現役職員による記述のため、主観的なことが含まれます。ご了承ください。
しかしながら、介護業界はかつてない危機にあり、利用者・関係者ともに注意しなければならない事が山積しており、時に生命に関わる大変危険な状態が続いています。
概要
古来、家庭内で行う行為とされ、近現代では主に嫁(息子の妻)や娘などの女性が行うものとされていた(事情によっては息子や孫などの男性が行う場合もあったが)。だが、介護は心身に多大な負担のかかる行為であり、一人で背負いきれるものではない。老人虐待、 介護疲れによる自殺や心中など、悲惨な話も多々伝えられている。しかし近年、核家族化、共働き夫婦の増加に伴い、介護施設が整えられ、介護保険制度の発足により介護産業が成立し、多くの女性が介護の負担から解放された。
だが、高齢化社会により介護にかけられる資金と人手は充分ではなく、介護職自体の過酷な勤務と低賃金から、現在も9割の施設が人員不足に悩まされている。そして、前述の問題からサービス残業が横行する施設も存在するなど、ブラック企業としての側面も持ち合わせている。また、認知症の悪化した入居者には介護職員に暴力を振るう者もおり、逆に介護職員による虐待事件も発生している。
極一部のケースではあるが、比較的健康な利用者の家族が無理を通して利用者の介護レベルを故意に上げるよう促し、受けなくとも問題のないサービスまで施設側が提供しなければならないという例もある。
こういったことが重なり、今もなお、悪循環は続いている。
また、極端な言い方をすれば介護に関する技術は他職業で活かせられる機会がほとんどないので、何とか介護業から他の職業へ転職しても上手くいかずに結局介護へ復職し、結果として上記の悲惨な事件へ発展する可能性もある。
pixivでは、ノンフィクションの作品や介護をするイラストについている。
介護職の現状
- 老人ホームの場合
基本は、利用者さんの食事、排せつ(トイレ)、入浴の介助をすることが主である。中には、寝たきりの方を車いすに移さなければならないことも。そのうえで、デスクワークやイベントの計画も立てなければならない。また、夜勤業務が一番過酷である。
- デイサービスの場合
朝早くに出勤し、まずは利用者さんの送迎から始まる。送迎が終わった後は、バイタル測定(体温、血圧を測る)をし入浴介助かフロアの見守りを行う。季節によっては、イベントの計画も立てなければならず、レクリエーションも考えなければならない。小規模であれば定時に終われるため魅力的ではあるが、大規模であれば遅くなるのが現実である。
それで、低賃金なので敬遠されるのは致し方ないのだが、法律で定められている以上どうしようもできないのが現状。(なお、ハローワークで記載されている勤務時間を大きく逸脱していたり記載されている業務内容とは全く異なる場合はハローワークに相談すること)近年は、社員の福利厚生を十二分にしたり、施設を増設したりしてどうにか人員を増やそうとあれこれ躍起だっているがそれでも、離職率は高いために難しい。
介護職員自身が思う問題点
上記のように、施設勤務では過酷な業務に人員不足などがたたり、現状はかなり良くない。経験者から言わせると始めから介護業界に行かず、他の業種で働く事をお勧めする。介護業界に関しては何のメリットも無く、ただ人生を無駄に浪費するだけである。
また、資格を持っても、長いブランクがあると、それまでの知識や技術が失われ、いざ就職をしてもどうすることもできずボーっとしてしまうなんてことも起きうる。書物を読んで思い出すという手もあるが、事業所によっては、自分が知っている方法とは全然違うということもあり、自身で手法を編み出すという手になることも(もちろん、覚えておいて損はない。要は、他者の手法を取捨選択するしかない)。
また、個々のやり方を古株の職員達が押しつけ合うが為に、新たにやって来た職員がその環境に馴染めず、結果的にせっかくの新人職員が早々に退職へ追い込まれてしまうという事も珍しくない。精神的な負荷も大きく、ノイローゼや鬱、心身症を患いリタイアする(辞職する)人が多いため、さらに負荷が高くなる。
規模によっては、試用期間を設けてあり、その間に自分自身でどうなのか、あるいは他の人から見てどうなのか判断され試用期間後に退職する人、あるいは評価が難しいために解雇される人もいる。そういうことが原因で、職員が利用者に対し、暴行を加えたり、傷害事件を起こす事も増えており、痛ましいことが続いているため、意見広告が新聞やテレビCMに出ることも少なくない。
まとめ
- 給与が安すぎる上に職場環境が劣悪、日本で最悪の職業
- 昔と比べ遥かに待遇が改善した土建築業界と比べても介護業界には将来が全くない
- やりがいがない
- 資格を取っても意味がない
ちなみに
逆のパターン(利用者が職員に暴行をするのは単に暴力の傾向あり(=介護抵抗)か
職員のミスによるもの)は良くあるのだが、
それが元で職員が重傷を負う(職務続行が一時的に不可能)、
他の利用者が怪我をする(利用一時中止または利用者本人か家族からの苦情)、
修復が必要なほど壊された(施設機能一時停止)
場合、残念なことに介護事業所の規約もしくは法律違反に該当してしまうため
他の事業所への転所または精神科病院への入院になる例もある。
もちろん、そうあってほしくは無いのだが、やむをえないのが現実である。
介護施設について
介護施設は、多種多様にある
- 老人保健施設
いわゆる、老人ホームのこと
デイサービス・ショートステイ・養護老人ホーム・特別養護老人ホーム(特養)
などの多機能の設備が整った場所を指す。
たいていの施設は、こちらを指す。
近年は、小規模で多機能の施設があるが法律上25人までしか入れない。
- ホームヘルプステーション
ホームヘルパーの拠点である。
たいていは、老人ホームに併設され車やバイクで訪問介護に向かう。
意外にも時間は短くパート職員が多い。
要支援1か2、もしくは要介護1クラスの人の家へ訪問し、生活援助を行う。
ただし、禁止行為もあるので注意は必要。
- グループホーム
法律では、住宅とみなされる。
入居条件は、要支援2から要介護5までと定められている。
もちろん、住宅地など住み慣れた地域に出来るのだが、
やはり、郊外に作られる傾向もある。
割と問題なのがここである。
近年、小規模多機能施設の隣に出来る事があるが、
連携が無いとうまく行かないのが現実らしい。
- 宅老所
民家を改造し、日中はデイサービスという形で高齢者を預かる施設。
もちろん、入所されている方もいる。
町はずれに出来ることがなく、住宅地などに出来るため、
急な環境変化に、高齢者が急変をすることがあまりなく、
施設ではない雰囲気なので違和感もない。
もちろん、そこからデイサービスに行く利用者もいる。
ほかにも、いろいろあるので自身で調べていただきたい。
施設勤務者
基本は、医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士、ホームヘルパー(訪問介護員)などの資格取得者で構成される。
もちろん、無資格でも介護職への就職はでき、そこで介護福祉士やホームヘルパーの資格を取ることもできる。中には新卒で介護に従事する人もいるが、多くは元会社員や元自営業など、他業界からの転身者である。女性労働者の比率が高く、勤続年数は短い。
今後
慢性的人員不足が続く介護業界であるが、「団塊の世代」が全員75歳以上になる2025年度には、介護労働者が30万人以上不足すると言われている。
対策として外国人労働者の介護分野への積極的受け入れなどが行われているようだが、「外国人なら低賃金で働かせられる」という理由であり、うまくいくとは思えない。人間はみんな年を取るし、いつかは人の助けを得ないと生きていけなくなる時も来る。しかし、現状、今後ともに課題が山積している。