曖昧さ回避
もしかして→キルギス星人
基本データ
面積 | 19万8500平方km(日本の約半分) |
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人口 | 670万人(2023年 国連人口基金) |
首都 | ビシュケク |
通貨単位 | ソム |
宗教 | イスラム教(75%)、ロシア正教(20%)、その他 |
民族 | キルギス人、ウズベク人、ロシア人など |
概要
東は中国(ウイグル)、西はウズベキスタン、南はタジキスタン、北は、カザフスタンと接している。かつてはキルギスタンが正式国名(現在でも公式に使われている)。1991年にソ連から独立。旧ソ連から独立した他の中央アジア諸国と独立国家共同体(CIS)を構成している。主要経済は農業と牧畜、鉱業である。
2018年に同国柔道連盟総監督に、あの内柴正人が就任して日本を驚かせた。
歴史
元は西突厥だった。内陸アジアの遊牧騎馬民族でトルコ化し、9世紀中ごろウイグル国を滅ぼし中央アジアに国家を建設したが、13世紀チンギス・ハンに滅ぼされ、モンゴル帝国、次いでティムール帝国などの支配を受け、イスラム教を受容。ロシア革命の後、民族的自覚が高まり、1936年、社会主義共和国としてソ連加盟。ソ連邦崩壊後はキルギス共和国として現在に至る。
誘拐婚
キルギスにはアラ・カチュー(誘拐婚)と呼ばれる結婚の風習がある。
現在でも地方を中心に根強く残っているのだが、男性が街で見かけた見ず知らずの女性を仲間と共謀して誘拐し、男性の自宅に監禁。男性の親戚が女性に結婚するよう迫り、そのまま結婚させられるというもの。女性は白いスカーフを頭に被せられるか、誘拐されてから一夜立つと結婚に同意した事になってしまう(キルギスでは男女が共に一夜を過ごすと女性の純潔は失われたとみなされる)。
分かりやすく言えば、ストーカーを合法化させたような性質の悪い風習である。
対象
誘拐婚の対象となってしまう女性は、国外から仕事や観光目的でやって来た女性も含まれており、その為に迂闊に女性が一人でキルギスへ入国してしまうと、それを見初めたキルギス人の男達に狙われ、強制的に結婚させられてしまう危険性が高い。
またキルギス国内だけではなく、隣接している国境付近でも発生している。
処罰化
あまりにも女性の尊厳を無視し、下手をすれば蛮族やテロリストに近い暴挙であるが故、インターネットの普及もあって世界中で誘拐婚の風習を知っている人間達からは当然批判の対象となった。事態を重く見たキルギス政府は1994年に法律で誘拐婚を禁止する事を決定。通報さえすれば普通に警察によって犯罪として取り締まられる事になる。
転機
それでもキルギス人男性の多くは自分のお気に入りの女性を強引にモノにできる誘拐婚に賛成していたのだが、2018年に誘拐婚の被害者が誘拐犯に警察署内で殺害されるという事件が発生。キルギス国内では誘拐婚への反発が一気に爆発。誘拐婚に対する政府や警察の規制の甘さを厳しく批判する声が高まり、国連も、「アラ・カチューは『文化』ではなく、『社会的弱者への権利侵害』である」という声明文が発表される。
更に調査によって、アラ・カチューが始まったのが20世紀以降と最近で、強制的な結婚を望まなかった男女の駆け落ちが風習の生まれた切っ掛けであるという事実が判明。以降のキルギスでは誘拐婚撲滅を目的とした教育プログラムが導入される事になった。
渡航
査証は目的別に13種類あるが日本人は60日以内の滞在に限り査証は免除。
日本の外務省は全域で社会への不満から抗議集会やデモが発生、イスラム過激派がテロを起こす可能性があるため要注意。また、タジキスタン、ウズベキスタン国境は非常に危険なので近づかないようにとのこと。
余談
- 実は室町時代の日本でも「辻取り」という名称で誘拐婚が行われていた。無論、日本でも誘拐婚はれっきとした犯罪となる。
- 遊牧民族ということを活かし、馬を放つという映画が作られた。
- マナス王というギネス記録にも認定された世界一長い叙事詩がある。マハーバーラタやラーマヤーナよりも長い50万行。
関連タグ
- 内柴正人・・・当地柔道連盟監督に就任
参考
- 世界史の窓