概要
いじめとは、相手に対して暴力を振るう、恐喝をするなどの犯罪行為を行うことや、無視をする、侮辱するなどの嫌がらせを繰り返す行為のことである。
漢字表記として「苛め」や「虐め」がある。スクールハラスメントとも言う。
加害者は被害者より圧倒的に有利な立場だったり、安全圏にいたりすることが多い。
被害者の反撃手段を封じていることが多いため、殆どの場合、加害者からの一方的な攻撃になる。
理由に正当性があるかないか、相手の反撃手段を封じているかいないか関係なく、攻撃したらそれはいじめである。
加害者が自主的にやめてくれることは少なく、殆どの場合、自分が不利な状況にならない限り、やめない。更に酷いケースだと、不利な状況になった原因を反省した上で(被害者への反省ではなく、そっちの反省である)、ほとぼりが冷めたところで再びいじめを再開してくる。手口が更に巧妙になることも少なくはない。
学校などの校内暴力を始めとする校内虐待を指すことが多いが、家庭内・職場・ネット上でも存在しており、世界各地で深刻な社会問題となっている。
英語ではBullyingと呼ばれる。
加害者と被害者の関係や加害者のやり方に応じて形が変わるため世間で知られている以上に多様なバリエーションを持つ。2018年頃にようやく認知されるようになったガスライティングなどはその一例であろう。
単語として
「これは陰湿な犯罪ではなく、生徒同士の"いじめ"、ちょっとしたトラブルですよ」と事態を不当に矮小化し、波風立てず穏便に済ませるために使われている場合が多い。この点は過去の不良行為をやんちゃと言ったり、窃盗を万引きなどと言い換える点と同じ。
これは犯罪行為として認識してしまうと公務員(教師)に告発する義務が発生し、事態が穏便では済まず面倒な仕事が増えるため、あえて矮小化した表現にするといった意味合いも一部ある。(後述)
当然ながら被害者からすれば、表現の違いだけで心に深い傷を負うのか変わりないし、ちゃっかり罪を軽く見せて責任を逃れようとする点は悪質極まりない。当たり前だが「犯罪ではなくいじめです」で無罪になるわけではない。
原因
加害者の心理で多いとされるパターンとして、以下のようなものが挙げられる。
生物学的観点
脳科学者の澤口俊之博士によれば、いじめを行う人間は「他の生物の苦痛を見ると快感を覚える」という脳の回路を持っている可能性があるという。
実際に調査の対象となった加害者は、前頭前野、扁桃体及び側頭葉が物理萎縮しており、攻撃的な行動パターンをとる特徴があった。
元々集団生活する生物には、生存のため「集団形成の妨げになるイレギュラーに制裁を加える」といった本能が備わっているとする説がある。
しかしヒトを筆頭にイルカやチンパンジーなど知能や社会性が高い生物ほど、完全には消えていない野生の攻撃本能を燻ぶらせ易い傾向にもあるとされ、ストレスなどで強まったそれを発散すべく、必要以上の加害行動に走り易いのだという。
本来種の繁栄の為にある機能が、逆に衰退を招くよう捻じ曲がった結果がいじめであるとも考えられ、人間も本質的には野生動物と大差がないとも言えるが、だからといって「加害や弱肉強食は生物として当然のこと」なんて言い訳は通用しない。
環境的要因
いじめ行為を行う者も何かしら家庭や育ちなど環境で歪みを抱えている者が少なくない(彼ら自身も昔は被害者だったというパターン)。
また、いじめは冒頭で述べた学校のほか、刑務所や工場、軍隊といった他と隔離されたストレスの溜まる環境で激しくなりやすい。
虚栄心が強い、傲慢
自己肯定感が低く、気が小さいタイプが多いと考えられる。「自分より劣っている」と思う者を探し、プライドを保とうとしている。または、「自分以上」と思う特定の人間を極度に恐れている。
反対に、自己評価が異常に高く、面の皮が極めて厚いタイプも見られる。
思考が自己中心的で歪んでいる
