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スタンド使いは スタンド使いにひかれ合う!


概要編集

荒木飛呂彦原作の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第4部の副題。連載期間は1992年4月21日から1995年11月13日まで。単行本では29-47巻にあたる。

連載当時の副題は「第4部 東方仗助」で、記事名の表題は後につけられたもの。

なお、文庫版で付けられた日本における公式な英語表記は「Diamond is not Crash」だが、英語としては誤った表現であるため、英語圏およびPS3ゲーム『オールスターバトル』では「Diamond is Unbreakable」のタイトルで発表されている。後述するアニメ版でも製作チームが「ジョジョの奇妙な冒険DU 制作委員会」という表記になっている。


あらすじ編集

1999年、空条承太郎は祖父のジョセフ・ジョースターの遺産分配について調査する過程で、彼の隠し子、東方仗助がいることを知る。仗助に遺産についての説明と謝罪、そして杜王町に危機が迫っていることを告げるため、仗助の住む杜王町を訪ねる。


杜王町で発生する不可解で奇妙な事件に、仗助らは平凡な日常を送りながらも、町に潜むどす黒い闇に立ち向かっていくことになる。


特徴編集

第5部「黄金の風」と並んで、ジョジョシリーズの中でも比較的独立した部となっている。

前作「スターダストクルセイダース」までとは違い、杜王町という日本にある架空の町の中だけでストーリーは進行する。序盤はスタンドを生み出す石矢を巡る争い、そして中盤から登場した殺人鬼・吉良吉影がラスボスとなり、彼から町を守るべくスタンド使い達が奮闘する。

登場人物達はごく普通の日常生活を送る中で時折事件に遭遇するという形式になっており、「日常の中の非日常」が描かれるというシリーズ中でも異彩なストーリーが展開されそういった面を好むファンも多い。


また、スタンド能力を使用しての犯罪行為はスタンド能力を持っている者にしか認知する事が出来ず能力的にも法的にも警察組織では対応できない点が強調されており、「スタンド能力者の犯罪行為を阻止し、必要とあれば報いを受けさせる」というのが主人公側の基本的なスタンスとなっている。ともすれば法律で裁けない悪人と戦っているとはいえ私刑とも取られかねない(というより実際に私刑)スタンスだが、作中で主人公側が実際に殺害したのは鼠と幽霊(?)だけである点も他の部には無い特徴である。元々、平和な日本を舞台にした事に加え、中には戦闘力がほぼ皆無で人の役立つ能力を発揮するスタンド等もおり、そういった点も、殺伐とした戦いや展開の多いジョジョ本編の中でも極めて異色と言える。


前後の第3部第5部と比べ直接戦闘向きでないスタンドも多い。これは、スタンドの矢によって不意にスタンドを発現させてしまったからと考えられる。そのためバリエーションも料理、美容など様々。

また、本章はおそらく全シリーズの中でもコメディタッチの使用が最も多く、ギャグ顔なども盛んに登場している(特にストーリー序盤から中盤にかけて)。


また、スタンド能力のタイプ分けや上述されている「スタンド使いは スタンド使いにひかれ合う」というスタンド関連の設定が確立された部でもある(超能力を可視化する表現手法としてスタンド能力を設定した作者の意向が反映されているのか、登場人物の中で戦闘用として能力を使用しない能力者も少なくない)。


この作品は、作者が若手から中堅、ベテランへと立場が変わりその作風が固まっていった時期でもあるため、全編中最も画風の変化が激しい部となっている。

特にキャラクターのビジュアルの変化は顕著で、序盤の男性キャラクターが第1部以来の北斗の拳魁!!男塾に代表される80年代アクション漫画の影響を強く受けた、逞しい体躯と精悍な面持ちであったのに対して、後半以降スリムで女性的になっていき、一般の漫画ファンがイメージするジョジョのスタンダードな画風が確立されていくことになる。


本部以降、物語の西暦が連載時の西暦より先行する事になった。


第8部「ジョジョリオン」でも同名の町が舞台となる。


主要な登場人物編集

※CVは ASB・EOH / テレビアニメ版 の順


ダイヤモンドは砕けない

声 - 羽多野渉 / 小野友樹

本作の主人公。リーゼントが特徴的な青年。温厚で軽い性格だが髪型を貶されるとキレる


広瀬康一

声 - 朴璐美 / 梶裕貴

仗助の親友で準主人公。元々はスタンドすら見えないただの一般人だったが、作中中盤に起きた虹村一家との戦闘で矢を刺されたことでスタンド使いになった。ストーリーが進むごとに成長していく。設定と比べて身長が低すぎる少年。


