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概要

中東にあるアラビア半島の大部分を占める国家。

人口はおよそ3,300万人。

しかしこの中には外国人労働者が多く含まれ、サウジアラビア国籍を持つ者は限られる。


首都はリヤド。

世界の代表的な産油国の一つであり、サウード家がイスラム教と絶対王制に基づき支配する、現代ではまれな専制政治を採用する国家の一つである。イスラム教の聖地であるメッカメディナがある。


外交

G20の一員であり、中東の主要国として大きな影響力を持つ。

同じイスラム教国家でも、宗派・民族・国家体制の異なるイランとは不俱戴天の敵同士とも言える関係。

一方、同じくイランと敵対するアメリカとは経済・軍事の両面で親密である。建国を支援したイギリスとも手を結んでいる。


サウジアラビアは無慈悲かつ強硬な外交でも知られ、自らを批判する勢力を許すことはない。カナダがサウジアラビアの人権問題を糾弾した際、サウジアラビアは「お?俺と戦争するか^^?」という態度を見せ、慌てた米英が仲裁することになった。

しかし、サウジアラビアは軍事力及び人口資源において中東の大国であるトルコエジプト、イランには遠く及ばず、石油資源に極度に依存した体制をとってきた。このため近年では、シェール革命が起こったアメリカが急速に産油国への配慮をしなくなったこともあり中東における地位は揺らぎつつある。


日本は石油の調達をサウジアラビアに依存しており、経済的な関係を強化している。しかし文化面では流石に違いが大きいため、王室同士の交流はやんわりと避けている。


ウクライナ侵攻ではロシア側の行動を静観する立場をとっている。

そのウクライナ問題を受けてなのか従来の親米姿勢を一転して中国に接近し、上海協力機構の対話パートナー国の加盟申請しようとしている。

現在は申請手続きを行う模様。


内政

サウジアラビアの国名が意味するところは、「サウジ=サウード家」の「アラビア」である。つまりサウード家による絶対王政であり、国政選挙が存在しない、現在では稀な国の一つである。三権分立も近代的な憲法もなく、サウジアラビアはクルアーンとハディース、スンナ(ムハンマドの言行録と慣行)をベースに統治が行われる。

近隣の中東諸国のうち、国家元首が「王」ではなく「首長」なのはサウジアラビアに配慮して王を名乗ることを憚っているという話もある。

サウジアラビア国籍を取得するにはイスラム教への改宗が義務づけられており、信教の自由はない。


裁判はアラビア語で進められ、被告がアラビア語を理解しなくても関係ない。そのため、うかつにイスラム教の戒律に触れてしまうと拷問で極刑に処される可能性もある。


1992年に制定された法律により、王を継承できるのは初代国王アブドゥルアズィーズの男系の子孫であると定められている。しかし一夫多妻が認められていることもあり歴代の王子の数はべらぼうに多く、故に王子だからといって安穏とはしていられない権力闘争も起こっている。


公開処刑がいまだに行われているのも特徴。家族の名誉を汚した者(主に女性)を殺すという理由で面目を保つ「名誉殺人」もまかり通っている。具体的には婚姻拒否、強姦を含む婚前・婚外交渉、駆け落ち、その他男女間のトラブルになった場合、女性がその親族から殺害されるというケースがある。

イスラム教においては、正式な裁判を経ない私刑行為、男女同刑とされている刑罰の不履行は違法とされており、名誉殺人は中東古来の風習という理解が一般的ではあるが現地の人々がイスラム教の戒律と混同していること、シャリーア上罪によっては被害者の性別で罪の軽重が存在することがそれを助長させているのではという主張もある。

なお、こうしたことは中近東から遠く離れた地域であるインドネシアマレーシアなどではほとんど起こることはない。


尤も、こうしたことはサウジアラビアに限ったことではなく、中東のイスラム諸国の多くは同様である。また、他の国々はサウジアラビアからの経済制裁や軍事衝突を恐れ、サウジアラビアの保守的な政治状況を批判できないでいる。サウジ皇太子によるジャーナリスト暗殺事件疑惑に端を発したアメリカによる思い切った人権問題批判は、先述のサウジアラビア中国接近への背景ともされている。


経済

経済のほとんどを石油に依存している。そのためサウジアラビアのGDPは石油の価格によって大きく揺れ動きやすい。国民生活は豊かであり、税金と呼べるものはザカート税(困窮者救済税)と消費税(15%)のみであり、それで医療費や教育費が無料なため、それゆえスウェーデン以上に国民の購買力が高い。サウジアラビア国籍を持つ者は手厚い福祉を受けられるが、外国人はそうでもなく、所得税が課される。

働かなくてもある程度生きていけるため女性の社会進出が進まない。それどころか男性でも働いてない人は多い。


一方で石油で得た収益を元手に他の産業の育成も行っており、長年に渡る育成政策の甲斐もあって石油が占める割合こそ大きいままではあるが工業(石油化学工業が中心)や農業も経済でより大きな地位も占めるようになった。石油による収益は莫大な外貨も齎しており、サウジアラビア政府はそれを世界各地で投資して運用している。