正義中毒の記事が詳しいが、おおむね我田引水的な価値観を持っており、加害行為を「正当な表現行為である」と捉えている側面がある。
偏狭
人同士の違いに対し不寛容、狭量であることが、加害者のおおむね共通した特徴として挙げられる。他人の過ちに極端に厳しいタイプが散見される。
浅薄皮相な思想を持っている者や、表面的・瑣末なことに拘泥する者も多いタイプである。
相手を差別していたり、自分の価値観だけで相手を異常と決めつけるなど、とにかく決めつけることが多い。酷いときにはリアルで何かやらかしたわけではないのに、妄想だけで決めつけることも多い。
上記の性格が、不誠実かつ傲岸不遜な態度となって現れ、下記の行為に及ぶことになる。罪を咎められても、多かれ少なかれ「自分(たち)は正しい」と思っていることから、論点をすり替えて逃げるか、被害者に責任をなすりつけるなどし、自己弁護を行うことが多い。
イジり
何の気なしに始めたイジりが、集団心理によって過激化しいじめに発展してしまうケースも無いわけではない。
つまり、上記のような悪人が「自分から」ターゲットを決めていじめを始めるのではなく、誰かの始めたイジりに便乗し周囲を煽り立てていじめへと変質させるのである。
その場合、結果として、悪意がほぼ無いイジりを始めた人間もいじめの火元となってしまう。「自分は上記のようなクズではないから、安心して友人のA君をイジってよい」などと慢心することなく、日頃から発言には気をつけた方がよい。
いじめで歪んで
いじめられた影響で歪んだことが原因で、いじめる側になることがある。
虐待された者が今度は自分が別の誰かを虐待してしまうというケースと似ていると言ってもいいかもしれない。
仕返しや制裁
自分がかつて相手から何かされたことがある、知人が何かされたなどの理由で、その復讐でやるタイプ。
特に自分達が何かされたわけではなくても、何か悪いことをした人への制裁目的という建前で、全く関係ない第三者がやる場合もある。
これは逆も然りであり、こちらが相手に仕返し、制裁した場合であっても、相手から逆恨みされ、逆にいじめられることもある。
具体例
共通
- 殴る、叩く、蹴るなどの暴力行為
- 悪口、嘘の噂を広める、からかい(冗談を言っているつもりで中傷をしている自覚がない可能性もある)、度の過ぎたイジり(左に同じ)、説教、嘲笑など、言葉の暴力
- 「心理」の項にもある通り、イジりが過激化していじめに移行するケースもある。「イジりなんて、テレビで芸人がみんなやってるじゃないか」と言う人もいるかもしれないが、芸人はああ見えてトークのプロでありイジるべき時とそうでない時をちゃんと見分けている。「芸人がやっているから自分も」とは考えない方がよいだろう
- 悪口は本人のいないところで言っていじめっ子同士の結束を強めるパターンと、いじめられっ子を追い詰めて楽しむためにわざと本人に聞こえるように言うパターンがある。
- 仲間外れ、集団無視、物を隠す、物を盗む、近くで悪口を言う、バレバレの演技を自作自演するなどの精神的な嫌がらせ
- 相手を陥れるための工作をする(宿題を隠す、大事な報告や連絡をわざとしない、ガスライティングなど。情報操作を平気でする。相手を挑発しわざと殴らせ相手が絡んできた設定にすることも。)
- 人の性格を事実よりも悪く解釈する、成長途中、年齢、性別、体質などでどうしようもない部分をからかうなどの精神的な嫌がらせ
- 人の短所やミスだけに目をつけ、悪意で先生に伝える
- インターネットの掲示板で誹謗中傷、個人情報の晒し行為(ネット弁慶やアンチ等)
- 声のでかい人が自分の罪を声が小さい人、孤立した人がやったことにする冤罪
- 特技、趣味と別のことをやらせる、自分の特技、趣味を押し付ける好みの否定
- 因縁を付けて逆恨みし邪魔したり足を引っ張る
