概要
- Domestic Violence。夫婦間の家庭内暴力。本項で解説。
- 映像記録用磁気テープ(いわゆるビデオテープ)の規格の1つ。ビデオテープの項を参照。
- 『まんがタイムきらら』のキャッチコピー「ドキドキ☆ビジュアル(Dokidoki☆Visual)」の略。
解説(家庭内暴力)
ドメスティックヴァイオレンス(domestic violence)の略である。
同居関係にある配偶者や内縁関係などのパートナーから受ける家庭内暴力を指す。直訳すると「家庭内暴力」だが、親子間や兄弟姉妹間などの家庭内暴力行為は含まない。
狭義では身体的な暴力を指すが、広義では性的暴力や精神的虐待(モラルハラスメント)や経済的圧力(生活費を渡さないなど)なども含まれる。
夫から妻への暴力を思い浮かべるだろうが、現代では妻が被害者となる場合と夫が被害者となる場合がほぼ50:50である。しかし『肉体的に強い男性側が加害者である』とするレッテルや偏見から、『被害者はいつも女性』との誤った認識が生じていることに加え、「男性は女性を守るべき」という旧態的価値観の影響で我慢しなければならないと思い詰めてしまう男性も多く、女性だけが被害者と言う認識は実態に沿うものでなく明確に誤りである。
更には男性が被害を訴えても「男性の方が力が強い」「女性の全てを受け入れる包容力が男の器だ」と言われ、警察や相談所、DVシェルターがまともに取り合わないケースが少なからずあり、こうした点から男性被害者の潜在的DVは数字ほど取り上げられていない。
実際、身体的な力関係さえ抜きにすれば女性でも男性を殴り倒すこと自体は十分可能である。
その一方、お互いがお互いに反撃し合い、両方が被害者であり加害者でもあるケースも決して少なくはない。
またDVは児童虐待を併発する場合も多く、そうでなくとも子供の前での夫婦喧嘩そのものが子供にとって強烈なストレスであり、脳に萎縮を起こす有害因子ともなり得る。
その意思が親に無くとも、立派な虐待(精神的虐待)である。
家庭内暴力は離婚の大きな要因となっているが、性差はないとされ、配偶者からのたび重なる嫌がらせや精神的虐待に耐えられずに「性格の不一致」を表向きの理由として、離婚や殺人等の事件に至る実例も多い。また家庭内暴力ではないが、同居していない恋人間で同様の行為がなされる事態も(いわゆるデートDV)。
DVの加害者には“相手に暴力(精神的暴力を含む)を振るった後に優しくなる(ハネムーン期)”行動パターンの者も多く、傷ついて優しさが欲しい時に手を差し伸べる役を加害者が兼ねてしまうことで、被害者はその混乱や優しさにほだされてしまい、被害者側が周囲の「別れなさい」との説得に素直に応じず、共依存状態になってしまうケースもよくある。
『被害者側をシェルターに逃がす』などの救済策も各種福祉方面から採られているが、加害者側に対しても近年ではグループセラピーやカウンセリングなどを行い、暴力を自制できるようにするプログラムも行われつつある。毒親(または毒家族)と同じく「虐待の連鎖」が起こり易く、加害者もまた親のDVを見て育っているケースがしばしばある。
DV家庭の出身者は、その家庭環境の潜在的学習により「DV被害者」あるいは「DV加害者」にもなり易く、また結婚や恋愛あるいは性行為に対して、異常な恐怖や嫌悪をも起こし易いため、夫婦だけでなく子どものカウンセリングも行う事が望ましい。
こうした事情(恋愛嫌悪・家庭嫌悪・性嫌悪の世代間継承の誘発)から、少子化の原因の一端としても指摘される。
日本以外でも深刻な問題の1つであるが、地域によっては宗教や因習により女性への暴力が容認されがちなところもあるため、そもそも問題と認識されていない場合もある(これに関してはポリティカル・コレクトネスにも関わる)。
一応、行政も「DV等支援措置」を行い住所の秘匿や当事者間での連絡及び接触を禁止しているものの、DVの真偽自体の精査を必要としていないため、虚偽の申告も通る場合がざらにあることから、制度の欠陥を指摘する声もある。
DVを行う人物の特徴
※これらの特長を全て持つ者もいれば、これらの特長のどれかを併せ持つ者、これらの特長の1つだけでもそれが重篤化して行動に至っている者などがおり、またこれ以外の要因もありうる。
プライドが高い
最も代表的な特徴である。常に自分の自慢話をしたり、何かトラブルがあって自分自身に非があっても絶対に謝らず、むしろ詭弁や屁理屈を並べ立てて「相手の方が悪い」と終始する。
自制心に欠けている
自分の価値観や思想に反する相手が許せず、暴言、暴力に訴えてしまうが、加害者本人にしてみれば「何としても相手を正したい」「教育しなければ」「自分が導かねば」などの(誤りかつ独善的な)使命感や正義感が暴走した結果なので、加害者に罪悪感どころか良心の呵責すらない。
相手によって態度が極端に変わる
自分より見るからに弱い立場の者には高圧的な態度を取るくせに、逆らえない相手にはひたすらへりくだろうとする情けなさを見せる。家庭問題に介入してくる警察、弁護士、支援業者相手には人格者を装い、自分の正しさや配偶者のダメっぷりをアピールする。
同情をひこうとする
自分の過去等をひけらかして、自分が「悲劇の主人公」だとアピールし、相手に良心を動かさせようとする。
過去にいじめや嫌がらせの加害者、または被害者だった
幼少期からのいじめや嫌がらせの加害者、被害者の人間の殆どは、心に傷を負ったまま大人になるので、健全な人間関係を築けない。また、この場合だと『暴力以外のコミュニケーションを知らない』事情もあり、故に暴力を振るい続けてしまう。
自らの親世代家庭そのものがDVによって成り立っていた
上述のように自身の成長における最大のサンプリング相手である親がDVを行っている者であった場合には、自身の持つ「人間としての基盤」「正常な家庭の在り方のサンプル」にDVがある状態が刷り込まれてしまう。つまり無意識下に家庭の運営においてDVを行うのは当然の事という精神規範が歴然として常駐してしまう。ゆえにDVに対する精神的ハードルが、そうでない人よりも低く、家庭運営に追い詰められると、その是正手段として安易にDV行動に出てしまう。
支配欲が異常なまでに強い
常に自分の思い通りにならないと気が済まず、相手の私生活や人間関係にまで逐一口出しし、最悪の場合はその関係を壊す為に悪質な行動に出るケースもある。これは相手を信用できない自分の弱さの裏返しである。また、愛情に対する間違った刷り込みもDVの遠因となることもある。
また、アルコール依存症や薬物中毒によりストッパーが働かない状態になり、DVを行うようになる実例も多い。
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