窮状を訴えた事で崇神天皇は吉備津彦命を派遣。彼の手によって退治されたと言う伝承がある。
こうした一連の流れが童話でもよく知られる「桃太郎」の原形になったとされている。
声を演じる西脇氏は今作がスーパー戦隊シリーズ、延いては特撮初出演となった。5年後の『轟轟戦隊ボウケンジャー』では竜人兵ジャリュウの声でレギュラー出演している。
関連タグ
百獣戦隊ガオレンジャー オルグ(百獣戦隊ガオレンジャー) ハイネスデューク
妖帝イリエス:3年前の動物戦隊に登場する、宝石が無事な限りは倒されても復活可能な術を持った策士タイプの幹部で、こちらも強化形態に変身している。
風船忍者ゴムビ・ローン:翌年に登場する、耳モチーフ繋がりの戦隊怪人。
漫才忍者ツッコ・ミーナ:同じく翌年に登場する、鼻モチーフ繋がりの戦隊怪人。
魔導神官メーミィ、晦正影、ワイズルー:後年の戦隊に登場する武闘派の幹部が退場した後にそれと入れ替わる形で登場した策士系の幹部繋がり。特にメーミィとは扇を武器にしている点が共通する。ただし、ワイズルーは終盤で戦隊側と和解している。
ケガレシア:口癖が同じ「~でおじゃる」の敵幹部繋がり。
筋殻アクマロ:『侍戦隊シンケンジャー』に登場する公家繋がりの幹部怪人。登場期間が4ヶ月間、体色が緑色、策略家である他に、同じ組織のメンバーを利用して自身の野望を叶えようとするも、最後はその人物にしてやられたという点が共通している。
電気王:ウラと同じように前任者を処刑して後任になった8年前のロボットアニメの敵幹部。