- 特定の人間のみを正論で攻撃し、同じことをしている他の人間のことはスルーする。正論を建前に虐める(→ダブルスタンダード)。
- 金銭、物品の強要、窃盗、脅迫行為
- 服を脱がせる、体を触る、生殖器名・排泄器名を言いふらす、強姦・輪姦・視姦する(させる)、惚れてない異性とくっつけようとするなどの性暴力(男性が被害を受けることも)
- ストーキング、自宅押しかけ、ワン切り、殺人予告
- 山林などの危険な場所に放置する
- 監禁して服従させる、時間を浪費させるなどの虐待
- 周りの人間に分からないような小声で言葉の暴力を振るう。表情も普通の場合が多いため、加害者を誰も加害者だと思いにくい。明らかに喋っていたり口を大きく開けたりしてくれればまだ良心的。(囁き通り魔など)
- ガン見してくる。悪質な場合は、目をそらすなど逃げているのに、それでもガン見してくる。
- 睨んでくる。
- カメラを向ける、カメラによる盗撮、嫌がらせでわざとシャッター音を鳴らす、嫌がらせでわざとフラッシュをたかせる。わざと対象に対して露骨にやることが多いが、歩きスマホのどさくさ紛れに密かにやることも多い。
- ニヤニヤし露骨にバカにする。集団でやることも。
- 目前まで距離を詰める(止まってる人ではなく歩いてる人が寄ってくる場合も)
- 相手が望んでいないあだ名をつけ、その言葉を口に出す(「人」自体につけられたあだ名ではなくても、これに該当する場合がある。)
目上の人間(親、教師、先輩、上司など)によるいじめ
- 人格を無視し、人間性の否定
- 相手に無許可で相手の今後を決める社会性の否定
- 自身に都合の良いルール、思想、信条などを常識として洗脳する。
- 児童虐待、育児放棄
- 時代錯誤な指導など、効率性を無視し体罰や根性論・俺ルールの押し付け。
- DV、パワハラ、モラハラ、セクハラ
- ブラック企業においては労働者や下請けの権利・賃金・時間を不当に搾取する。
二次被害(いじめに対する不適切な対応)
- 苛めを隠ぺいし、「何もなかった」で済ます
- 護身や抵抗、逃亡する事を揶揄したり、相手の落ち度として扱って悪者に仕立て上げ、抵抗や護身の権利や意欲を奪う
- 物理や法律で解決すべき問題を精神論、根性論で乗り切らせようとする精神的虐待
- やりがい搾取など、不当搾取の原因を相手や他社に転嫁するものもある。
その他
- カエルに爆竹を食べさせて爆散させる、犬にチョコレートを食べさせるなどの動物虐待
etc…
いじめはれっきとした犯罪です。絶対にやってはいけません。
なお、以下のものについては特に犯罪性が高いと言える。有力な証拠が提出された時点で警察沙汰は確実。以下のような行為を無理強いされそうになったら、こっそり録音などしておくと後で役立つかもしれない。
- 相手を悪人に仕立て上げた嘘の噂を拡散させ、それを真に受けた人に叩かせる(→ガスライティング。これは信用棄損罪や名誉毀損罪にも当たる。嘘の告訴をした場合は虚偽告訴罪。)
- ネットリンチ
- 金銭、物品の強要、窃盗、脅迫行為
- 服を脱がせる、体を触る、生殖器名・排泄器名を言いふらす、強姦・輪姦・視姦する(させる)、惚れてない異性・同性とくっつけようとするなどの性暴力
- ストーキング、自宅押しかけ、ワン切り、殺人予告
- 山林などの危険な場所に放置する
- 監禁して服従させる、時間を浪費させるなどの虐待
- 児童虐待、育児放棄
- DV
歴史
戦前の日本においては、学校だけでなく、工場や飯場など狭く劣悪な環境に労働者を押し込めて働かせることが多かったので、そのような環境ではしばしば虐めが発生したと言われ、田舎の地域社会でも民衆間で対立が起こった際に、有力者の側に付かなかった側が迫害されることがよく見られ、争いに疲れたり耐えかねて他の土地へ出て行ったり逃げ出す者もいて社会問題になったこともあった。
