歴史的事件、英雄の事跡、神話などを題材に、民族または国民共同の意識を仮託した長大な韻文。「イリアス」「オデュッセイア」「ニーベルンゲンの歌」など。英語ではエピック【epic】。
概説
叙述体で編纂された詩文。
すなわち「主観・情緒を廃し、その内容をあくまで中立的かつ事実として淡々と述べるに留める」ことを原則とした文章である。
情緒や主観による感性を大いに盛り込み、色鮮やかに歌い上げることを旨とする通常の詩文とは趣がやや異なり、あくまで「事実をありのまま伝える」という体裁で綴られる。
ただ、あくまで“体裁”を整えるという原則であって、その内容が“明確な事実”である必要はないため、どちらかと言えば「物語の読み聞かせ」に近い性質を持つ。
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オリエント
- ギルガメシュ叙事詩
朝鮮半島
- 三国遺事(厳密には史書だが、叙事詩として扱われることもある)
モンゴル
- 元朝秘史(こちらも史書だが、叙事詩として扱われることもある)