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概要編集

裁判により死刑が言い渡され、執行を待つ身となった囚人のことを指す。

死刑判決が出された場合、被告は上告する場合が多いため、三審制度においては最高裁判所で死刑が言い渡された場合、もしくは第二審の上告を棄却した場合(つまり死刑と認める)を指す。


現代日本における死刑囚の「刑罰」は「本人の死亡」そのものであるという考えから、「死刑執行に至るまでの期間の身柄拘束は刑の執行ではない」として、執行までの間の身柄は通常、「刑罰を科すための施設」である刑務所ではなく拘置所に置かれる。

もちろん、「窮鼠猫を嚙む」というがある通り、死刑が確定した囚人は何をしでかすかわからない(広島護送死刑囚脱獄事件のように、死刑を宣告された囚人が脱獄してさらに罪を重ねたり、行方をくらませて逃げおおせた例も実際に発生している)ので、一般的に死刑囚は厳重な監視下に置かれる。


刑事訴訟法475条によれば、死刑執行は確定から6ヶ月以内に行わなければならないとされている。しかし死刑囚が実際に刑を執行される(=死ぬ)までの期間(待機時間)は囚人によってまちまちで、数十年単位で執行されないケースもあれば、大阪の附属池田小事件のようにわずか1年程度で速やかに執行されたケースもある。

こうした事象は、生存権という人間であれば誰しもが有するとされる権利を最も厳しい手段で奪う死刑の執行は、法曹界において475条は努力目標であると解釈されており、実際にそうした判例もなされていることから歴代の法務大臣の信条なども執行数に影響していることに起因する。


死刑囚も拘置所で「生きている」うちは衣食住を保証しなければならないことが法律で義務付けられているため、長期間にわたって「生かして」おくことは税金の無駄遣いだとする意見もあるが、一方で死刑を宣告された者が冤罪だった可能性が後年になって浮上するケースもあり、難しい問題となっている。

実際に2023年に再審請求がなされた袴田事件の当時者である袴田巌氏は、逮捕から執行停止まで48年に及び身柄を拘束されており、その後遺症で心身に深刻な障害を負うこととなった。警察の杜撰かつ非人道的な捜査が横行していた時代と比べ、捜査に発展した科学技術が導入された現代ではこのような事例は少なくなっているとされるも、1998年に起きた和歌山毒物カレー事件や、2008年の大阪個室ビデオ店放火事件のように冤罪の可能性を指摘されている事件は20世紀末以降でも起きており、これもまた死刑制度の難しさを象徴する事例となっている。


こうした背景もあり、弁護士や市民団体とともに真面目な再審請求を行う死刑囚もいる一方で執行を可能な限り伸ばしたいためだけに再審請求や些末なことでの基礎などを起こす例もあり(再審請求中でも執行されるときはされるが)、「死刑を宣告しても刑が執行されない、あるいは刑が取り消される」可能性も出ているため、被害者やその遺族らにとっては心が休まらない状態が続いている。


その他の用法編集

  1. いわゆるなんJ用語としての死刑囚は、メジャーリーグにおける大型契約(それこそ年俸総額1億ドル以上のような)をしながらそれに見合った活躍が出来ず、成績が低迷したまま契約解除を待つ身を露悪的に表現したものである。
  2. ブルーアーカイブ小鳥遊ホシノの「こんな貧相な体が好きとか言っちゃう輩なんて、人間としてダメっしょー」という台詞が、韓国版では「こんな貧弱な体が好きな人はダメな人間だよ、死刑だよ」と改変されたため、韓国でのホシノ推しの先生がそう呼ばれているとか。

死刑囚設定のキャラクター編集


※「元」死刑囚も含む


死刑囚が主役の作品編集


関連項目編集

法律 刑務所 処刑 女囚 囚人 囚人服 少年死刑囚

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