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表現規制

ひょうげんきせい

「表現規制」は、社会通念上好ましくないとされる表現を法令などで規制すること。
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概要編集

人権を侵害したり、著作権を侵害したり、宗教的規範に反したり、犯罪などを誘発しかねないとされる表現に対する規制である。


国家による表現規制は、日本国憲法第21条第1項において規定されている国民の権利である「表現の自由」と真っ向から相反することであるため、「わいせつ物頒布等の罪」を定めた刑法175条などはしばしば違憲論が取り沙汰されるものの、チャタレー事件等で合憲とする判例が出ている。また、裁判所により出版物の印刷、製本、販売、頒布等の仮処分による事前差止めが命じられることがあるが、行政機関が主体となって行なっていないため検閲には当たらないとされる(北方ジャーナル事件)。


日本国憲法 第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 ②検閲は、これをしてはならない。 通信の秘密は、これを侵してはならない。

アメリカ合衆国では、合衆国憲法修正第1条で信教の自由、報道の自由、平和的に集会する権利、 請願権を妨げる法律の制定を禁止しており、ここで表現の自由についても保証していると解されている。


アメリカ合衆国憲法 修正第1条 連邦議会は、国教を樹立し、若しくは信教上の自由な行為を禁止する法律を制定してはならない。また、言論若しくは出版の自由、又は人民が平穏に集会し、また苦痛の救済を求めるため政府に請願する権利を侵す法律を制定してはならない。

一方、米国では1980年代後半から人種差別女性差別のもたらす社会的害悪を根拠に、「マイノリティに対する差別的な表現」の規制を正当化する議論が目立つようになってきた。しかし司法ではヘイトスピーチ規制などが政府による思想の自由市場への介入であり違憲無効だとする判例が出ている(ヘイトスピーチの記事を参照)。


なお、表現規制論の根拠の一つとして、「暴力表現や性的表現が犯罪や性的逸脱を誘発する」というものがあるが、多くの犯罪統計において、「表現規制が強化されると性犯罪が増加する」という傾向が示されている。ただし、これが「ポルノの性犯罪抑制効果」によるものかどうかは議論がある。


民間主導による表現規制編集

国家による表現規制には当たらないものの、決済ブランド(クレジットカード会社)から電子書籍などのコンテンツ配信業者に対する成人向けコンテンツなどへの締め付けが厳しくなっており、PixivなどのUGC(User Generated Content、ユーザーによる投稿コンテンツ)プラットフォームもその影響を受けるようになってきている。

これはカリフォルニア地方裁判所で児童ポルノ売買の決済にクレジットカードが使われた際にクレジットカード会社にも責任がある、という判決を下した影響と言われており、間接的にだが国家(司法)による規制とも言える。


主な表現規制編集

法令による規制編集

刑法

第174条の「公然わいせつ罪」と第175条「わいせつ物頒布等の罪」により規制される。裸体を扱った作品で局部への修正が必要な理由にもなっている。


児童ポルノ禁止法

成人していない児童に対する性的虐待性犯罪を防止するための法律である。日本では二次元の絵に関しては「被害者」が存在しないため、現状は規制対象とはされていないが、今後は諸外国と同様に二次元も規制対象とすべきとする意見も根強い。しかし、反対意見としては「二次元を規制対象とすると警察のリソースが二次元の創作物の規制に割かれ実在児童の被害者の保護がおそろかになる危険がある」「規制対象は『実在児童の性的虐待の記録物』に絞り、被害者主体の児童ポルノ禁止法にすべき」との意見がある。


著作権法

知的財産権の一つである著作権の範囲と内容について定める法律。二次創作が海賊版とみなされることがあるが、著作権侵害は親告罪であるため、権利者が問題視しない限りは(グレーゾーンではあるが)二次創作同人誌などは咎められないことが多い。

また、二次創作の存在が原作の宣伝になるという考えの元、二次創作容認を公言しているメーカーや原作者も少なくない。

一方で二次創作(主にエロパロの類)が原作のイメージを損なうとして明確に禁止しているケースもある。


個人情報保護法

生存する個人を特定できる情報である「個人情報」の取り扱いを定めた法律。マスコミ・著述業関係、宗教団体や政治団体などは表現の自由との兼ね合いから「適用除外」を受けている。


業界による自主規制編集

言葉狩り

テレビなどでの差別発言を禁止する自主規制。しかし、差別されているとされる側の「この表現が不快である」という主観的感覚にもとづいているため、差別されているとされる当事者の発言は許容されることが多い。


レイティング

作品を閲覧できる年齢を定めた自主規制。年齢指定。日本では、映画における映倫や、コンピューターゲームにおける「CERO」などの「業界団体によるレイティング」が導入されている。

要は公的機関による検閲が憲法などの法律で禁止されている場合のレイティングは「業界団体による自治」で行なうしかなく、逆に、独裁政権により統治されている国(中国サウジアラビア、1980年代の民主化前の韓国など)では、日本における映倫に相当する機関は業界団体ではなく公的機関となる。


二次創作ガイドライン

著作権者側で設定した二次創作に関するガイドライン。詳細は当該記事を参照。


決済ブランドによる表現規制

国際クレジットカードブランドによる自主規制。「決済仲介停止」と圧力をかけてプラットフォームに対して事実上の表現規制をさせる。FANZAやpixivもその影響を受けた。

クレジットカード会社の表現規制に対して弁護士に金払って相談するこ


関連タグ編集

憲法 表現の自由

児童ポルノ 児ポ法改正反対

非実在青少年 非実在青少年規制 青少年健全育成条例反対 東京都青少年健全育成条例改正案

【規制反対】 架空創作表現規制反対

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