「(女声)ホホホホホホッ、希望とは真昼に見る夢」
「(男声)フハハハハッ、人は夢無しには生きられない」
「(女声)きらびやかな都会は夢の形…」
「(男声)人間の夢、片っ端から食い尽くす!」(Quest32)
概要
Quest32から登場した第3のハイネスデューク。巨大な口を持つ青鬼の外見をし、頭部と胴部で独立した2つの人格を持っており。頭部の口は女声、胴部の口は男声でそれぞれ喋る。
自称「絶望の王子」である為、性別は(一応)男の様だ。
戦闘では巨大なナイフとフォーク型の槍を武器としている他、口から伸縮自在の舌を伸ばしたり火炎を吐く芸当も可能。
更に虫のような分身体・コラセツを生成し、それを体内に取り込んで巨大化が可能。
更に彼個人の最大の特徴としてはプロプラ、キュララ、ドロドロの3体のデュークオルグを従えており、この3体はどれも強力かつ有能である。だが、その反動で善悪問わずぞんざいな扱いを受け続け、ただでさえ低かったヤバイバとツエツエの地位は更に低くなってしまった。その上、ツエツエが死ぬ遠因となった事実から、ヤバイバには少なからず不満が溜まっていた模様。
人物像
食に対する執着が強く、普通の食品・無機物問わず(ただし、腐敗した物は流石に無理な模様)何でも喰らい文明を滅亡させようとする美食家で、特に建造物の瓦礫や子供から錬成した「夢エキスジュース」等、「人類の夢」が詰まった食材を好む(その食欲からかガオレンジャーの各戦士を「○(各戦士の色)団子」と呼ぶ)。
また、食べるだけが能では無く、自身が関わる時は個性豊かなオルグの特長を最大限に利用した、効率的な作戦立案を行う等、権謀術数の手腕こそ優れているが、詰めが甘い上に自分の直属であるか否かで部下を選り好み、それによって露骨に態度を変える(後述のヤバイバの一件が顕著な実例)等の欠点を秘めると指揮官としては無能ではないが手放しで有能とも評価できない。
劇中での活躍
劇中ではカジヤオルグを使って獣皇剣を食器に作り替えさせようとしたり、テトムの手料理を食べたいが為だけに彼女を誘拐させたエピソードもある。
しかしQuest43にてヤバイバが再現したツエツエの料理をぞんざいに扱った上、再び振舞われたツエツエのレシピが自分の欲していた『ガオの巫女の手料理』であるのを見抜けず、またも粗末に扱いテトムの怒りを買ってしまう。これでは美食家(笑)である。
それでいてヤバイバに八つ当たりをする始末であり、上に立つものとしての器の小ささが窺える。
Quest44ではクリスマスオルグを介して忍び込ませていたコラセツを介してガオズロックの場所を突き止めると共にGフォンを破壊してガオレンジャーの変身を封じた上で単身最後の攻撃に乗り出す。
変身できない5人を一方的に圧倒し、別行動をとっていたシルバーもあっさり変身解除に追い込む。
さらにコラセツによってテトムをガオズロック内に釘付けにし、そのままガオズロックを墜落させたうえ、コラセツを食べて取り込むことで巨大化。
「おまえたちの夢を育んだガオズロックを破壊し、最後の絶望を味わわせてやる! 人間如きが、このラセツに反抗できるわけはないのだ!」
墜落したガオズロックを破壊し、ガオレンジャーを完全に絶望させようとするが、かえって怒りを爆発させたレッドが単身立ち向かい、それに応えるようにテトムを救出したパワーアニマルたちが集結。
意気上がるレッドをそのまま飲み込んだものの、パワーアニマルたちの猛攻に耐え切れず吐き出してしまう。
さらにガオディアスの力によってGフォンが復元され、完全復活を遂げたガオレンジャーがパワーアニマルたちを合体させ、ガオマッスルとガオハンターを前に巨大戦に持ち込まれる。
毒ガスと火炎放射で攻め立てるが、完全に勢いに乗ったガオレンジャーを止めることはできず、マッスルラリアットの二連撃に怯んだところに天地震撼・ビーストハリケーンが直撃。
「ぬうううう……! ハイネスデューク・ラセツ、世界をものにせんと、人間の夢を喰らい続けてきたが……その夢、喰らい尽くせぬほどに膨大だったのか……!」
トドメに降臨したガオケンタウロスのイカロスバインドで動きを止められ、究極剣技・獣王の舞を受けて敗北。
