「カレワラ(Kalevala)」とは、フィンランドの民族叙事詩である。
概要
口承によって各地に伝わっていた古代の詩歌がエリアス・リョンロートによって採集・再構成されたもの。
リョンロートは1833年に「原カレワラ」を発表、さらに採集を続け新たに歌を追加し、1835年には「古カレワラ」を、1849年には「新カレワラ」を発表した。
カレワラは伝承そのままではなく、各地でばらつきがあった伝承が一つの物語となるようリョンロートによる創作や、登場人物名の変更がなされた部分もある。そのため、元の伝承とは異なる部分もあるということには注意が必要である。
フィンランドは人種・言語共にゲルマン系とは異なるため、カレワラも隣接する北欧の神話・伝説とは性格が大きく異なる。
ジャン・シベリウスなどが、このカレワラに基づいた曲を作曲している。
登場人物
ワイナミョイネン(Väinämöinen)
ワイナモイネン、ヴァイナモイネンとも表記される。
カレワラの主要人物で、賢者であり魔法使いでもある。
母親の胎内に長くいたため、生まれたときから老人であった。
イルマリネン(Ilmarinen)
鍛冶屋。無から小麦粉と塩と金を生み出す宝・サンポを鍛造するなど、作中で色々な道具を作り出した。
殺された妻の代わりに、話すことも動くこともない黄金の花嫁を作ったりと、時にはそれが役に立たないこともあった。
ヨウカハイネン(Joukahainen)
若者。ワイナミョイネンに挑戦するが敗れ、命乞いとして妹アイノをワイナミョイネンの嫁に差し出すが、妹はそれを拒み溺死してしまう。その後復讐を誓った彼は、ポホヨラへと向かうワイナミョイネンに矢を放ち、海へと突き落とした。
レンミンカイネン(Lemminkäinen)
若者。男前で剣や魔法の腕も優れているが、戦い好きで女癖が悪い。
キュリッキという娘と無理矢理結婚するが、彼女が約束を破ったことに憤慨し、ポホヨラへと向かう。そこで一度は死亡し肉体をばらばらにされるが、彼の母によって死体を掻き集められ蘇った。
その後は、イルマリネンとポホヨラの娘の結婚式に一人だけ招待されなかったことに腹を立てて宴会に乗り込んだり、ポホヨラからのサンポ奪回を目指すワイナミョイネン一行に加わったりなどしている。
ロウヒ(Louhi)
ポホヨラを支配する魔女。イルマリネンの妻の母親。
のちにワイナミョイネン一行とのサンポ争奪戦を繰り広げる。
関連イラスト
表記ゆれ
現地の発音ではこちらに近い。