概要
トルコ・イラク北部・イラン北西部・シリア北東部からアルメニアの山岳地帯に在住する民族で、総数はは2,500万~3,000万人と言われている。彼らの居住地域を「クルディスタン」と呼んでいる。イラク、シリアの国内にはクルド人自治区があるが、クルド人単独の国家は持たない。12世紀から13世紀にかけて興ったアイユーブ朝の王家はクルド系であった。
トルコやイラク国内ではクルド人の独立国家樹立を目指す政党も活発に活動しており、トルコ政府とは特に激しく対立している。イラン・イラク戦争の際にはイランに加担するとみなされて、サッダーム・フセイン率いるイラク軍からサリンを含めた化学兵器による攻撃で大量虐殺の被害を受けた。
トルコ政府との軋轢に加え、中東の政情不安などもあり、欧州に逃れたクルド人もいる。日本では在日外国人の中で特に多くはない(2000人強と言われている)が、その過半数が埼玉県蕨市および川口市に集住しており「ワラビスタン」などとも呼ばれている。
2015年在日トルコ大使館で大規模なデモが発生した。一部メディアでは「クルド人による」と報道されたが、実際はクルド人ではない人も混ざっていた。
信仰と文化
宗教はイスラム教が多いが、ヤズディ教、キリスト教、ゾロアスター教などの信者もいる。もともと宗教的な民族ではなく世俗主義的であると言われるが、保守的なムスリムも少なくはない。
音楽は独自のものがある。1度見ていただきたい。新年祭である「ネブロス」は埼玉でも開催されたことがある。YouTubeで調べると色々動画が出てくるので、音楽や文化に触れてみて欲しい。
関連作品
- 映画『マイスモールランド』⋯在日クルド人の女子高生の恋愛と、難民申請が受理されず苦悩する様を描いた作品。
- 映画『東京クルド』⋯日向史有監督作ドキュメンタリー。人権侵害をする入管局と抗議するクルド人たちの、闘いの記録。
関連動画