渡部昇一名誉教授ら一部の言論人の研究によれば、日本において虐めが最も酷かったのは江戸時代における監獄と、明治時代以降の軍隊であったという。
かつての大日本帝国海軍では、下士官兵のいじめは凄惨なものがあったとされ、海軍の歴史において軍艦の原因不明の爆発事故、そしてそれによる沈没が何度も起こっているが、虐めの恨みによるものと噂されている。
ただ、逆に陸軍では海軍ほど隔離された環境ではなく、陸地であるためその気になれば逃げることも容易であり、また兵士は銃を持たされたため、あまり酷いことをすれば恨みを買って、戦地で誤射に見せかけて背後から銃撃される恐れがあったため、海軍ほど酷くはなかったとされる。
また、こうした日本における事例は、世界的に見ればまだかなりマシな方であったらしく、他国(特に欧米・日本以外のアジア)は更に凄惨な虐めが行われていたという。
昭和中期までの場合、いわゆるガキ大将が幅を利かせており、気に食わない相手へのいじめに加担する一方で自分の子分を擁護する面もあったため、子供のみのコミュニティにおいては抑止力ともなっていた。
しかし核家族化が加速した1980年代以降に入ると、バレやすい直接的な暴力よりも、誰が実行したかを特定しづらい精神攻撃へと比重が移っていく。
IT社会への移行が目覚ましくなった2000年代に突入すると、今度はインターネット上の掲示板を利用した誹謗中傷を起点とするいじめが発生し始める。そしてプライバシーを無視したゴシップを垂れ流し、いじめの標的を社会的に排除するというより悪質な方向へと変貌を遂げた。
事件化
近年ではいじめがエスカレートした結果、耐えられなくなった被害者が自殺したり、助長した加害者が殺害までしてしまうケースが増えている。
そうした凶悪事件に繋がった例も後を絶たず、そのいじめの事実が発覚するのは、皮肉にも生徒が死亡して事態が公になった際に明らかになる場合が殆どである。
また、思春期を迎えた青少年の場合はいじめられた生徒が逆上し、反撃で死に至らしめる少年犯罪に繋がるケースも多々ある。
特にこの事件は小中高の同学年によるケースが一番多く、大抵は少年法により14歳未満は処罰されないという理由で犯行に及ぶパターンがあるが、その代償として莫大な慰謝料や人殺しの十字架を背負う事となるので、どのみち許されるものではない。
更に体育系の部活動の場合は上級生らによるいじめという名のしごきによるものが多く、結果的にそれが原因で事故死や過労死に繋がる事になり、反対にいじめられていた下級生らが反旗を翻し上級生らをリンチもしくは乱闘騒動にまで発展し、結果的に部活動そのものが廃部に繋がる最悪な末路にまで追い込まれる事もある。
その場合、スポーツ特待生で入学した者は当然退学となり、スポーツ推薦制度も完全に無くなる為、入学希望者は激減するという学校の存続自体も危ぶまれる事となる。
対策
対処としては、警察や学校、労組・労働基準監督署(労働者の場合)、弁護士、探偵等に相談して法的な対処をとる、縁のない土地へ転居・転職して逃げるなどがある。
一般的に相談は恥だ、弱虫だなどとよく言われるが、それは屁理屈、詭弁である。基本的にいじめに勝つことは不可能であるため、戦うのであれば水面下で密かに周りの人に相談して味方になってもらうのが一番賢明。
弁護士の中にはいじめ等学校の問題を専門に扱っている方もいるので、そういった方に連絡がとれるのであれば有力な選択肢の1つになるだろう。
いじめ等を専門に扱う弁護士の1人の監修の下で制作されたゲームLOST JUDGMENT:裁かれざる記憶の中では、部活など、出入りがある程度自由なコミュニティでのいじめに関しては「退路が断たれる前に早く抜け出し、いじめの存在しない別のコミュニティを探して活動再開の機会を窺う」という解決策が提示されていた。
隠蔽は犯罪
悪質な教師や教育委員会が事件を無視・隠蔽する、有効な対策を行わないといった事例も非常に多いのだが
刑法第239条においては
