概要
生まれたばかりの赤ちゃんは何もすることができないので、親などの保護者が赤ちゃんを育てる義務がある。その一連の行為。
幼児期以降も含める場合は子育てと呼ばれる事が多い。
育児は本当に大変
育児を始めてからその大変さに気付かされることも多い。
まず赤ちゃんは話ができない為に意思伝達手段が泣く事しかできず、しかもその泣き声は聴いているものに焦りを与えるようなものになっている。逆に心地よいものだとスルーされてしまうので、不快な音になっているとされている。言う事を聞かないのは言わずもがな。
生まれてしばらくは昼夜問わず三時間置きの授乳を必要とし、体内時計がうまく出来ていないため夜でも起きる。「赤ちゃんは殆どの時間を寝て過ごす」とされているが当然個人差があり、しかも一度の睡眠でぐっすり寝る訳ではなく、成長するまでは浅い眠りを何度か繰り返すケースも多い。夜泣きで寝不足に苦しめられる親も大勢いる。
また赤ちゃんは安全面から一人にはできない上に、授乳時間と赤ちゃん自身の体力の関係で長時間の外出も困難。赤ちゃんと遠くに出かける時は哺乳瓶やミルクやおむつに着替え等、大人の倍以上の荷物が一緒について回る事になる。
完母でも出かけ先に授乳室があるか確認が必要で、赤ちゃんの授乳時間にあわせて移動するようになる。当たり前な話で、親が誰かに預けない限りは、どこに行くにも子どもが常について回る。そのため親はなかなか自由に外出することができず、出産してから美容院にすら行けない母親たちもザラにいる程。赤ちゃんが大人の都合の良いように合わせる事はできない。我慢するのは赤ちゃんではなく大人の方なのである。特に出産や授乳は女性にしか出来ないため母親にかかる負荷は圧倒的に多く、パートナーとなる男性、即ち父親の助力や理解は不可欠である。
赤ちゃんが生まれた後は母親は自由な時間を取れないし、育児がうまくいかなくてイライラしてストレスを溜めてしまう事も決して少なくない。更に父親である夫に親である自覚が足りなかった場合、母親一人に家事と育児(更に悪ければ仕事まで)の負荷がかかる状態に陥る可能性もある。
残念な話だがこうした事が夫婦関係の悪化や虐待に繋がってしまうケースも多い。赤ちゃんも触覚や聴覚が備わっている為、声のトーンや緊張感で親の苛立ちを感じているとされている。たとえ言葉がわからなくとも、苛立った声や怒鳴り声は赤ちゃんにとっても「怖いもの」なのである。
そのため限界を迎える前に周りの助けや、市区町村の一時預かりサービスの利用などが推奨されている。
しかしこれも、子育てという長いスパンで見ればまだまだ始まりに過ぎない。
成長してからもいろいろとお金はかかるし、反抗期やいじめ、勉強、受験など、社会に出てから子が直面する問題で対立が起きてしまう事もある。
統計上でも「子供がいると幸福度が下がる」というデータがあるのは、この子育ての大変さを踏まえれば納得である。
これを聞いて結婚や出産を敬遠する者もいるが、勘違いしないで欲しいのは「子供がいると不幸になる」のではなく「子育ては幸福度が下がってしまうほど大変」という事である。幸福の価値観は人それぞれである以上、幸福度が下がったからといって必ずしも不幸とは限らないのだ。事実、子育ての辛さを経て尚、子が立派に成長し一人前の人間として生き生きと過ごす喜びを噛み締め、「子を産んでよかった」と思う親も多くいる。
裏を返せば、子育ては『一人の人間』を育て上げ世に送り出すことであり、軽い気持ちで挑んではならず、大きな責任と覚悟がいる事なのである。
全てのお父さん・お母さんは本当に立派です。
我々も、育ててもらったことへの労いと、親への感謝の気持ちをいつまでも忘れないでいよう。