化学兵器
かがくへいき
毒ガスなどの毒性化学物質を使い、人や動物に対して被害を与えるために使われる兵器のこと。(Wikipediaより)
VXやサリン等(後述)が思い浮かぶが、戦場においては限りなく使いにくい。
なぜか。
間違ったら味方に大損害を出すし、間違わなくても民間に大損害を出すかもしれないからである。
(途中で風向きが変わる等)
また、麻酔銃などに使われる不動薬も化学兵器の一種であるが、体重等に合わせて量の調整が必要であり、撃ち方や当たり所によっては麻酔弾の破損や薬剤の注入の失敗などにより効果がないと使い勝手が非常に悪い。実際にロシア軍が人質を取り立て篭もった武装グループの鎮圧に低致死性のガスを使用したが、呼吸停止により死に至るなど人質に大勢の被害を出している。
使われるとしたら催涙ガス弾などで、せいぜい敵を(特定地点から)追い出す程度でしかない。
だが効果はこれで十分で、敵が算を乱せば、十分に付け入るスキが出来るのである。
イスラエルがパレスチナで使用している事は有名で、他にも各国の警察が暴動鎮圧に使っている。
いくら致死性の兵器ではないとは言え、化学兵器の使用には「報復攻撃」という危険が伴う。
事実として日本は太平洋戦争において、化学兵器によるアメリカ本土攻撃を計画した。
結局、計画は大規模な報復攻撃を恐れて中止されているが。
ナチスでもサリンやソマンなどの一連のG剤(ジャーマン・ガスの意味。ドイツで開発された一連の毒ガスなのでこうした総称がある)について、ゲッベルスなど一部高官が戦局打開を狙い積極投入するよう主張したものの、同様の理由で却下されている。
確かに戦場では使いにくいものである・・・が、これが日常で使われた時こそが化学兵器の本当の恐ろしさである。それが1995年に起こった「松本サリン事件」「地下鉄サリン事件」の一連のテロである。
前者は深夜の住人が寝静まった時間に散布され、後者は朝の通勤時間帯の地下鉄車内で起きた。
世界でも類を見ない毒ガスによるテロは、日本はおろか全世界に衝撃を与え、世界各国の治安当局に化学テロ対策を強いる結果となった。