概要
讙兜・讙頭・驩頭・鴅吺・鴅兜・讙朱とも表記される四罪の1人にして中国神話に登場する邪神。
中国語ではホァントウ(Huandou)と呼ぶ。
その正体は神話時代の帝堯の息子である丹朱であったが、三苗の論戚誼と組んで反乱を企てたと伝わるために四罪とされている。
『読書偶識』では、古文書にある上記の別名のものは同一であると考察されており、
『山海経』では、「海外南経・大荒南経」に記述される讙頭国の住民で、羽根が生え嘴がある異形の民族・讙頭人は南方に逃れた驩兜の子孫ではないのかと郭璞が注釈を書いている。
また同じ四罪の鯀の孫という記述も存在するが、驩兜の姿は讙頭人と同じく羽根と嘴を持つとされることが多い。
『史記』では、放斉が紹介した人材であったが、さらに丹朱(驩兜)自体が紹介した共工とともに追放され、南方に住む蛮族「南蛮」の祖になったとされる。
余談
囲碁の起源は、父である堯が驩兜を喜ばせるために象牙や犀角で造った高価な遊具であるという説があり、元代の囲碁解説書『玄々棊経』には、「天下を治める教養を学ばせるためだと、丹朱(驩兜)ごときに与えたことが愚行であった」と皮肉が書かれているという。