日本の教育委員会
都道府県や市町村などに置かれる、複数の教育委員からなる委員会。代表として教育長を置く(2015年までは事務責任者の教育長とは別に委員会の代表者の教育委員長が置かれていた)。委員は首長(都道府県知事、市区町村長)が議会の同意のもと任命する。
学校行政のほか、スポーツ、文化施設(博物館や図書館や公民館他)、文化財、生涯教育などを司る。本来は委員会のみを指すが、教育委員会のもと実務を担当する事務局を含めて「教育委員会」と呼ぶことも多い。事務局を「教育庁」などと言い換えている自治体もある。
第二次世界大戦後、文部省(現文部科学省)の権限削減と地方分権を求めるGHQの要請により、アメリカ合衆国の教育委員会制度をモデルに設置された。当初は一般行政からの独立性確保のため、委員は市町村議会とは別に公選されていたが、教育行政に議会と同様の党派対立が持ち込まれたため首長による任命制に切り替えられた。
一部の自治体では、文化・スポーツなどが首長部局に移管され、教育委員会は学校行政だけの権限を持つ機関になっている。
一部悪質なもの
一部の悪質な教育委員会において、いじめなどを平然と無視・隠蔽したり問題を突っぱねる、証拠隠滅を図る、「第三者委員会による調査中」などと往生際が悪く抵抗する連中もいるが、公務員には「犯罪と思ったら告発しなくてはいけない」といった義務がある(刑法239条)ため、無視・隠蔽したり問題を突っぱねる時点で犯罪である。
ちなみに弁護士などを連れていくと適当に対処することができないためビビる。
アメリカ合衆国の教育委員会
日本の教育委員会は「都道府県及び市区町村」ごとに設置されるが、アメリカは「州及び学区」という違いがある(アメリカでは上下水道や公園の管理、警察などが市や郡とは独立した区分けになっていることも多い)。このため日本に比べ一般行政からの独立性が強く、州知事による任命制が採られている教育委員会でも不祥事を起こさない限り解任されないなどの規定があったりする。
韓国の教育委員会
韓国の地方教育行政は、執行機関として教育監(独任制)その下に教育庁が置かれ、教育委員会は、審議・議決機関として設置されている。
教育監及び教育委員会が設置されているのは、ソウル特別市、広域市(日本の政令指定都市に相当)、道(日本の都道府県に相当)のみで、市郡等には出先機関として教育支援庁(長は教育長)が置かれる。
日本のように、行政委員会ではなく議決機関として設置されているため、教育費(特別会計)の予算案や条例案は、教育委員会の議決を得ないと地方議会に諮る事が出来ない。