「(女声)敗北の味もまた……(男声)まったりとして美味……」
断末魔を残して爆発四散、消滅した。
終盤、ヤバイバの手によってツエツエと並んでシュテン、ウラの2体のハイネス共々復活。やがて究極オルグ センキへと生まれ変わる。
パワーレンジャー・ワイルド・フォース
ガオレンジャーの海外版リメイクである『パワーレンジャー・ワイルド・フォース』にも続投。海外名称は「マンディロク(Mandilok)」となっており、原作と同様に最高幹部であるジェネラル・オルグという立場である。部下であったプロプラ、キュララ、ドロドロについてもそれぞれヘリコス、アーティラ、オニカゲという名前で続投しているが…。
オルグ達の首領・マスターオルグ(偽物)にして人間の科学者であるビクター・アードラーは、嘗て嫉妬心で殺害した科学者達の忘れ形見であった、レッドレンジャー・コルへの復讐の為だけに人間の身で有りながらオルグを利用していた。その事から、ビクターを始末する為にトキシカ(ツエツエ)とジンドラックス(ヤバイバ)により復活させられる。しかし、原作同様性格に重大な問題を抱えている幹部であり、部下を捨て駒として利用する事も辞さない。
一度はビクターを崖から落として殺害する事に成功したかと思われたが、ビクターは事前に飲み込んでいたオルグシードの力により本物のオルグへと覚醒してしまう。
戦いの終盤ではジャングルブラスターの直撃を躱す為にトキシカ(ツエツエ)を身代わりにして抹殺(後に復活)してしまう。その事もあってか、ジンドラックス(ヤバイバ)とトキシカは捕らえていたプリンセス・シャーラを解放した上でパワーレンジャー側へ寝返ってしまった。
しかしその後、マスター・オルグとして復活したビクターが目の前に現れ、さしもの彼も狼狽してしまう。そして挙句の果てに、部下のオニカゲはビクター直属のスパイであった事も判明する。当然マンディロクは殺されまいとビクターに立ち向かうも逆に彼の杖からの光線を受けて致命傷を負い、粉々に吹き飛んで死亡した。
部下の裏切りに遭い孤立無援のまま殺害されるという末路は、原作やリメイク版である当作において、部下を捨て駒として利用してきた彼にとっては皮肉な物かも知れない。
死後は同じジェネラル・オルグであったレティナクス、ネイザー共々、ビクターによって洗脳された状態で復活させられる。最期は原作と同様に、ワイルドフォース・レンジャー達との必殺技の撃ち合いに競り負け、3人纏めてあの世に送り返された。
余談
モチーフは口と歯と青鬼。『百化繚乱 下之巻』によると2種類の声で喋る事はデザイン画の段階で既に想定されていた為、左肩に女性の様な唇が付けられており、スーツも屈伸すると腰の口が開くギミックとなっている。
名前の由来である羅刹とは、インド神話のラークシャサが仏教に取り入れられた存在であり、別名「涅哩底王」とも称される破壊と滅亡を司る神である。
声を演じた西川女史は今作がスーパー戦隊シリーズ初出演となる(特撮自体は『テツワン探偵ロボタック』の小象ロボットの声でデビュー済み)、翌年の『忍風戦隊ハリケンジャー』では香水忍者キラ・コローネの声を当てている。
もう一方の柴田氏は同じく動物スーパー戦隊である『星獣戦隊ギンガマン』のゼイハブ船長以来、3年ぶりの出演となった。また、2年後の『爆竜戦隊アバレンジャー』ではレインディアサンタの声を担当している。
尚、柴田氏はかつて『マジンガーZ』のあしゅら男爵と言う似た設定のキャラを演じた実績が有り、更に3年後の『特捜戦隊デカレンジャー』では、本作のシュテンの声を担当した稲田徹が声を当てたドギー・クルーガーの師匠の声を担当。ハイネスの担当声優同士が師弟役で共演している。
関連タグ
百獣戦隊ガオレンジャー オルグ(百獣戦隊ガオレンジャー) ハイネスデューク 火属性 あしゅら男爵
コラセツ:分身
復活忍者バンパ・イヤーン:『忍風戦隊ハリケンジャー』に登場する歯がモチーフ繋がりの戦隊怪人。
合体冥獣人キマイラ、ケンタテロイド:男と女の声を持つ怪人の後輩。
仮面ライダーガヴ:前述したグラニュートの異端児である仮面ライダーでやはり腹部に口を持つ。
ウラ←ラセツ