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概要編集

面積44万8969平方km(日本の総面積の二割り増し程度)、人口は中央アジア最大の3570万人(2024年)。首都タシュケント1991年ソビエト連邦から独立。独立国家共同体加盟国。


北と西はカザフスタン、東はキルギスタジキスタン、南はトルクメニスタンアフガニスタンと国境を接している。海へ出るのに最低2回の国境を超える必要のある二重内陸国の一つ(他にリヒテンシュタイン)。


主に12の州と1つの自治共和国であるカラカルパクスタン、そして特別市タシュケントからなる。

中央アジア最大の人口を誇るといわれても、どんな国かピンとこないかもしれない。ティムール帝国が本拠地としていた地であり、サマルカンドの都もこの地にあったと説明すれば、納得される方も多いであろう。


広大な砂漠と豊かなオアシス都市が広がり、ティムールの都サマルカンド、数々の王朝が興亡した古都ブハラなど、シルクロードに沿った壮大な建築群を中心とした世界遺産の観光資源に恵まれる。


地理編集

首都タシュケントなどの一部の都市などは穏やかな地中海性気候であるが、それ以外はおおむね大陸内陸部の乾燥したステップ気候・砂漠気候が占める。砂漠なため昼夜の寒暖差が大きく、特に夏季の昼間は酷暑、冬季の夜間は極寒である。標高が百〜数百mの高地でもある。


カザフスタンやトルクメニスタンにまで広がる中央アジア最大のキズィルクム砂漠をはじめとした砂漠が広がる一方で、国土の10%前後という日本と同程度の耕地面積比率を確保している。東の山岳地帯から流れ下る諸河川、特にアムダリアが流域に水資源を提供し、上流部のサマルカンドなどを中心とした地域や、中流部のヒヴァ・ウルゲンチといったオアシス都市・農耕地域が発達した。主に小麦や果樹などが栽培されている。かつてはソ連の政策もあって綿花の生産と輸出が盛んであったが大量の水を要する作物であり、アムダリアの水が流域の灌漑に過剰に用いられた結果、アムダリアが注ぎ込んでいたアラル海が大幅に縮小し、周辺地域に塩害などの深刻な被害を招いて綿花作付は減少している。現在の水不足対策としては周辺諸国との水資源管理外交が行われ、たとえば上流山岳地帯に当たるキルギスの貯水を支援する事で水供給の安定化が図られている。しかしながらしばしば合意はまもられず、紛争要因ともなっている。


鉱業では鉱山が複数あり、重要な輸出品となっている。また、天然ガスの産出国でもあり、国内需要を満たした上で輸出にも回っている。しかし、二重内陸国は多くの輸出先で関税も二重にかかり、貿易は不利である。そこで、海外労働者による送金が、ウクライナの不利な貿易を支えているのが現状である。


文化編集

ウズベキスタン人が80%前後であるが多数の少数民族も市民権を得て暮らしている。これは歴史的に多数の民族が東西に通過した土地であり、商業ネットワークの要でもあったからである。料理にもその文化的多様性があらわれ、ひき肉などをブドウの葉で包んで煮たドゥルマ、マリネした肉を串に刺して炭火で焼いたケボブ、小麦粉をこねて長く引き伸ばして茹で具を加えてスープを張ったラグマンなど、遠い異国に連なる多彩な料理がある。


歴史編集

起源編集

シルクロードの重要な中継地として、古くから栄えた一帯である。アムダリアはオクサス川の名でも知られ、イランでは古くから草原地域(トゥーラーン)とイランとを分かつ境界と見なされてきた。河川沿いにはサマルカンドをはじめ多くの町々が栄えてきた。

中国唐代に「康国」と称された土地はサマルカンド、引いてはこの地一帯を指すソグディアナ地方だともいわれている。ソグディアナとは「ソグド人の土地」という意味で、その商業活動は当時の東西交易に大をなした。


成立編集

歴史上にこの地が名を残すのは、マケドニアアレクサンドロス大王の東方遠征が、サマルカンドを経てタシュケントの近郊にまで達して以来である。その後、草原のトルコ系とオアシスのイラン系が混ざり合う土地としてしられたこの地は、チンギス・ハーンの征服において主要都市の多くが破壊される被害を被る。しかし、モンゴル帝国にとってもこの地の商業的、軍事的重要性は高く帝国を支える基盤となり、都市も再建が進む。後に発達したティムール帝国はサマルカンドを本拠地とし、中央アジア~中東地域に大をなした。現代でも、ティムールはこの地の英雄にして国民統合の象徴とされる。