2016年には改革プラン「ビジョン2030」が発表され、観光産業やエンターテインメント産業、IT産業、半導体産業などの育成を目指すこととなった。


社会

娯楽

ギャンブルポルノ、「偶像崇拝」とみなされる物品の所有・収集、魔術、イスラム教(特に国教であるワッハーブ派)やその開祖ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフへの批判が禁じられている。また王家への批判も厳禁。


宗教警察が日々目を光らせており、戒律に反する事柄への弾圧は厳しい。例えば酒が存在しない。どれくらい徹底しているかというと、闇市場が存在しないくらい。


昔に比べて大幅に緩和されたとはいえ、他国の常識では考えられない理由での処罰、国外追放などを行うことが度々ある。2013年にはアラブ首長国連邦から来ていた3人の外国人男性を「イケメンすぎて女性達を惑わす」との理由で国外退去処分にして話題を呼んだ。このうち1人はイラク人のモデル兼カメラマンのオマール・ボルカン・アルガラであり、この騒動が縁で日本のイベントに呼ばれたりもしている。


一部クルマ好きの間ではとてつもなくぶっ飛んだ、しかも日本のそれとは全くスタイルが異なるドリフト(いわゆる「サウジドリフト」)が行われる地としてその名が知れ渡っている。

しかしマナーは悪いらしく、怖い怖い、車怖い。最悪のドライバーが多い民族トップ10の9位にランクインされるなど無謀な運転が多い。


宗教

イスラム教は主に「スンニ派」「シーア派」の2つがあるが、サウジではスンニ派を国教としており、それ以外の宗教の信仰は極めて制限される。例えば他宗教の聖典や宗教用具を持ち込むことができない。同じアブラハムの宗教の聖典である聖書でさえもである。

それゆえ日本からの直行便はなく、観光目的では団体ツアー以外はお断り。上記から想像できるように、渡航危険区域にも指定されている。イスラム教の聖地メッカがあるため、イスラム教徒=ムスリムは巡礼目的での入国が許されている。たびたびムスリムでない者が変装してメッカに忍び込んでは、逮捕されて処刑あるいは厳罰に処されているとのこと。


国旗に書かれている文字は、イスラム教に入信するときに唱える必要のある一文で、「アラーのほかに神はなし。ムハンマドはアラーの使徒なり」を意味している。つまり国旗そのものがイスラム教と密接につながったものであり、半旗にすること・縦向きで掲示することが禁じられている。


女性

(西洋の価値観で見た場合)サウジアラビアは男尊女卑の国と見做される。女性は肌を露出することが厳禁とされ、外出することすら自由にできないため肥満が国家的な問題となっている。また、教育の機会が十分に与えられているとは言い難い。車の運転免許を持つことすら禁止されていたが、2019年から緩和された。


そのほかの文化

インターネット上の検閲が行われており、宗教上好ましくないと判断された雑誌やアニメゲーム映画は発禁処分や配信停止となることもある。ポケモンもその1つであった。しかし年々緩和傾向にあり、日本のアニメも普通に放送されるようになったという。そして、アニメエキスポも開催されており、なんとラブライブ!フィギュアも販売されていた(上記のように偶像崇拝は禁止なため、日本のようなことはできない)。現地の声優によって現地語版も作られているらしい。

一番人気の日本アニメはキャプテン翼である。


ワッハーブ派

サウジアラビアはイスラム教のスンナ派に属しているが、スンナ派でも最も過激なワッハーブ派を国教としている。

スンニ派のハンバル学派に位置する宗派として紹介されることが多いが、全てにおいて同じというわけではない。スンニ派の代表的な他の法学派とも教義解釈が異なっている。

オスマン帝国統治時代のイスラム改革運動に由来し、思想的リーダーはムハンマド・イブン・アブド・アルワッハーブという人物でワッハーブ派という名称はここからきている。

彼はスーフィー実践者イブン・タイミーヤの影響を受けつつも、スーフィーを否定するに至った。

ワッハーブは四学派の一つ「ハンバル派」のムスリム出身であり、彼自身もそう考えていたが、

彼の弟スライマン・イブン・アブド・アル=ワッハーブをはじめとするイスラム学者たちはこれを否定した。現代でもワッハーブ派を否定するスンニ派ムスリムがいる。


ワッハーブはサウード家(現在のサウジ王家)という支援者を得、ワッハーブの教義解釈に帰依したサウード家は彼らとワッハーブ派に従わない他のムスリムを攻め、勢力を拡大した。

その渦中で他のイスラム諸国には一般的な聖者廟などの聖地をも偶像崇拝の産物として破壊し、ワッハーブの考える「本来のイスラーム」を実現しようとした。


尚、サウジアラビアはISIL支援国家の1つでISILにもワッハーブ派の影響があるのではないかと指摘されている。

因みにISILはサウジアラビアの国教と同じくスンナ派である。


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