概要
「囲碁」とは、2人で行うボードゲームの一種。
交互に盤上に石を置いていき、自分の石で囲んだ陣地の広さ(石が何目置ける広さ)を争う。単に碁(ご)とも呼ばれる。
古来から伝わる盤上遊技の双璧として、しばしば将棋と並んで語られる。発祥は中国の少なくとも2000年以上前と考えられ、東アジアを中心に親しまれてきた。
パズルゲームとしては詰碁が知られている。
囲碁用語が一般用語になったのも多数(布石、定石、駄目等)。中国と日本のルールでは細かい差はあるがほぼ同じで、東アジア各国(日本・中国・韓国・台湾)相互の交流も盛んである。
黒石を持っている者から打ち始める。置石(黒石を2~9子あらかじめ置く)の場合は上手(うわて)の白が先に打つのが一般的。
対等の勝負(お互いに先番でも可能なことから互先とよばれる)をする場合にはニギリ(年上が石を複数握り、年下が奇数か偶数か当てられたら年下が黒番)で黒番・白番を決める。また、先に打つ黒の方が有利なためコミと呼ばれるハンディが付く場合がある。コミとは架空の点数のようなもので、後から打つ白番の陣地の広さに多めに足される。コミを「6目半」に設定すると、先に打つ黒は7目以上多くの地がないと負けになる。「半」とは0.5目のことでこれにより引き分けがなくなる。
コンピュータと囲碁
囲碁は世の中に存在するあらゆるボードゲームの中でも実現可能な全局面数が圧倒的に多く、力押しでの先読みは困難なため、かつて(1990年代)は「囲碁は、人間がコンピュータに勝てる最後のボードゲーム」、「21世紀前半にはプロに勝てるコンピュータソフトは現れないだろう」とすら言われていた。
囲碁は将棋と違って同じ石でも、石の繋がり・地の大きさで石の強さが変わってくるため、評価関数をつくるのが難しい。置かれた石の周辺に発生する影響力を関数として扱う手法や、石の生死を細かに判断する手法が試されたが、2000年代初頭まではプロ棋士はおろかアマチュア有段者の腕前にも到底及ばなかった。
囲碁製品も販売している任天堂でも、囲碁のゲームソフトは三代目社長であった山内溥(アマ六段)を負かす事が暗黙の了解で、少なくとも山内氏が健在の頃は「コンピュータとの対戦」ができる囲碁ソフトは自社では出せなかったという(後に限定的だが、囲碁初心者にルールや手を学ばせる為のモードに限りコンピュータとの対局を解禁している)。
2000年代に入りコンピュータの性能が向上すると、演算能力に任せて大量の手を読み、そのうち有望な手をさらに深く読む手法(モンテカルロ法とゲーム木探索の融合)が実用レベルに達し、2000年代末にはハンデをもらえばプロ棋士に勝てる例も出てきた。それでも、モンテカルロ碁には(人間のような大局観が無いので)局面が複雑になる中盤には手を見逃しやすくなるなどの弱点があり、コンピュータ碁対策を研究した強豪棋士には歯が立たなかった。
この局面を打開したのが2015年の「アルファ碁」の出現である。アルファ碁は過去の膨大な棋譜を読ませて何百万回も自己対戦を繰り返し機械学習させるという手法で、世界最強の棋士と目されるイ・セドルに3連勝した。
この事件を機にディープラーニングの有用性が広く知られ、世界的AIブームを呼び起こすきっかけともなった。
これによってコンピューターが囲碁の天下を取ったが、それでもAIは無敵では無く、偶に詰碁がらみの盤面になると敗北する事がある。
果たして、コンピューターを超える棋士が再び現れる時代は来るのだろうか。
囲碁のコミ
先述したように、コミと言うのは後手側である白に付けられるハンデのことであるが、このルールが導入されたのは昭和囲碁の日本の囲碁界が初であり、その後世界的に広まったルールである。
長い囲碁の歴史の中で、先手である黒が有利というのはかなり昔から知られた問題で、確率的に言うと何のハンデもなかった場合、70%の確率で黒が勝つと言われている。
昭和以前はこの問題を解決するために白と黒を交換して複数回碁を打ち、何勝したかで勝負をつけていたのだが、このような勝負の付け方では長期戦にならざるを得ず、プロ棋士制度が確立した昭和の日本囲碁界によって短期で決着をつける為に、コミと言う新たなルールを追加することで勝負の短期化を行ったのである。
その後、世界に広まったわけであるが、ただこのコミ、多少付けただけではやっぱり黒の有利は動かず、日本の囲碁界で導入当時の1930年代には四目半だったのだが、1964年には五目半に改められ、2004年には六目半へと改められた。
海外の例で言うと、韓国では日本同様に六目半、中国、台湾、アメリカなどでは主に七目半のルールでコミを導入している。
囲碁をテーマにした作品
囲碁を打つキャラクター
囲碁をテーマにした作品以外に登場する、囲碁を趣味で打つキャラクターのみ紹介。