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蚩尤とは、中国神話に登場する軍神である。

蚩蚘とも。中国語ではチーヨウ(Chiyou)、上古中国語ではティウグ(tʰjɯɢʷɯ)と呼ぶ。


解説編集

中国史において、伝説の時代とされる「三皇五帝時代」の人物。

81人(または72人)の兄弟がいるという。

炎帝神農氏の子孫であり、神農氏末期の乱世の時代に百工を担当して戦斧弓矢をはじめとした兵器と呼ばれる金属を使うあらゆる武器を開発し、その武器を持って天下に横行していたという。

この乱行が後の中国最初の皇帝・黄帝の目に留まり、天下の覇権を巡って争うこととなる。


涿鹿の戦い編集

黄帝と蚩尤は涿鹿(たくろく)、または冀州(きしゅう)の野にて決戦に臨んだとされる。

蚩尤は兄弟のほか、魑魅魍魎の軍勢を味方につけ、濃霧といった現象を起こして黄帝軍を追い詰めていく。

これに対し、黄帝は味方となった応龍を起こさせ、その力を封じにかかるも、蚩尤に味方した風伯雨師によって阻まれてしまう。

そこで黄帝は乾きの力を持つ自身の娘・を呼び寄せ、風伯と雨師の力を抑え込ませ、勝利したという。

蚩尤は、逃走を図るも周囲を包囲されて捕えられ、黄帝に処刑されたとされる。


その後編集

蚩尤を葬った山の麓に塩湖が出来たが、ここから取れる塩は赤く、それは蚩尤の血で赤くなったとされている。

蚩尤に味方した氏族は三苗となり、のちに南に下って時代の覇者たちを悩ませる難敵の先祖となったという。



魔神・蚩尤編集

後世においては、中国神話の「忌むべき魔神」として語られている。


容姿編集

『述異記』巻上には、『竜魚河図』ではをして人語を解し、を持ち、小石を食していた」、『帰蔵』には、「八肱(八つの)、八趾(八つの足)、疏首(別れた首?)」とあり、キメラとして伝承されている。

また古代中国の妖怪大百科『山海経』には、黄帝と戦って敗れた存在として語られるのみで、蚩尤を直接示す記述はないものの、「天神(山海経)」と記される似た特徴を持つ“戦乱の神”が登場する。


また彼の兄弟も、彼と同じ容姿をしていたとされる。


武神・軍神としての蚩尤編集

蚩尤討伐の後、世の中では蚩尤を恐れて鳴りを潜めていた者達が跋扈する様になる。

これに対し、黄帝は蚩尤の姿を描いた旗を作らせ、これを天下に示して反乱者達を威嚇する。すると、反乱者達は 「あの蚩尤が生き返った」 と恐れ戦き、平伏していったという。

蚩尤旗は旗だけではなく彗星や赤気の名称でもある。


以来、蚩尤を『兵主神(へいしゅしん)』と崇める信仰が生まれ、軍神として祀られるようになっていく。


蚩尤は天符の神でもあり、三代の彝器(いき)に蚩尤の像を表したとされている。

ちなみに、蚩尤は中国の相撲に関わりがあって蚩尤戯という民俗芸能の舞踊があったとされている。


そのほか、夏に雨を求めて彼に雨乞いをしていた記録、疫病を司り転じて病気を治す疫病除けの神になっていた記録、蚩尤という名前の風獅爺(シーサー)があった記録、皇帝や武将達が彼を祀っていた記録もあり、一概に邪悪な存在としては扱われていない。

さらに現在では、苗族から祖神として扱われていたり、黄帝と炎帝に蚩尤を加えて中華三祖と扱われもする。


余談編集

日本で祀られている兵主神の源流ではないかとも言われている。


関連イラスト編集

蚩尤戰神蚩尤

蚩尤蚩尤


関連タグ編集

中国神話 中国妖怪  軍神 鍛冶神 饕餮 方相氏


シユウ(キャラクターとしての蚩尤)

シュドナイ灼眼のシャナの登場人物で過去に通名として使用)

ひょうすべ(奉じていた氏族である兵主部が関連するといわれる妖怪)

ミラーマンREFLEX(鏡の向こうにあるという別世界・幽世に住む邪仙)

虹裏虹裏メイドの一人「しゆうさん」)

三国伝 (神話の時代に三侯が封印した暗黒の化身であり、すべての闇の元凶)

八蘇神秋雨(東方二次創作STG東方鬼葬剣の6面ボスでモチーフは蚩尤)

饕餮尤魔(東方Projectのキャラクターで名前は饕餮と同一視される蚩尤から取っている)


キングダム』の蚩尤編集

 作中の主要人物・羌瘣の出身部族の名で、部族が輩出する最強の刺客の称号でもある。由来は上記の神と思われ、1000年以上中国史の闇で暗躍してきた伝説の暗殺者一族である。本来は神に仕える巫女が祭祀で奉じた剣舞が、世の乱れに従って変容したとされる、巫舞(みぶ)という独特のステップを伴う呼吸法を駆使し、超人的な剣技を実現する。

 その所以故か一族は皆女性であり、時代が降るにつれ幾つかの支族に別れたが、それぞれが独自の巫舞を開発して技の研鑽に励んで来た。人里離れた山奥で長老格の老婆の元に集団生活を送るが、異性との接触が絶たれた環境で育つ故にの知識に乏しい初心な者が多く、若い女達には年相応の恋愛に憧れる一面もある。蚩尤になれれば山を出られるため、恋人となる男性に出会うため蚩尤を目指す者もいる。

 巫舞を修めた者の技量と速さは作中でも群を抜き、初太刀で複数人の首を刎ね飛ばすなど常軌を逸した強さを誇る。無論自身より体格に優れる男性にも切り負けない。ただ巫舞には個人差もあるため、その点で使い手の得意とする戦況や相手も変わってくる。


 しかし蚩尤の強さの本領は、一族間で長きに亘って行われてきた(さい)と呼ばれる因習にある。その内容は、身内を含む各支族から2名ずつ選抜された代表で殺し合いをするという凄惨且つ苛烈極まりないものだった。この戦いを勝ち抜いた唯一人が蚩尤を名乗ることを許され、外界へ出る事が出来た。

 しかしそうした残酷な運命にあって尚、女達は家族として仲睦まじく育てられ、その結果姉同然に慕っていた者を殺され復讐鬼と化す者や、実妹を手にかけ精神を病む者など、様々な悲劇の犠牲者を産むことになった。支族から代表が2人選ばれるのも、愛する者同士の殺し合いまでも想定しているが故である。

 しかしこれこそが蚩尤の本質であり、自身に絡みつく現世の未練や情を断ち切って初めて冷徹な刃を振るうことが出来るという。


 とはいえ、相手か己かのいずれは必ず死ぬこの因習に肯定的な者は少なく、中には死の恐怖に負け、祭を拒んで逃走した者もいる。また祭については様々な掟が定められているらしいが、本編当時の時点で策略や不都合によって平然と無視されるようになっており、かなり緩くなってきていることが分かる。寧ろ掟を真面目に守る者自体珍しいようで、羌瘣の姉貴分・羌象はこの事で裏切りに遭い、命を落とす結果になった。


祭 -sai-

 


『ドラゴンブラスト』の蚩尤編集

蚩尤

ドラゴンブラスト』の登場人物

原作→urakata


関連タグ編集

ドラゴンブラスト ドラブラ

幻獣ミノタウロス拳シユウ

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