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概説編集

中東に位置する国家。英語表記は"Afghanistan"。

面積65万2225平方km、人口3890万人(2020年)、首都はカブール。

西はイラン、北はトルクメニスタンウズベキスタンタジキスタン、南はパキスタン、東は中国(ウイグル)と接する。略称はアフガン


外務省による正式国名は「アフガニスタン・イスラム共和国」であるが、タリバン政権は「アフガニスタン・イスラム首長国」と称している。

世界で初めて麦が生まれた土地と伝わる。国土のほとんどが山岳地域や砂漠などの乾燥地帯で、夏は暑いが乾燥しているため日陰では比較的過ごしやすい。になればも降る。


もともと民族対立が激しく、タリバンによる統治をよしとしないイスラム勢力も台頭。

そのため日本の外務省は全域に退避を勧告


民族の交差点編集

地理的位置から様々な民族が侵入し、大国の侵略と蹂躙を繰り返し受けてきた。古くは紀元前の四大文明インダス文明メソポタミア文明に挟まれ、双方の勢力地域に含まれた。

最多数派のパシュトゥン人でも40%に過ぎず、ほかにタジク人30%、ハザラ人10%などで、民族間の抗争も絶えない。

公用語もこうした民族構成を反映して、最多数派で歴史的に王族や武官を多く輩出したパシュトゥーン人の用いるパシュトー語と、人口比第2位で歴史的に官僚など文官を多く輩出したタジク人の用いるダリー語(アフガン・ペルシア語)の2つが採用されている。


帝国の墓場?編集

古代はペルシャやモンゴル帝国、近代は大英帝国、ソ連、アメリカと時の強国に立て続けに侵攻されている。しかし、いずれの国も制圧には成功しても安定した長期統治は実現できず、世論の反発で撤退。これがっきっかけでイギリスは衰退、ソ連は崩壊、アメリカは政権交代といった歴史的経緯からアフガニスタンは帝国の墓場と呼ばれることがある。(もちろん否定的な意見もある


歴史編集

成立編集

紀元前6世紀はペルシャ帝国に編入され、紀元前4世紀にはアレキサンダー大王に征服された。紀元後は幾度も遊牧民の勢力下となり、中華代の頃は仏教が盛んで、インドへ旅した玄奘三蔵シルクロードで栄えたバーミヤーンに立ち寄った。

8世紀からイスラム化し、14世紀にモンゴル帝国の一角として支配され、その後はインドペルシャの支配を受けイスラム化。18世紀に独自の王国として独立し、王朝を繰り返したが、19世紀にイギリスに侵略され保護国に。20世紀初頭にアフガン王国として独立したが、1970年代にソ連寄りの王族ムハンマド・ダーウードがクーデターを起こし、共和国となった。


ソ連侵攻編集

ムハンマド・ダーウードは性急な近代化を指向してイスラム教を弾圧するようになり、1978年にクーデター共産主義国家・アフガニスタン民主共和国となった。

これに対し、イスラム義勇兵・ムジャヒディーンと政府との内戦状態になり、この期に乗じてソ連がアフガンの衛星国化を狙って軍事介入(アフガニスタン紛争)。

ソ連軍は山々を破壊し、緑豊かなアフガニスタンを更地に変えてしまった。

当然ソ連は国際的非難を浴び、アメリカイギリス中国等から支援を受けたイスラム教徒義勇兵(ムジャヒディーン)達の抵抗でソ連軍は撤退。だがこれでイスラム原理主義勢力が台頭し、冷戦終結後も紛争は続き、タリバンによるイスラム原理主義に基づく抑圧的政治が続いた。


米軍侵攻編集

2001年の9.11のテロに関わったアルカイダとその指導者ビンラディンを匿うタリバンに対し、ジョージ・W・ブッシュ米大統領は米軍を報復のためにアフガニスタンへ派兵、短期間でタリバン政権は崩壊した。アメリカ主導の民主的な新政権が発足したが、タリバン残党によるテロや、ドスタム将軍による新政権内の汚職が相次ぎ、国内は混乱状態が続いた。


タリバン復権編集

2021年8月、ジョー・バイデン米大統領がアフガニスタンに駐留する米軍の完全撤退を決定したことで徐々に影響力を取り戻していたタリバンがほぼ全土を手中におさめ、首都カブールも陥落。それに合わせて大統領など大半の政府関係者も国外へ脱出、タリバンの復権が確実となり、全土の掌握が宣言された。掌握後は以前のようにタリバン色の強い抑圧政治に戻っている。


関連人物編集

  • 中村哲:アフガニスタンで灌漑事業をした医師。2019年現地の武装勢力の凶弾にたおれる。現地でも尊敬されており、アフガン東部・ジャララバードではいたるところに「ナカムラ」の文字を見ることができる。
  • アフガーニー:オスマン帝国へ反旗を翻す「パン・イスラム主義」を提唱し、中東各地を奔走した。スンナ派アフガン人。
  • アフマード・シャー・マスード将軍/パンジシールの獅子:抗タリバン運動指導者。9.11の2日前に暗殺されるが、息子が後を継ぐ。彼の率いた北部戦線はハザラ族に大砲や機関銃を撃ち込んだので評判が悪い。
  • アブドム・ラシード・ドスタム:ドスタム将軍とも。映画「ホースソルジャー」で有名。9.11で対米協力をし見返りに軍閥へ返り咲く。新政府の国防次官になる。米軍進駐期は様々な不正、暴虐を行い国を混乱させた。2014年に副大統領。腐りきった国に人々はタリバンを求め、2021年タリバン攻勢時はトルコで療養していたが、国の要請でマザリシャリフにてタリバンと最終決戦を仕掛けるがあっさり敗北。再びトルコへ戻る。

関連イラスト編集

漫画の新聞のお知らせ(反政府武装勢力「タリバン」とは!?)


関連タグ編集

アジア 中東 イスラム教


参考リンク編集

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