概要
『書経』舜典に登場する四柱の悪神。古代中国の聖人である舜帝によって中原の四方に追放された。
『春秋左氏伝』における「四凶」に当たる存在。ただし、『書経』自体には「四凶」の字は見られない。また、『史記』では「四凶」とは別に記されている。
それぞれに異民族・異民族の長・異民族の神を指しているとも言われる。
- 共工(きょうこう、コンコン):幽洲(北方)に追放。同書「尭典」で尭帝に「靜言庸違、象恭滔天(言行不一致、面従腹背といった意味)」と評される。
- 驩兜(かんとう、ホァントウ):崇山(南方)に追放。同書「尭典」で尭帝に共工を推挙して却下されている。
- 三苗(さんびょう、サンミャオ):三危(西方)に追放。
- 鯀(こん、クェン):羽山(東方)に追放。同書「尭典」で尭帝に「方命圮族(命に背き族を崩す)」と評され、治水事業に失敗している。