概要
ハラスメント(英:Harassment)とは、相手の意思、尊厳をないがしろにした行為、いやがらせ、円滑な行動への妨害行為である。そのうち、社会的に問題となっているハラスメントには各名称がつけられている。
主なハラスメント
パワーハラスメント(パワハラ)
職場での上下関係や権力を利用した嫌がらせのこと。業務の範囲を超えて精神的または肉体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させる。
セクシャルハラスメント(セクハラ)
性的な嫌がらせのこと。性的な言動をしたり、無理やり身体に触れたりする行為が含まれる。男性が女性に行われるケースが多いが、女性から男性に行われたり、同性間によるケースも見られる。
モラルハラスメント(モラハラ)
相手の意見をことごとく拒絶したり、言葉や態度などによって精神的苦痛を与えること。肉体的苦痛と異なり外部から気付きにくいため、隠蔽が行われやすい。
アルコールハラスメント(アルハラ)
飲酒にまつわる嫌がらせのこと。本人の体質や意向を無視して飲酒を強要したり、イッキ飲みをさせるなど、命に関わる事態になりかねないハラスメントである。
カスタマーハラスメント(カスハラ)
顧客や取引先から理不尽なクレームや過度な要求が行われること。商品やサービスには関係ない要求や、恫喝や暴言、ネット上の誹謗中傷などの行為が当てはまる。
アカデミックハラスメント(アカハラ)
大学や研究機関におけるパワハラやセクハラなどを指す。地位や人間関係などの優位性を利用し、相手に対して精神的または肉体的な苦痛を与える行為。
マタニティハラスメント(マタハラ)
妊娠・出産・育児にまつわる嫌がらせのこと。会社で働く女性が妊娠・出産・育児を理由に解雇されたり、精神的または肉体的苦痛を与えられる行為である。
スクールハラスメント(スクハラ)
学校で行われるハラスメント。要するに、いじめ。
基本的には生徒間で起こるが、先生が生徒にする場合もある。
学校教育委員会も隠蔽することが多かったり、少年法が邪魔していたりで、問題は根深い。
ロジック(ロジカル)ハラスメント(ロジハラ)
不必要に正論で相手を追い込む嫌がらせのこと。
論破された側の負け惜しみと受け取られることも多い。
ハラスメントハラスメント(ハラハラ)
業務上必要な行為に対して不快感や嫌悪感を起こした人間が「嫌がらせを受けた」「それはハラスメントだ」と過剰に訴える嫌がらせのことで、いわば「何でもかんでもハラスメント」。
この手の例で有名なのが鬼滅の刃ハラスメント(キメハラ)である。
2020年のアニメ映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』が公開当時に社会現象レベルの人気を得た半面、映画の未視聴者や原作漫画の未読者が同調圧力を受けたことにより定着した。
地上波のニュースでも「キメハラ」と言う言葉が取り上げられるほど問題視されたが、法的責任を問われるほどの問題は起きていない。
突然の流行についていけない人々の嘆きは時代を問わずよくある話で、偶然ハラスメントという言葉と同時期に広まったのがキメハラ呼ばわりされた原因と思われる。
同出版社による他作品では、鬼滅の刃ハラスメントを悪行の動機とするヴィランが登場しており、ネタ混じりとはいえ出版社もキメハラを認知していたようだ。
ハラスメントの種類がセクハラあるいはパワハラのみと認識されていたころは、それらに無理やりこじつけてハラハラが行われていた。(事実、同辞典内の「セクシャルハラスメント」の記事において「主な事例」として、もはや何がセクハラ、ハラスメントなのかわからないほど大量の文章が貼り付けられていたことがある。)
ハラスメント自体の基準の曖昧さから来るものもあるが、普段から気に食わない相手に対して言いがかりをつける、など嫌がらせ目的などで故意に使用される場合もある。
ハラハラを恐れるあまり適切な指導ができなくなるなど、業務に支障が出るおそれがある。
また、極端な話かもしれないが人によってはまともな生活を送れない状態に陥ることすらありえる。
ハラスメントという概念が広まったことで起こった事案と言える。
余談
ちなみに「アラハラ」はハンサムケンヤの楽曲で、ハラスメントをテーマにした歌である。