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概要

ひきこもりとは、長い間にわたって、自宅にこもり、一般社会との繋がりが失われてしまっている状態のこと。漢字では「引き籠もり」と表す。海外でも『Hikikomori』で通る。

厚生労働省では次のように定義している。

「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヶ月以上続けて自宅にひきこもっている状態」時々は買い物などで外出することもあるという場合も「ひきこもり」に含める

少年期から家にこもりがちでいわゆる不登校だった者もいるが、成人後に就職して社会に出た後に何らかの理由でドロップアウトし、ひきこもる者も多数いる。

ニートであることも多々あり、この場合「ヒキニート」と略す形で括られる(外に出ているニートもおり、後述するように働いていてもひきこもりに含めることがあるため、完全に同一ではない)。

2020年代より日本のネット上で使われるようになった「子供部屋おじさん/おばさん(成人したあと独身のまま実家暮らししている人物)」も部分的に類似する存在だが、ひきこもりは必ずしも実家暮らしではなく、また子供部屋おじさんも就職して家に生活費を入れていたり、家族以外の人間関係が充実していたりする場合が多いため、同一ではない。

なお、サブカル・ひきこもり研究で知られる精神科医の斎藤環は、重要なのは社会との繋がりの有無であるから「半年間家から一歩も出てない」が実質的にひきこもりではない人、逆に「毎日あちこち外出」・「就職」などしていても事実上ひきこもり状態な人も多数いると主張している。この考えに当てはめるならば、普通に働いているが職場の同僚や近所の人などを含めた他者との関わりが希薄な人、専業主婦/主夫でほぼ一日中家で過ごし、家庭の周辺以外のコミュニティに属していない人なども「ひきこもり」の一種と言える。

2023年3月31日時点での日本国内にいるひきこもり推計は146万人とされる。(参考資料) 2005年の時点では、男性のほうが女性より多い傾向だったが、2015年の内閣府調査では男女の比率は同等、2020年代に入ると、若年層よりも中高年層が多いという結果になっている(ひきこもりの高齢化が進んでいるのはいわゆる氷河期世代に多いためで、原因はお察し下さい)。中高年層のひきこもりは、若い頃からのひきこもりが長期化しているケースが大半であり、いわゆる8050問題(現役世代ではなくなった高齢の親が、中年の子供を養わなければならない状況)と結びついている。

日本社会独自の現象ではなく、欧米韓国台湾などにも多く存在するようだが、政府が統計をとっているのは日本だけであるため(世界の)実態はよくわかっていない。個人主義の強い国では、他の国ではひきこもりになっているような若者が実家に頼れず、ホームレスになっているという見解もある(参考)。

病気や障害、とくにうつ病統合失調症などの精神疾患の発症が引き金になっている場合も多い。一方『精神障害の診断と統計マニュアル』第5版改訂版(DSM-5-TR)には、精神疾患に至る要因としてひきこもりが掲載されており、「精神疾患を抱えているのでひきこもりになる」とも「ひきこもりになったことで精神疾患を発症している」とも言える。

また、過去の日本においても、太平洋戦争日中戦争の戦地やシベリア抑留などのトラウマを抱えて精神を病み復員後にひきこもりに陥る人物(主に男性)が多数いたが、今では歴史の闇に埋もれている。

 

pixivのタグでは、ひきこもりの状況をイメージしたイラストや、ひきこもりという設定のキャラが描かれているものに付けられる場合が多い。同じ意味のタグとして、引き籠もり引きこもりなどの表記ゆれがある。

外こもり

日本は生活費が高いことから、日本である程度働いたあとに物価の安い外国に渡航して、所持金が尽きるまでホステルなどで延々とひきこもり生活を続ける人々もおり、「外こもり」と呼ばれる(「海外」+「ひきこもり」の造語)。

いわゆるバックパッカーに近いが「旅自体を目的にしていない」、「一つの国に留まることが基本」という点が異なる。またワーキングホリデーとも違い、滞在国で(正式な形で)就学・就労することは基本的にない。

かつては親日国で物価の安いタイ王国等が人気だったが、円安が進んだことに加えタイの経済発展により現地の物価が高騰。もはや日本人の若者がこのようなライフスタイルを送るのは困難になりつつある。2020年代のバンコクでは「月10万円」の生活も困難だといい、日本と生活費はほぼ変わらない状態になってしまっている。かつては訳ありの外国人の滞在に緩かったタイ当局も近年は「不良外国人狩り」を強化しており、資金が尽きそうな頃に不法就労の話を持ちかけられタイから追い出される日本人が急増している

また2008年には「外こもり」生活を綴ったブログで有名だったある人物が、滞在先の国で日本人に殺害される事件も起こっている(被害者は生前株取引などを行ってそれなりの収入を得ていたことを語っており、ブログの読者に運用テクニックの指南を行っていたことから、加害者との間にはそのあたりを巡ってのトラブルがあったと見られている)。

くれぐれも犯罪に巻き込まれないように気をつけよう。

ひきこもりの一例

主に長期的にひきこもり生活を送っている、あるいは作中で「ひきこもり」と明確に設定されているキャラ。いわゆる「籠城」や「ひきこもりに近い」とされていたりするところまで含めると、さらに多くのキャラが該当する。

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