概要
叙事詩『マナス』はマナスチ(またはマナスチュ、Манасчы, Manaschi)と呼ばれる語り手、演唱者によって語られる。
口承された数十万行にも及ぶ壮大な民族叙事詩で、ホメロスの『イリアス』や『オデュッセイア』、古代インドの『マハーバーラタ』などよりもはるかに長い。ギネス世界記録では世界で最も長い詩と認定され、50万行以上の長さがあると紹介されている。伝承では古くより存在したと言われているが、実際に現在の形に成立したのは18世紀ごろと考えられている。
20世紀初期にはカクシャール(天山山脈)の谷あいに住むキルギス族のあいだでは、「マナス」を吟唱するブームが起き、マナスチになることが多くの若者の目標となっていた。
2009年に中国のマナス、2013年にキルギスのマナスがそれぞれユネスコの無形文化遺産に登録された
内容
英雄マナスから始まり、その子セメテイ、孫セイテクと続く、計8代の事跡をうたう。中華系のクタイ人と、オイラト族のカルマク人との戦いが叙事詩の主要なテーマになっている。特徴的なのは、叙事詩の伝承であると共に、物語の類型化(「限度内の変化の原則」)による演唱者の創作的要素もある。
登場人物
関連タグ
⋯めちゃくちゃ長い叙事詩たち
参考
- ウィキペディア
- 名古屋学院大学『マナス・第一部』
- 京都大学学術報告『キルギス族叙事詩『マナス』の日本語訳に関する一考察- 語彙とフレーズを中心に-』孫遜・梁真恵