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概要

2008年6月8日12時30分頃、当時25歳だった派遣社員加藤智大東京都秋葉原の中央通りで、レンタカートラックで信号無視をして人を轢き、さらにはダガーナイフを使って人を殺し、7人が死亡、10人が負傷した事件。最終的には旧サトームセン(現:セガ秋葉原3号館)で逮捕された。

この時中央通りは日曜日の日中で車の侵入が禁止された歩行者天国の時間帯だったため、それを逆手に取った大量殺人となった。

裁判の結果、加藤は2015年に死刑判決を受けた。

犯人・加藤智大

1982年9月28日、青森県五所川原市出身。
銀行員の夫婦の間に生まれた。

母親は徹底した学歴至上主義で、幼い頃から加藤にエリート志向の教育を叩きこむ毒親であった。
その教育方針は常軌を逸しており、ゲーム漫画アニメといった娯楽は元より、友達との付き合いから女子との交流まで厳しく制限した。
勉強に関しても、間違いやミスがあるとヒステリックになり、時には虐待も加えた。

実は母親は県内トップの高校に入学したものの、大学受験に失敗したことで不本意ながら高卒で就職した過去があった。
そこから生まれた強烈な学歴コンプレックスを息子に叩きつけていたのである。
加藤の実弟(後述)も、母親を「自分が常に正しいと思い込んでいる人」と酷評している。

おかげで加藤の学業成績は優秀だったが、この教育の反動も発現し、中学時代から暴力的な衝動や、人付き合いの下手さが露になる。
高校は母親と同じ県内トップの高校に進学するも、母親に十分に逆らえる年齢になったことで以降は反抗的になり、成績も急降下。
母親が望んでいた北海道大学への進学は叶うはずもなかった。

2001年に高校卒業後は自動車短大に進学。既に勉学に励む意欲は無く、自動車整備の資格などを取得せずに惰性で卒業。
2003年には非正規雇用警備員となった。
しかし、2年後に職場の不満への抗議として無断欠勤し、そのまま退職。

以降、非正規雇用の職を転々としては「職場への不満により無断欠勤し退職」という流れを繰り返した。
2007年にはトラック運転士として晴れて正社員になるも、やはり無断欠勤からの退職となった。
この頃から、インターネット掲示板にのめり込むようになり、自虐ネタでスレッドを立てては掲示板上での交流を楽しんだ。

2008年には加藤を茶化す目的でなりすましの荒らしが現れるようになり、これが加藤の感情を逆撫ですると同時に、周りが自分に構ってくれないことへの不満を募らせた
この孤独感がエスカレートした結果、掲示板に殺人を仄めかす書き込みをするようになる。

そして事件当日、静岡県沼津市で借りたレンタカーの2トントラックで秋葉原へと向かう。
事件を起こすまでに実況のように複数回の書き込みを残し、最後は「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います みんなさようなら」「時間です」と書き込み、凶行に走った。

動機

犯行動機はネット掲示板でのトラブルを発端とする抗議であった。
先述の無断欠勤と退職が示す通り、加藤は激情を言葉ではなく態度で周囲に表す傾向があった。

加藤が派遣社員であったことから、メディアでは当時流行していた派遣切りと絡めて社会情勢に動機を求める向きが強かったが、これを加藤は明確に否定している。
また、ネットでは彼を「社会に一矢報いた負け組のヒーロー」扱いする声もあったが、これに対しても「自分の努力不足を棚に上げて勝ち組を逆恨みするその腐った根性は不快です」と拒否反応を示している。

二次災害

事件後、加藤の実弟にまで被害が及んだ。
マスコミに職場や住まいなどを特定され追い回され、何度引っ越しや転職をしてもそれは続いたという。
事実上のパパラッチが行われていたのである。

実弟は、交際していた彼女に打ち明けられずにいたが、普段は飲まないの力を借りて彼女に事を打ち明けると「あなたは、あなただから関係ないわ」と受け止められ、お互いが心を開いて話せる相手として希望が生まれていた。

月日は流れ、結婚まで進もうとしていた時に、彼女の両親が猛反対し関係が危うくなった。
その時、イライラしてしまっていた彼女に「一家揃って異常だよ、あなたの家族は!」と暴言を吐かれたことで悩みに悩んで

「あれから6年の歳月が流れ、やはり自分は【犯人の弟】であることを思い知りました。」
「【加害者の家族というのは、幸せになってはいけない】というのが実際のところです」
「僕は、生きることを諦めることにしました。死の理由に勝る、生きる理由が浮かんでこない。どんなに考えても、浮かんできません。もし、浮かんできたのなら教えてください」

とコメントし、事件から6年後の2014年に自殺してしまった。

影響

この事件を受けて秋葉原の中央通りはしばらくの間歩行者天国を封印されることとなった(3年後の2011年に解除)。

なお、この事件が発生する前の中央通りとその周辺は様々な違法行為や迷惑行為(無許可の出店、アングラパーツの不正取引、募金詐欺、無届けのデモやライブ、パフォーマンス行為、エウリアンメイド喫茶の執拗な客引き、果ては迷惑コスプレイヤー達によるエアガンを用いた歩行者天国内での銃撃戦まで発生したことがある)が横行しており、半ば無法地帯と化していたのだが、皮肉なことにこの事件とそれに伴う歩行者天国の休止、それと警備の強化により大半が一掃され、治安が向上する結果となった。

また、2015年に放送されたTVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダーズ エジプト編』では、原作に暴走した車が通行人を次々と轢き殺すというこの事件を彷彿させるシーンがあったため、アニメ化にあたり直接的な描写が規制されるという事態となった。

余談

加藤は獄中から実名で複数の著書を出版している。
中には東拘永夜抄なるタイトルの書籍もあり、元ネタのファンから顰蹙を買った。

関連タグ

キレる17歳 アキバ 歩行者天国 毒親
京都アニメーション第1スタジオ放火事件

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