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概要

 この言葉は、英語ではPublic Assistanceとされ、これは公的支援の意味合いがあり、老齢障害貧困などの理由に対する公的機関からの援助支援を指す。
 この制度は近代化した国家にはたいてい存在するシステムであるが、この項目では日本国の制度に関して説明を行う。

日本において

 日本における生活保護制度は生活保護法という法律によって定められており、「資産能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度」とされる。
 この制度は地方公共団体、すなわち市町村単位で行われている。

種類

 この制度により受けられる支援は生活扶助教育扶助生業扶助住宅扶助出産扶助公費負担医療介護扶助葬祭扶助の8種類が存在する。特に有名なものは生活扶助、住宅扶助、公費負担医療であろう。

生活保護に対する日本の問題

日本においては他国に比べ若い年齢で所得補助を受けている人は少ない。日本の生活保護制度は受給資格制限が非常に厳しく、所得が低いというだけではこの制度を利用できないからである。
ただし、生活保護以外にも、失業保険など貧困に陥った人々を対象とした社会給付制度はあるため、そちらで救済されている人の存在を考える必要はある。

現状では、受給者の大半は自立の術のない天涯孤独の老人であり、高齢化社会化によりその数は年々増加していることから、生活保護給付の抑制が強く求められている。したがって、多くの生活困窮者が生活保護制度から締め出されるようになり、現役年代である50歳代以下で生活保護を受給できるのは、障害者母子家庭にほぼ限られる。その障害者や母子家庭も、役所に相談に行くと、親族の扶養義務を理由に「親戚に面倒を見てもらいなさい」と門前払いされることが多い。が、これらの対応は誤り。こういった対応を「水際対応」といって問題になっている。

自らの病気家族介護等各種家庭の事情により正社員などの正規就労に困難を抱えている人々や、各種事情により就労自体が困難な人々もこの制度の対象ではあるのだが、「働ける人はこの制度を受けられない」「この制度を利用すると二度と這い上がることができない」という誤解(生活保護を出したくない行政がこのように脅す場合もある)や、受給者への様々な差別偏見「生活保護を申請すると役所から親戚に連絡が行き迷惑をかけることになる」ということから、働きながらも生活保護水準を下回る給与しか得られず貧困に苦しむワーキングプアに甘んじている人が非常に多い。

しかし実際は、毒親などで親戚を頼れない状態でも、この制度により所得補填を受けながら労働し、独立した生計を立てられるようになることも可能である。福祉問題などに詳しい人権派弁護士などの法律家、もしくはお住まいの地域の生活支援相談室などへの相談、そして可能なら役所のケースワーカーに間違った対応をされないために、弁護士やNPO法人の相談員と共に生活保護の相談へ行くことを推奨する
全国の生活相談支援センター

義務等

 この制度を利用するためには、以下の要件が必要となる。

  • 受給希望者を完全に援助可能な身内親族が存在しない
  • 受給希望者が容易に金銭に替えられる資産を所有していない(資産価値があっても容易に売却できない土地などは含まれない)
  • 各種事情により受給希望者が生活を支えるだけの労働が困難、あるいは見つかっていない
  • 上記の理由により収入がその地域の最低生活費を満たさない
 また、受給者には以下の義務が課せられる。
  • 保護を受ける権利は当事者のみ
  • 生活の維持・向上のための努力義務
  • 生計の状況や居住地、家族構成の変化に対する報告義務
  • 保護の実施機関の各種指示に従う義務
  • 本来生活に必要となる資産等が発生していた場合、補助を返却する義務

よくある誤解

  • 生活保護は借金があると受けられない

⇒借金があっても生活保護は受けられる。ただしケースワーカーから法テラスなどに行って債務整理を勧められる

  • 若くて健康な方は生活保護を受けられない
⇒上述のとおり、これも誤りであり、生活保護受給に年齢は関係ない。また、身体が健康でも様々な事情(精神的な問題がある、解雇されて求職中等)で国が定める最低限度の所得を得られていない場合、生活保護が受給できる。
  • 生活保護受給者が酒や煙草、ギャンブルをするのは不正受給である。
⇒国民感情的に受け入れがたいのはわかるが、受給者が保護費を何に使うかは自由であり、酒や煙草、ギャンブルに使うのは違法ではなく、不正受給でもない。ただ、それで生活に支障が出てくるとケースワーカーから指導が入る事はある。
  • 扶養義務者がいると生活保護が受けられない
⇒扶養義務者は生活保護開始の要件ではない。たとえお金持ちの親族がいても、上述の通り毒親などで現実に扶養を受けられなければ、生活保護を利用できる。ただし収入申請は行わなければならない。なお、子どもから親への扶養義務や兄弟姉妹間の扶養義務は自分の生活を社会的にふさわしい範囲で行った上で余裕があれば仕送りをお願いするといった程度の扶養義務(生活扶助義務)にすぎない。
  • 生活保護は、路上生活者などは決まった施設に入らなくては受けられない。
⇒かつては、自宅がないものは保護課の指定する保護施設に入らなくてはいけなかった。
しかしこのコロナ禍により、ネットカフェや車上生活者であっても現在地での申請が出来るようになり、条件によっては車上で生活保護が受けられたり、アパートに住むことが可能になっている。

よくある生活保護の誤解

生活保護バッシング

生活保護は、しばしばネット上でバッシングの対象になる。
生活保護そのものを悪とする論調は流石にあまり見られないものの、生活保護受給者ということで睨まれる状況は起こりがちである。
例えば生活保護を受給している家庭がマスメディアに登場した場合、「映像に映った家の中の備品が贅沢である」として激しいバッシングを受けたり、「健康なんだから働くべき」「贅沢をするな」と言った声はしばしばである。

確かに生活保護受給者は可能な限り働き、生活の維持・向上に努めることは法律にも記載された義務であり、生活が維持できないような贅沢はその義務に反している。
また、暴力団員などが不正受給を行って逮捕される例も報じられており、こうした存在が、怒りに油を注いでしまっている面もある。

しかし、現実に受給しているからには、役所の審査(しかも上記のような水際作戦が存在している中で)を経た上で受給要件を満たしているのであり、正義マンがマスメディアを見ただけで審査結果を否定したり、義務違反を認定するのは誤りである。
むしろ、こうしたバッシングが行われることで、困っている人達も「バッシングの対象となるのではないか」と恐れて生活保護を頼ることをためらっているとも言われている。

生活保護を題材にした作品

健康で文化的な最低限度の生活/作・柏木ハルコ
闇金ウシジマくんの「生活保護くん」編

関連タグ

法律 福祉 ナマポ
格差社会 弱者 差別 貧困 朝日訴訟

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