- 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。
- 官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。
このように公務員には「犯罪だと思った場合」は告発する義務があるため「面倒な仕事を増やしたくない」「てめえらで何とかしろ」といったものは違法行為の犯罪である。警察や児童相談所も同様である。
よくある誤解
「加害者に一理あり、被害者に責任あり」「加害者に背を向けず、仕返しするのみ」といった言説が普及しているが、どちらも誤解である。
まず前者であるが、状況を整理すると実際にその通りであるケースもなくはないものの、「なくはない」程度のことを加害者が大袈裟に言い立てて所謂モラハラの材料にしていることの方が多いと言われる。
事実、職場でのいじめにおいては「職場環境に対して「きつい」「本当に契約書通りなのか」と弱音や疑問の声を吐露したのをあげつらって「責任感がない」「契約違反だ」と脅した」のように、普通に生活していく上で避けることができない類の過ちを大袈裟に騒ぎ立て、相手を恐怖心で屈服させて強引に言うことをきかせるパターンが多いと言われる(今野晴貴『ブラックバイト 学生が危ない』79-89ページ)。
被害者に責任があり、罰を受けるべきケースもあることは事実だが、だからと言って加害者のやり方には何の正当性もない。
なので、こうした誤解に基づいたアドバイスを受けた場合の考え方としては、
「被害者に責任はあるかもしれないが、加害者が問題人物ではないかどうかとは何の関係もない」
「被害者に問題があるから加害者が仕掛けていい免罪符にはならない」
「加害者側の責任をはぐらかすような物言いは信用できない。この人間は加害者にまんまと騙されているか、あるいは普段から責任逃ればかりしている事なかれ主義者かもしれない」
といった形になる。
そして後者であるが、そもそも被害者が圧倒的に不利な状況から始まっているいじめが多いため、机上の空論であり現実的でないと言える。
仮に仕返しや抵抗が可能だったとしても、加害者側が逆恨みで害意や敵意を一層膨らませてゆき、最終的には加害者側全員が再起不能になるまで収まりがつかなくなるケースもしばしば。無論、そんな状況など現実的にまず実現する訳がないため、結局被害者側が泣き寝入りするしかなくなることが多い。
記事冒頭にある通りいじめとは様々な種類があるものであり、「仕返し」することで解決するいじめが無いわけではないが、あくまで一握りに過ぎないのである。
なので、実態を無視したこの手の助言は役に立たないものとして考えた方がよい。
むしろ弁護士などの頼れる味方に縋ること、いじめの場から逃げることの方が遥かに有用な対策なのだ。また、「いじめ」と言うワード自体、先の具体例で挙げられていた事は刑法に則ればれっきとした犯罪にして刑事事件であるため、たとえ相手がどんな人物や状況だったとしても、警察を始めとする然るべき機関が誠実かつ迅速な対応が求められている。
補足
根本的な解決には至らないが、他人の言うことのすべてを真摯に受け止めないように心がけることもいじめを凌ぐ策にはなりうる。
いじめ被害者になる人間の中には、素直・繊細であるがゆえに他人の悪口雑言を真に受けてダメージを負ってしまったり、そのダメージを露骨に表情や言葉で表現したりする者が少なくないが、悪口雑言は言った本人すら深く考えずに「言ったらどう反応するかと思ってとりあえず言ってみた」レベルのものが意外と多い。
また、傷ついたことを表情や言葉で表現することが却って悪口を言った者の嗜虐心を加速させ、事態を悪化させることもある。つまり加害行為に誠実に向き合えば向き合うほど、無駄なエネルギーを注ぐことになる(俗に言うエナジーバンパイアである)。
