概要
一過的・衝動的な暴力とは異なり、長期的・計画的に対象を傷付ける行為を指す。
類似の概念に「いじめ」があるが、「虐待」と称する場合には特に家族や施設(各種養護施設や刑務所等)の入所者など特定の人物の保護管理下に置かれて、逃走や抵抗が困難な相手に対して行われるものを指す。
※(いじめもやり方によって相手を精神的に追い詰めて被害者が逃亡や反撃ができない精神状況に追い込む事例がある為実際には虐待の一種(校内虐待など)である)
こんな毒親では人生ハードモードどころではなく、衝動的に殺害される場合もある。
種類
現在の所、その手段は以下の5種類に大別されている。
- 身体的虐待:物理的な暴力を加える。障害者施設や高齢者施設等でよく問題になる「身体拘束」もこれにあたり、それを実行するには「一時性(身体拘束その他の行動制限が一時的なものである事)」「切迫性(利用者本人又は他の利用者等の生命又は身体が危険にさらされる可能性が著しく高い事)」「非代替性(身体拘束その他の行動制限を行う以外に、やむを得ず代替えする介護方法がない事)」の3つを全て満たしている事と、利用者のご家族に十分な説明をして予め同意を得る必要がある。
- 性的虐待:性犯罪全般。
- 心理的虐待:各種脅迫、差別的扱い等により精神的に追い詰める。ちなみに「暴力を見せる、ふるわせる」事はこちらに含まれる。多くのいじめも該当。
- ネグレクト:保護責任者として必要な行為(食事の提供、衛生管理、必要な教育を与える等)を行わない。無視をする。
- 経済的虐待:金品を与えない、奪い取る、困窮させる。
これらは一つに絞られるというより、むしろ複合的に用いてより強い支配を行う手段とされる傾向が強い。
また、子供相手に行われるものを「児童虐待」、動物相手に行われるものを「動物虐待」と呼び、その性質の特殊性から特に専用の対策が講じられている。
もっとも、高齢者、障害者などへの虐待行為が次々と新たに「発見」されているのが現状であり、そうした対策が社会の隅々にまで行き渡るのはまだ先になりそうである。
近年では信仰の強要により思想・良心の自由を侵害する宗教虐待が問題に挙がっている。
立場の弱い者を守るという意味でそれらに警戒する事自体は問題ないが、近年では虐待という言葉に敏感になり過ぎるあまり、軽く小突いたりちょっとした嫌味を発言するといった行為ですら虐待と捉えられて問題視される事例も出てきており、中にはしっかりとした調査も行われないまま「事実とは関係なく、そう見えた時点で虐待と認定される」というケースも極稀ながら存在する。
昨今のSNS社会で発信・拡散された情報の正誤の見極めが困難になりつつあるという事情も相まって、その行為が虐待か否かの線引きは非常に難しくなってきている。
兆候
見た目が痣だらけの栄養失調でガリガリであれば逆に分かりやすいが
相手は隠蔽を行うため、見た目では判断できない場合も多い。
意外な盲点として「歯」など。
こまめな手入れが必要で容易に治らない部分に着目する手もある。毒親から見れば、可愛くもない子供が虫歯で苦しもうが知ったこっちゃないし、治療や検査の金や時間がもったいない…というわけである。
虐待と犯罪の関係
「子供は親の背中を見て育つ」というように、子供が大人に、親になった際、幼少期に親からされた事をそのまま真似る事があるが、それは虐待や体罰も例外ではなく、虐待を受けて育った人間が犯罪に手を染める例が度々発生しており、中には殺人を犯し、死刑判決を受けた例(殺人ピエロとしてアメリカを震撼させたジョン・ゲイシー等)もある。
以下に、日本国内にて虐待の被害者が起こした凶悪事件をこちらに述べる(発生順)。
事件名 | 主な内容 | 犯人の詳細 | その後 |
---|---|---|---|
附属池田小事件 | 殺人、殺人未遂 | 父親から暴力を受け、母親からも授乳を嫌がられていた。また、当人の一族は下級武士の家系だったが、犯人が事件を起こした末に断絶している | 死刑 |
闇サイト殺人事件 | 殺人 | 犯人の一人が親や親族から身体的虐待やネグレクトを受けている。 | 死刑(15年執行) |
秋葉原通り魔事件 | 殺人 | 実母から虐待を伴った苛烈な受験教育を受けている。尚、事件後両親が離婚、犯人の弟も自死しており、事実上一家が断絶してしまった | 死刑(22年執行) |
黒子のバスケ脅迫事件 | 脅迫 | 両親からの虐待の他、学校でいじめを受けた際、教師からも助けてもらえなかった。 | 実刑 |
当然、虐待を受けた人間全員が将来、成人した時にこの様な凶悪犯罪者になるとは限らない(恵まれた環境で育った人間ですら不可抗力等で罪を犯してしまう事もある)が、それでも受けた本人の心身に影響が出るのは事実であり、この様な事件が起こらないよう当人の心身のケアが欠かせなくなっている。
また、日本心理学会によれば虐待によって脳の構造に変化が生じ、情動のコントロールが難しくなっていくことも判明されている。
ドラマでは、加害者家族同様それが苛烈に描かれる事もある。
関連イラスト
その特性上、R-18Gタグの付くイラストの割合が高い。
性的虐待の一部はR-18一般扱いで投稿されている事があるほか、リョナ趣味者の中には関連タグを一切付けていない者もいる(念のためフォローしておくと、常識的な趣味者はやってはいけない異常な行為と理解した上で投稿しており、そのような無法者を「虐厨」として嫌悪している)。
関連タグ
ネグレクト いじめ DV モラルハラスメント パワーハラスメント 嫌がらせ
以下は特定のキャラを対象とした虐待系のタグに付き、好きな人は閲覧注意。
まあ、公式でこの流れになってる人もいますが。