概要
就職せず、家事(炊事、洗濯、掃除、買物、家計管理)や育児といった家庭内の仕事に専念する妻のこと。もっとも、町内会やPTAその他地域貢献活動など地域での役割を果たしていることも多い。農家や中小企業経営者などの妻の場合、名目上は「専業主婦」でも実質的には家業の働き手の一人であったり、作家、芸能人、政治家などの妻は実質的には夫のマネージャーであったりすることもある。
「夫は外、妻は内」という近代の性役割分業意識の成立と共に出現した。欧米では20世紀に一般化し、1930年頃のイギリスでは既婚女性の8割に達していた。
日本の専業主婦
日本の女性は農婦・商店のおかみさん・漁婦として働いてきた歴史があり、かつては共働きが社会の常識となっていた。しかし、高度成長期にサラリーマンの増加と共に専業主婦が増え、1975年頃には既婚女性の約6割が専業主婦となった。
1980年代から女性の就業志向も高まって以降、家事・育児と並行してパートタイムで働いたり、フルタイムでの就業を結婚しても、子供が出来ても継続する女性は増加の一途であり、専業主婦が既婚女性の一般的なあり方とは言えなくなっている。
現在の日本で女性が専業主婦を希望する理由としては、単に「働きたくない」「仕事を辞めたい」ということもあるが、「保育園不足のため、働いている間に子供を預かってくれる場所がない」「子供が幼いうちは子育てに専念したい」「転勤が多い夫を持つため就職が難しい」「心身の病気などのため継続して働くのが難しい」「子供に手がかからなくなっても再就職先がない」「夫の要望」などのケースがある。
専業主婦という立場が成り立つには稼ぎ手(一家の大黒柱)となる夫の存在が不可欠の条件だが、男性側からも収入の不安定化やジェンダー意識の変化などの要因で、パートナーに専業主婦を望まないケースも多くなってきている。
なお、「就職はしているがアルバイトやパートタイムで働いている主婦」は「兼業主婦」「パート主婦」と呼ばれることがある。
創作における専業主婦
『サザエさん』の磯野フネ・フグ田サザエ親子をはじめ、『ドラえもん』の野比玉子、『クレヨンしんちゃん』の野原みさえなど母親キャラクターが多い。
子どものいない専業主婦としては、『花のズボラ飯』の主人公駒沢花などが挙げられる。
長年続いているこのシリーズの母親キャラで専業主婦は作数を重ねるにつれて少数派となっており、世相の変化が見てとれる。
関連タグ
主人公が専業主婦の作品
外部リンク
- 専業主婦(Wikipedia)