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概要編集

東アジアに位置する先進国である現代の日本国社会について解説する。


ここでは日本社会の全体的な特徴について記述するにとどめ、記事の肥大化を防ぐため、社会問題や経済問題、政治的な論争などを必要以上に羅列しないで下さい。個別の社会問題については社会問題の記事に記載されている個別記事で詳述し、重複は避けて下さい。


日本の社会編集

治安編集

日本の社会の最大の特徴として、人口当たりの殺人事件の発生率が世界でも最小クラスの治安の良さが挙げられ、人口が数千万以上の国でここまで凶悪犯罪が少ない国は珍しい。


ただし時折凶悪なテロ事件が発生する事はある。連合赤軍に代表される1970年代新左翼のテロ・1994年6月以降のオウム真理教による化学テロなどは海外の組織が真似て広まった事もあり、日本はテロまで輸出すると揶揄された事もあった。


貧困編集

日本は社会的に均質で比較的平等な社会というイメージがあり、安定成長期の一時期は「一億総中流」と言われたが、実は日本において貧困(ここでは生活に最低限必要なものは手に入るが可処分所得が中央値の半分(貧困線)に届かない相対的貧困を指す)がなくなった事は、バブル期も含めて歴史上一度もない。


1988年11月に朝日新聞は「『格差社会』でいいのか」という社説を掲載しており、当時の地価や株価の高騰と、「自己責任」を基調とする新自由主義の風潮の高まりにより、既に(相対的)貧困が広まりつあった事がうかがえる。


1991年3月のバブル崩壊就職氷河期を経て日本社会の貧困は爆発的に広まり、「格差社会」が流行語になった2006年11月には、誰の目で見ても明らかなほどになった。今でも福祉や所得の再分配は高齢層に偏っており、若い層では生活保護が必要な人間の2割ほどしか生活保護が受けられない。そして、生活保護以外の公的扶助が貧弱である(雇用保険はあるが、受給要件の厳しさのため失業手当を受け取れない失業者も多い)ため、現役世代が失業病気を契機に生活保護受給者になるとなかなか這い上がるのが難しく、既婚者であれば離婚や家庭崩壊、独身者であればセルフネグレクト引きこもりに陥りがちである。


少子高齢化編集

日本に限らず先進国に共通の傾向ではあるが、出生数の減少に政府は頭を抱えている。現在の日本の合計特殊出生率は東アジア諸国の中ではまだマシな方ではあるものの、1.4という危機的水準であり、少子化があまりにも長く続いた事から子育て世代の若者の数も減ってしまっている。低賃金と不安定雇用に喘ぐ氷河期世代は子育ての時期を過ぎつつあり、将来の大幅な人口減少と社会保障費の増大は避けられない見通しである。


平均寿命編集

日本は主要国の中で平均寿命が世界一長い。これは乳幼児から高齢層まで全世代にわたる死亡率が低いためである。


香港モナコなどは日本より平均寿命が長いのだが、モナコは人口5万人未満の非常に小さな国であり、香港は独立国家ではなく中華人民共和国中国)の特別行政区に過ぎない。これは和食洋食に比べて健康的とされていることや、国民皆保険制度が整備され医療施設や福祉制度が整っているため貧困層でも病院にかかれることが理由としてあげられている。中年層を中心に自殺者は多いと言われているが、死亡率を大きく押し上げるほどではない。


ちなみにG7諸国を平均寿命が長い順番に並べると、

(長い)日本>イタリア>フランス>カナダ>ドイツ>イギリス>アメリカ合衆国(短い)

になる。


余談編集

日本は格差社会なのか?編集

日本は上記の「一億総中流」意識のように社会的に均質で比較的平等な社会というイメージがある一方、バブル崩壊後の低成長期には、アメリカ合衆国主導のグローバリゼーションの中の「格差社会」が叫ばれた。


1980年代以降、アメリカ合衆国や中華人民共和国では、国民所得に占める富裕層の所得割合やジニ係数(所得などの不均等さを表す統計値)の拡大が進んでいた一方、日本では高度経済成長期安定成長期、低成長期を通じて富裕層の所得の割合は(欧州諸国と同様)低いままで、米国やいくつかの新興国に見られるような「富裕層への富の集中」は目立っていない。ジニ係数は増えているものの、これは定収入がない高齢者が増加した結果で、格差拡大を示すものではないという指摘がある。


日本における低成長期の貧困拡大は、格差拡大のせいではなく、「国民経済全体が地盤沈下した結果」というのが実態に近いようだ。


日本は学歴社会なのか?編集

実は日本は世界の中でも学歴をあまり重視しない方の国であるとされる。日本でも大企業を中心に高卒と大卒の役割を明確に分けているところは多いし、さらに上層部には特定の学閥が幅を利かせているところもある一方で、中小企業公務員を中心に高卒でも組織内で高い地位に就いている人も多い。国家公務員総合職試験は「大卒程度」のレベルが求められているが、これはあくまでも目安であり、高卒や大学中退でも試験を受けることはできる。自衛隊員防衛大学校や一般大学を出ていなくても叩き上げで幹部自衛官になるルートが開かれている。


また医師薬剤師などの医療系の国家資格は大学を出ていないと取得できないものが多いが、弁護士司法書士行政書士などの法律系の国家資格は、大学やロースクールなどを出ていなくても受験資格はある(実際問題、高卒で弁護士になる人はまれであるが)。建築士(一級・二級)などは大学の建築科などで所定の科目を履修していることが求められるが、実務経験を積むことで高卒でも取れるという抜け道があったりする。


アメリカ合衆国イギリス韓国などでは大卒と高卒の平均収入の格差が大きかったりするが、日本は比較的小さい。この辺りはこちらのページも参照のこと。


関連タグ編集

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