そこで、ひどいことを言われても「冗談で言ってるのかもしれない」「口悪すぎだろコイツ(ら)」「調子に乗って言い過ぎているな」などなど、その悪口を自己評価とは結びつけすぎないよう心がければ、ダメージを減らすことが可能となり、いじめっ子たちの増長も防げる。
この策は、親などに相談した際に心ない言葉(前述の「やり返せばいい」「お前に責任がある」等)を言われた際にも有効。親や教師が必ずしも理解者になってくれるとは限らず、中には年齢相応の成長が無い者も混じっている。言われたことを素直に鵜呑みにするのではなく、「これだけ言ってもわからないなんて頼りにならない奴(ら)だ」と考え直すことで、やはり心に負うダメージを軽減することができる。
とはいえ味方が一人もいない状況は堪えるだろう。そうした場合はいじめを無くすことより、子供なら親の力を借りて、ある程度成人した人なら一人で転居し、問題の学校や職場を去るのが一番である。
いじめに無力・無関心な学校はいずれ崩壊を免れず、況して被害者が居続ける価値は無い。名門校で同様の事態があればそれが“実態”であると言える。
同じくこの世に一人しかいない自分を犠牲にしてまで職場に忠誠を誓う必要は無い。大切なのは被害者含む各々が安心して働ける環境を見つけることである。
またいじめは我々一般人や有名人(芸能人)は元より天皇陛下を始め皇族の方々も宮内庁内外でいじめ被害を受けたケースがあり、皇族の場合憲法で定められてる人権が無いゆえに、我々が想像を絶するくらい相当なダメージを受けていると皇室ジャーナリストの山下晋司氏は語る。またその影響かは定かではないが2022年天皇陛下誕生日記者会見で名指しは避けるも相手の立場を考えてほしいと異例のお言葉を述べたのが記憶に新しい。何故ならば天皇陛下は中立的立場であり、例え被害者でも加害者でも救いたい気持ちがあり、誰もが安心して暮らせる社会を望んでいるからだ。
ここでご覧になっている諸君、いじめは犯罪である。それを平然とできる者は決して普通の状態ではなく精神を病んでいる証だということ、そして被害者が加害者を赦すことは絶対に無いということを踏まえ、専門機関のケアを受けない限り社会の害毒であり続けるというのを知っておいて欲しい。また天皇陛下を始め皇族方が相手の立場を考えてほしいと述べたのは誰もが被害者になったり、加害者になる可能性があり、人を呪わば穴二つになりかねないからだ。
さもなければ早かれ遅かれ関係無く社会的制裁や前科といった因果応報を受ける可能性がある。
そうでなくても寿命が来てあの世へ行き地獄に堕ちた時、閻魔大王にこの世での行いを裁かれ罰を何兆年に亘って受けることになるだろう。
そしていじめられる君。君だけが追い詰められる事態は絶対にあってはならない。一番は逃げること。誰も頼りにできない状況であっても、自分だけは味方になってくれる筈だ。苦しい世界の外には君が笑って暮らせる世界がきっとある。“楽になる”世界より、“楽しい”世界で加害者たちより満たされた日常を送ることが彼らに対する最強の復讐であり、彼らより遥かに価値ある人生を歩むことが何より意義あることなのだと気づいて欲しい。
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ごめんで済んだら警察はいらない:いじめ被害者やその親族にとって決して許せない危害を加えておきながら、謝る(反省する)だけで許してもらおうとする(許される)いじめ加害者に当てはまる語句。
イジメ、ダメ、ゼッタイ:BABYMETALの楽曲。
ネット暴力 ネットいじめ ネットリンチ 誹謗中傷サイト:おそらくいじめで(悪い意味での)上位版
炎上 特定 刑罰 逮捕 制裁 成敗 因果応報 自業自得 天罰 祟り:加害者の末路の候補。
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