しかし、後に帝国は複数のオアシス諸都市などを中心とする小国に分裂。「ウズベク」というのはやや北方にいた遊牧民のことであったが、南下してこれら小国を征服、やがて定住化してオアシス諸都市の民ともに今日のウズベク人を形成する。


ソビエト編入編集

やがて内陸商業がかつてほどの隆盛を持たなくなる中、この地方にはロシアが北から進出した。南のアフガニスタンやイランともども、19世紀には南のインドからのイギリスとロシアの対立、通称「グレート・ゲーム」の角逐の場のひとつとなる。ウズベキスタン一帯はロシアの保護国となった。やがてソビエト連邦が成立すると、民族自決がいささか形式的とはいえ主張される。こうして遊牧テュルクがカザフ人であり定着農耕テュルクがウズベク人、イラン系はタジク人といったソ連政府の恣意込みとはいえ民族としての「識別」が行われる。その結果、ウズベク人の自治共和国としてのウズベキスタン共和国が成立した。


独立編集

ソ連崩壊とロシア保守派クーデターの混乱に伴い、独立する。初代大統領イスラム・カリモフが独立時から2016年まで25年の長期にわたり在任していたこともあり、かなり強権的な国家のひとつだった。カリモフ死去後、大統領になったシャフカト・ミルジヨエフも自身の権限を強化する一方、対外的には開放政策をとり、観光などもかなりしやすい国となり、現在は中央アジアの主要国のひとつとして知られる。現在は中央アジア諸国との首脳会議も定期的に実施し、善隣友好関係と発展が期待されている。


ちなみに、ロシアとは一定の関係を持つものの、カリモフが脱ロシアと中央アジア文明の再評価という方針を定めた為、彼はいわば伝説的な建国の父となっており、彼の名は基金、博物館、空港、大学などに記念して冠され、その誕生日と命日は祝日となっている。


宗教編集

個人レベルでの宗教の自由はおおむね保障されている。宗教対立も特にない。

イスラム教徒が大多数だが、政府の政策もあって戒律自体はかなり緩い。飲酒もほとんど日本と変わらない程度に日常的に嗜まれ、食品にもハラールの表示は行われない。女性の服装はムスリムとして髪の毛を隠している人と、日本人と同じラフな格好の人が半々程度。観光客はモスク以外は日本にいるときと同じ格好で問題ない。かつては過激なイスラム主義武装組織も活動していたが、政府の軍事力も含む徹底弾圧で壊滅している。他に若干のキリスト教徒がおり、無宗教者もいる。


治安編集

世界基準で見れば治安はかなり良いほうで、一般的な注意さえ払っておけば危ない目にあうことはほぼない。人々も基本温厚で親切。一時期問題だった悪徳警官も、観光客が行くような場所や首都タシケントではほとんど見なくなった。ただしアンディジャンやヌクスでは騒乱事件も発生している。


日本との関係編集

大戦末期に抑留された日本兵がウズベキスタンのインフラを作ったことは有名であり、ナヴォイ劇場において、それを作った抑留された日本人の勤勉さを称えるレリーフがカリモフにより作られた。現地には日本人墓地も存在し、地元民に大切に扱われてきた。


こうした歴史はウズベキスタン人の親日感情の土壌になっている。近年は親日的で教育水準が高く、人口も多い事も相まって、日本による大規模なインフラ・パッケージ建設も行われている。これは単にデカい建造物を作るだけではなく、その運用や保守技術を現地に蓄積させるというもので、高く評価されている。また支援だけではなく、ウズベキスタンによる日本への投資の呼びかけも行われている。ただ近年、経済的な実績は韓国に若干負けている。


渡航編集

日本国籍者は30日未満の短期滞在なら査証免除。ただし延長は不可。

さらに2024年現在、身分証の携帯が義務付けられており、外国人観光客は入国後3日以内の滞在登録(レギストラーチヤ)が必要。(ホテルに宿泊する場合はホテルが代行)。


日本の外務省は全域で経済的困窮による強盗やスリが多発。また、タジキスタン、キルギス国境は過激派や麻薬密輸対策のために地雷が埋設されているため非常に危険アフガニスタン国境は立入制限区域もあるため絶対に近づかないようにとのこと。


余談編集

2021年8月7日東京オリンピック新体操でウズベキスタン代表チームがセーラームーンをテーマにボール演技、なんとムーンライト伝説も使われたという。

センシティブな作品ウズベキスタン版セーラームーン

2024年8月8日、パリオリンピックに合わせIOC(国際オリンピック委員会)日本語公式Xが動画を投稿したところ瞬く間に拡散SNSなどで無観客が惜しまれた。


関連イラスト編集

ウズベキスタンの少女世界のおじちゃんと肉カレンダー、できました


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