ピクシブ百科事典

ポリティカル・コレクトネス

ぽりてぃかるこれくとねす

ポリティカル・コレクトネスは、人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まないとされる、中立的な表現や用語を用いること。英:political correctness
目次[非表示]

概要

日本語では「政治的正しさ」と訳されること、あるいは短縮して「ポリコレ」「PC」と呼ばれることが多く、政治的な話題が語られる場において、人種宗教性別などの違いによる偏見差別を含まないとされる、中立的な表現や用語を用いることを言う。

創作でもアメコミを中心にポリティカル・コレクトネス(PC)に配慮するケースは少なくない。PCはリベラル思想的背景を持ち、フェミニズムLGBTや宗教的少数派などのマイノリティへの理解や連帯を支持する思想と親和性がある。
こうした背景からマイノリティ基準の作品では取り上げられにくかった題材や、とりあげても正確性や配慮に欠けていた側面がフォローされることに繋がった。

主人公や主要メンバーを女性とする(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』など)。

日本などの外国で作られた作品をリメイクする際に男女比や人種などの設定が変更されることがよくある。
pixiv的に馴染みの深い例はパワーレンジャーシリーズで、そのために原作が男性キャラだったのが女性になっていたり、スタメン全員が実兄弟のマジレンジャーゴーゴーファイブ、親族であるニンニンジャーなどはオリジナルから設定変更を余儀なくされている。

このほか「多人数の実兄弟ものが作りづらくなる」「昔の時代設定の作品内の言葉遣いや倫理観を現代の価値観によって変更(ドラマ版『氷と炎の歌』での結婚年齢など)」が行われている。

「昔ながらの従属的な女性を否定するあまり、強い女性ばかりが出てくる」「人種を均等に入れなければならないのでグループもののメンバー構成が似通ってしまう」といった、多様性とは程遠いテンプレート化も見られる。

また、ただ多様な人種を出すだけでは、既に批判を受けているマジカル・ニグロ白人の救世主等の焼き直しになりかねないため、登場させた多様なキャラクターは人格を深く掘り下げる事が望ましい。

発祥

元は人種平等が叫ばれるようになった1980年代以降のアメリカ合衆国において「政治の話題が語られる場」における「特定の人種に対する差別」を防ぐという理由から、そうした意味を含む可能性がある言語表現をしないようにするべきという意識の高まりから使用されるようになったとされる。

推移

1990年代以降には人種に止まらず、宗教性別、更には職業文化民族障害者年齢婚姻に至るまで、同様の配慮が求められるようになり、中にはそのあまり自主規制されるに至ったものもある。
PCとは、「適切な表現」の追加だけでなく「不適切な表現」の除去や自粛、という性質も持つという顕れと言えるだろう。

反発

女性やマイノリティ側にとっては創作活動や自分達がそこで望む形で表現されるチャンスであるが、保守的な男性のマイノリティ側にとっては文章画像映像などの製作における表現が制限される、という事にも繋がる。映画業界などのリソースも無限ではないため、単純に「パイが奪われる」状況にもなる。

古い題材や過去作は、リメイク、リブートの際にPCの要素を入れた場合、旧来のファンとの衝突事件が起きることもある。
ゴーストバスターズ』の2016年の実戦チームが全員女性となったリブート作においては出演した黒人女優レスリー・ジョーンズに強烈な人種差別の反応が殺到するという事態となった。
映画『Rub and Tug』では「実写映画の配役に当たってトランスジェンダー役を「実際のトランスジェンダーの役者が演じるべき」と個人や団体が抗議する」という反対が起こった(演じる予定だったスカーレット・ヨハンソンは後に降板を表明した)が、この際にも反対を口にした当事者への攻撃が起こっている。こちらはトランスジェンダーの俳優は他に仕事がふられる事がシスジェンダーの役者より少ない、という状況が背景にある。PCを背景とした騒動は、作品や法律で差別反対を盛り込んでも変わりきれない社会の矛盾の噴出という側面を持つ。

PCの推進

PCはしばしば言葉狩りの原因の一つになる。伝統的な表現も例外でなくなるが、伝統的な表現なら可とすると、差別語の中には19世紀より前に遡るようなものも存在する。
「差別の意図は無い」を例外とする場合、差別の多くは「差別の自覚なく行われている」という問題がある。
線引きの違いにより、「それも差別」と認識するなら、そうする側にとって除外すべき表現とすることに変わりはなくなる、ということである。

中には「当事者が別に差別だと思っていないことを第三者がいちゃもんをつける」本末転倒な事例もあり、ボストン美術館で「欧米人が着物を着用することが文化盗用で差別」と日本人ではない層に抗議され和服着用イベントが中止になった際には日本人から多くの困惑の声が上がった。
これも、民族衣装を他民族が身につけることを「文化盗用」とする規範が背景にある。実際に「アメリカ・インディアン(ネイティブアメリカン)」の各部族が白人が先住民の服装や装飾を身につける事を問題にした例は存在する。これを他の文化に適用したケースと言えるだろう。

また影響を受け日本国内でもフィクションの諸作品に対する評価を「ポリコレに合致しているか」のみで行おうとする層がおり、個人的な作品の好みの主張をポリコレと一体視した上でとなえる者もいる。
逆に「ポリコレに負けない」事を評価軸として出す側の者も存在する。PCに基づく自主規制や要求による変更はそうした側の人々を刺激しやすい案件でもある。
このため度々SNSなどで激しい論争を引き起こすことがある。
一例としてはこの項目などを参照。

言い換え

例えば日本語で「~婦」といった職業名称が「~師」に言い換えられるなどの影響があったりしたとされる。

落とし穴

年々規制が進む一方で、是正はあくまで活動家の判断において行われるため、たとえ明白な差別や偏見であっても、政治的理由によって無視されるケースは少なくない。
米国社会においても、女性や黒人、先住民族に対する偏見は厳しく取り締まられる一方、白人男性や警官に対する偏見は問題と見做されていないのが現状である。

日本に対する表現もPCの範囲外と見做される事が多く、前述のように和服着用イベントが「盗用」として糾弾される一方で、日本それ自体をステレオタイプで表現する行為は必ずしも問題視されていない。
前述『怒りのデス・ロード』は原作・コミカライズともにジェンダー面でのPC配慮を高く評価されたが、作中で放射能汚染を受けた戦闘員が「fuck」の代わりに「福島(fuc-ushima , fucacima)」と幾度も叫ぶなど、日本に対するPC配慮はなされておらず、海外でも特に問題視はされていない。
インターネット上でも「美形アニメキャラは日本人に見えないため、目を小さく肌を黄色く描くべき」という差別的な言説がPC目的で発されるなど、本末転倒な状況が続いている。
(逆に問題視された例としては、『ティファニーで朝食を』の日本人「ユニオシ」が差別的表現と見做された例がある。)

関連タグ

政治 言語 表現
差別 偏見 ヘイト 本末転倒

外部リンク

wikipedia:同項目
ニコニコ大百科:同項目
kotobank:ポリティカルコレクトネス

関連記事

親記事

差別 さべつ

子記事

兄弟記事

pixivに投稿された作品 pixivで「ポリティカル・コレクトネス」のイラストを見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 17380

コメント