解説
CV:加藤みどり/和久井優(2017年カップヌードルのCM)
永遠の24歳。お魚咥えたどら猫を裸足で追っかける程のおっちょこちょい。独特な髪型(連載開始期に流行ったパーマ)をしている(長谷川町子の実姉・鞠子が「サザエさんうちあけ話」で若い頃にサザエとよく似た髪型をしていた事からもいいところのお嬢さんがする髪型だったらしい)。
流行遅れになり変えようという案も出たが定着してしまったためそのままに。なお、髪型を解くと実は肩までかかる程のロングヘアーだったりする(母フネも同様)。
旧姓・磯野。
原作では連載当初は独身だったため「磯野サザエ」という名称だった。
(厳密には間違いとは言い切れない)
アニメでは既婚な状態で開始するため、当初から「フグ田サザエ」である。
フグ田マスオと結婚して一時は家を出て実家近くの借家で暮らしていたが、マスオが大家といざこざ(無断で木の塀を薪にしようとした)を起こしたため、両親と同居することに。
なお、報復同然にマスオの留守に来て「家は売れたから出てってくれ」といった大家をフルボッコにしている。
人物
性格は子供っぽく(というのか子供そのもの)元気で明るく嘘を全くつけないお人好しで、サッカーや野球等をカツオたちとやり合うほど快活なお姉さん。そのため身内は勿論、近隣や町内な人達からも大変好かれている。ただし、はしゃぎすぎて醜態を晒すと波平に「バカモーン」と大喝をよく入れられたりもする。
上述したように行動力が男以上に快活すぎても、女性語を常用して会話し、家事炊事をそつなくこなしており、昭和初期の平均的な女性としての嗜みはしっかり有している(学歴が女学校卒なので、良妻賢母の育成を主眼に置いた教育は無論受けている)。
同居しイタズラされているせいなのか、実弟磯野カツオの教育方針にいろいろ口出しをする。また原作では実妹磯野ワカメに対しても英語教育を行うが、端で見ていたカツオが呆れるほど散々な結果(カツオ曰く「語学の才能が無い」)に終わっている。
一人息子であるフグ田タラオがいる。また、原作では「サザエさんの10年後」という漫画でヒトデという娘も登場している。
特技はゴリラのモノマネ(同窓会で大ウケするほどだが、恥ずかしいので家族には内緒)、落語『寿限無寿限無』。また裁縫の技術も優れており、原作では何度か洋裁の内職を手がけている。
あまり知られていないが、原作では実は麻雀も嗜んでいたりする。その時のメンバーは波平・マスオ・ノリスケ。
苦手なのは算数および数学。そのため同窓会の幹事を担当した際には会費の計算に悪戦苦闘していた。もっとも波平やカツオ、ワカメも算数を苦手とする描写があるので、磯野家共通の弱点ともいえる。
実は「サザエさん」は当初作者の福岡での活動で一度最終回を迎えており、サザエの結婚で終わった。
家系図
磯野藻屑源素太皆(いその もくずみなもとのすたみな)
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フグ田マスオ(夫) フグ田サザエ 磯野カツオ(弟) 磯野ワカメ(妹)
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余談
カツオやワカメとは「姉としては歳が余りにも離れ過ぎている」事から、ごくまれに「カツオとワカメはサザエの息子・娘である」と誤解している人が少なくない。もっとも、原作漫画の連載当時は「歳が離れた兄弟・姉妹」がいたのは、決して珍しいことでは無かったため、現代の価値観からすれば違和感を覚えてしまうのは否めない点ではある。
専業主婦のため一部では『旧態依然とした家制度』の象徴として扱われるが、原作でのサザエは独身時代は出版社に記者見習いとして勤務し、結婚後も探偵(1日で辞めた)や近所の大富豪、湯水金造の屋敷で家政婦を務めるなど、ちゃんとした職歴持ちである。
自身の名前が題名になっている事から、アニメでも「皆勤で登場している」かの様に思われがちだが、実は「サザエが全く登場しない回」が2話存在し、その2話のタイトルは「ハッピーバースデイ」(1970年5月3日放送。第31回/通算93話)と「ぼくにまかせて」(1972年3月26日放送。第129回/通算389話)である(ただし、2013年11月26日に「カスペ!」枠にて放送された『アニメ・サザエさんの秘密徹底解明スペシャル』では前者のみが「アニメ史上唯一『サザエが登場しなかった』回」として誤って紹介された)。
アニメ版の放送開始から長きに渡ってサザエを演じている加藤氏は、アニメ版の放送開始に当たって番組サイドから「(アニメーター達が精魂込めて原画を描いており、みだりに作品を掛け持ちされたら現場の士気も下がり「主役のための仕事」をしてくれなくなるために)生半可な気持ちで作品に臨んで欲しくないので、役に専念出来るように他の作品から降りて『サザエさん』一本に絞れ」とお達しがあり(※)、当時のプロデューサーからも「自分としては(サザエさんを)10年続けたい。貴女にとって(サザエさんが)百本の出演作にも勝る大切な一本になる様に努力するから自分の言う事を聞いて欲しい」と懇願され、加藤氏も「自分としては『3ヶ月(1クール)で終わるだろうな』と軽く考えていたが、こんなに長く続くとは思わなかった」という趣旨の発言をしばしばしており『大改造!!劇的ビフォーアフター』のナレーターに就任するまで(新作での未知なる役を開拓する意味で)『サザエさん』以外のアニメに出演せず(もっとも、加藤氏はアニメに出ずとも声優としては実写の吹き替えもこなし、舞台女優としても活動したり、ラジオの競馬番組のリポーターもこなしてはいたが『サザエさん』の知名度と比べれば霞んでしまっている節がある)、いつしか「加藤みどりの代表作は『サザエさん』のフグ田サザエ、そして『魔法使いサリー』の花村よし子と『おそ松くん』の松野おそ松と『ハクション大魔王』のカンちゃんである」と称される(先述の「百本の出演作にも勝る大切な一本」に『サザエさん』がなった瞬間)様になった。
※:ただし、サザエさんの放送開始と同じく『ハクション大魔王』が日曜夕方6時に開始している為、実際はハクション大魔王の放映の頃は6時にカンちゃんと6時半にサザエで一年は掛け持ちしている。ちなみにアクビちゃんならびにタラちゃん役の貴家堂子氏も同じ。
関連イラスト
関連タグ
浅野温子 観月ありさ 天海祐希:それぞれ、実写版「サザエさん」でのサザエ役を演じたことがある。
藤原紀香:舞台版で演じたことがある。