概要
ケチとは、以下のような意味である。
- (わずかな)金銭・金品を惜しがって出さない事。卑しい事。又、そういう人を指して言う。しみったれ。吝嗇(りんしょく)。
- 心が小さい、狭い事。気持ちや考えが卑しい事。それに伴って行動も消極的である事、もしくはその様。「-臭い」とも。
- 縁起の悪くなるような嫌なことを言うこと。難癖をつける。
語源
「けちを付ける」「けちが付く」の語源と同じく、不吉なことを意味する「怪事(けじ)」が訛って「ケチ」になったとされ、江戸時代以降、ケチは「粗末で貧弱な様」「卑しい」等の意味を持つようになり、現在の意味に転じていった。
又、別の説では『経理の知恵』を略した『経知(けいち)』とも言われている。
比較
「ケチ」と「節約」は、コストを減らすと言う共通する意味を持つ。
しかし、両者は次のような大きく異なる意味を有している。
「ケチ」は、必要な支出・労力・時間などを削り出し惜しむ事を意味するのに対し、「節約」は必要な出費に備えるべく浪費や無駄を省く事を意味する。
つまり、「後々の使い道」を想定した余剰資金の貯金、無理のない出費の削減は「節約」だが、貯金・出費の削減自体が自己目的化しているか(そもそも使うつもりがない)、あるいは本来必要な経費すら負担を渋るようになっていれば、それは「ケチ」を意味する。
出費を減らす事は有効な方法になりうるが、ベクトルが誤っていたり、度が過ぎると不利益を被る原因になってしまう。
「ケチ」と「守銭奴」も支出を惜しむ点では似ているが、守銭奴の方がより収入や所得を増やしてお金を貯め込むことにも目がないという違いがある。