曖昧さ回避
概要
日本語では基本的に全てが「角」であるが、それぞれ呼び分ける言語もある。
もちろん大きければ大きいほど強くなり有利になるが、あまりに巨大であると見ただけで相手が不戦敗を選ぶ事もある。
同じく何もせずともメスが寄ってる事もある。そのため、シンボルとしての機能も併せ持っていると言える。
人間はしばしば偉くなるほど大きな帽子を被ったりするが、動物は大きな角を持つほど偉くなるのである。
pixivでは、「幻獣」や「亜人」といったファンタジー世界の存在が持つ角が話題に上りやすく、実在する角が注目される機会はあまり多くない。
伝承において
鬼や悪魔などの人外が生やす存在として度々語られるが、これには伝承において有角の動物が重要なポジションとして語られていた事と決して無関係とも言い切れない。
例えば…
- ギリシャ神話において雄牛に変身した最高神ゼウス
- ミノタウロスが生まれる遠因となる白い雄牛を作り出した海神ポセイドン
- 北欧神話において原初の巨人ユミルを養育したアウズンブラ
- メソポタミア神話において主神アヌに作られ、彼の娘イシュタルに遣わされたグガランナ
- 牛車を使って島を作った女神ゲフィオン
- インド神話において破壊神シヴァのヴァーハナとされるナンディ
- 同じく水を齎す雲の牛を奪い、雷神インドラに退治されるヴリトラ
- スサノオとも習合された牛頭天王
- ラーの娘であり、雄牛の角を持つエジプト神話の女神ハトホル
- プタハ神の代行者とされる雄牛アピス
- 旧約聖書で忌み嫌われた中東の牛頭の神モロク
- 中国神話において黄帝と熾烈な争いを繰り広げた牛頭の戦闘神蚩尤
と挙げればキリがないが、このように高位の神の眷属あるいは化身など重要なポジションで雄牛が各神話大系に登場する。生物でも角が強さや権力の証として認識されているのは言わずもがなであり、古くから角とは強大な存在とは切っても切れない存在であったのだ(※)。
鬼や悪魔に生やされるのも納得であると言える(ハーゲンティなど牛の角を持つ悪魔も多い)。鬼に関しては不吉な方角をである「丑寅」からの発想という説もある。
黙示録においては黙示録の獣が登場するが、黙示録の獣の角や冠の数はローマ帝国に関連するとも言われている。
この他にも牧神パーンや狩猟の神(とされる)ケルヌンノスなど角のある神性は豊穣や命に関係があるともされた他、預言者モーセも角を生やした姿で描かれる。
角自体に神聖な力が宿っているとする伝承もあり、ユニコーンの角には解毒作用があると信じられていた。
注釈
(※)神話外のフィクションに目を向ければ『ウルトラシリーズ』において宇宙警備隊の大隊長を務めるウルトラの父やその息子と孫であるウルトラマンタロウ、ウルトラマンタイガにはウルトラホーンが生えており、強大な力を秘めているとされる。
(※)ヤギや羊などの家畜は人との生活になくてはならない存在であった。
実在する角
- シカの角
「枝角」という、文字通り枝分かれした角が特徴。成長中は血管が通った皮膚に覆われており(袋角)、大きくなると皮膚が剥ける。約1年の周期で生え変わる。英語では「アントラー(antler)」。
- 牛の角
「洞角」とも呼ばれる。骨でできた芯と、その表面を覆う角質(ケラチン)の角鞘で構成されている。基本的に生え変わる事はないが、角鞘だけ取れる事はある。英語では「ホーン(horn)」。
系統的にはウシ科なので、構造もそれに準じている。特に羊でくるりと渦巻くイメージが強いが、半数ほどの種はそもそも角が無く、あっても緩くカーブしているだけの事が多い。にもかかわらずそのようなイメージが定着したのは、知名度の高い「メリノ種」あたりがそうなっているからか。
- プロングホーンの角
枝角と洞角の特性を併せ持つ。骨が角の芯で、表面を覆う角鞘は毎年生え変わる。
- キリンの角
頭蓋骨の突起が角になってあり、表面を皮膚が覆っている。オカピも同様の角を持っており、キリン科である事が分かる。英語では「オシコーン(Ossicone)」。
- サイの角
「中実角」とも呼ばれる。骨は無く角質(ケラチン)のみで構成されている。角質は人間でいえば爪や髪の毛と同じタンパク質であるため、「毛でできた角」などとも言われる。漢方薬の材料になるなどとして近年乱獲されているが、そんな効果あるわけない。
- 昆虫の角
カブトムシやクワガタムシのものが有名。外殻の一部が伸びている。
- その他
関連タグ
【部位】
【幻獣】
【その他】
※以下には「かど」「かく」の用例を含み、人名を含まない。
外部リンク
動物の角5パターン!シカやウシ、サイとキリンにプロングホーン。その違いは?