The Hand

声 - 高木渉 / 高木渉

仗助の親友その2。仗助との戦闘後、仲間になった。よく仗助といっしょにバカやってる相棒的存在。怖い顔つきだが情に厚い性格。


空条承太郎

声 - 小野大輔 / 小野大輔

第3部「スターダストクルセイダース」の主人公でDIOを倒した男。彼がジョセフの隠し子である仗助に会いに杜王町にやってきた場面から物語が始まる。


岸辺露伴

声 - 神谷浩史 / 櫻井孝宏

ピンクダークの少年』を連載している大人気漫画家。リアリティを徹底的に追及し、エキセントリックな性格をしている。仗助達と別行動で活躍することが多い。康一を気に入っている人その1であり、自称親友。


ジョセフ・ジョースターの青春

声 - 杉田智和(ASB)石塚運昇(EOH) / 石塚運昇

第2部「戦闘潮流」の主人公で仗助の実の父親。危険なスタンド使いを探すために来日したが、かなりボケてしまっている。老齢のためか戦闘シーンは全くないが、透明の赤ちゃんを隠者で探すなど要所で活躍する。


これから君をなぶり殺すからな。

声 - 小山力也 / 森川智之

「平穏な生活」を望んでいるごく普通な目立たない会社員。しかしその正体は、女性の美しい手を切り取り「彼女」として生活するという異常な性癖を持つ、恐ろしい連続殺人鬼。第4部のラスボス。


JOJO四部

声 - 広橋涼 / 原紗友里

吉良に殺された犠牲者の幽霊。吉良の殺人を知らせて犯行を食い止めるために、飼い犬のアーノルドと一緒にこの世に留まっていた。


僕が“賭けた”電話

声 - 佐藤ゆうこ / 佐藤利奈

一般人の少年。スタンドは持っていない。当初は少々ひねくれた性格だったが作中で大きく成長する。終盤で仗助に協力。



その他の登場人物はダイヤモンドは砕けないの登場キャラクター一覧を参照



TVアニメ版編集

2015年10月24日、テレビアニメ化が発表された。2016年春アニメとしてTOKYOMXMBS東北放送BS11アニマックスで放送された。スターダストクルセイダースのネット局からCBCRKB毎日放送が離脱となった。放送は2016年4月2日にスタート。


詳細は【ジョジョの奇妙な冒険(アニメ)】へ。


実写作品編集

実写映画「ダイヤモンドは砕けない 第一章編集

正式タイトルは「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」。ワーナー・ブラザース東宝の初の共同制作という形で実写化された。2017年8月4日に公開。

詳細は【ダイヤモンドは砕けない(実写映画)】へ。


実写ドラマ「岸辺露伴は動かない編集

第4部のスピンオフ「岸辺露伴は動かない」の実写ドラマ化。制作はNHK。無理なく原作を実写に落とし込んでおり、高い評価を得ている。第4期まで制作・放送済み。

詳細は【岸辺露伴は動かない(実写版)】へ。


実写映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く編集

実写ドラマの好評を受け、2023年に岸辺露伴シリーズ内の一エピソード「ルーヴルへ行く」が実写映画化された。「ルーヴルへ行く」はルーヴル美術館からのバンド・デシネプロジェクトの依頼により描き下ろされた一編であり、なかなか許可が降りないルーヴル美術館での撮影も行われた。

詳細は【岸辺露伴ルーヴルへ行く(実写映画)】へ。


スピンオフ編集

岸辺露伴は動かない編集

第4部に登場する岸辺露伴を主人公(狂言回し)にしたスピンオフシリーズ。個別に単行本化済み。「岸辺露伴は動かない」のスピンオフ小説として、北國ばらっどらによる短編小説集「岸辺露伴は叫ばない」「岸辺露伴は戯れない」「岸辺露伴は倒れない」がある他、OVA化・実写ドラマ化・実写映画化もされるなど高い人気を誇る。


デッドマンズQ編集

第4部に登場する吉良吉影のその後を描いた一編。荒木飛呂彦短編集「死刑執行中脱獄進行中」に収録された。


The Book編集

杜王町のその後の話を綴る、第4部の後日談。著者は乙一


クレイジー・Dの悪霊的失恋編集

第4部の前日譚という位置付けのスピンオフ小説・漫画。ホル・ホースら第3部のキャラクターも登場し、実質的な公式混部作品となっている。


余談編集

ジョジョ連載25周年の2012年、カプコンの『モンスターハンター3G』でコラボレーションが行われた。このうち、コラボクエスト「黒曜石は砕けない」が尋常ではない難易度を誇るクエストとして、プレイヤーの間では話題になった。

詳細は【黒曜石は砕けない】へ。


関連タグ編集

← 第3部第4部第5部 →
スターダストクルセイダースダイヤモンドは砕けない黄金の風

荒木飛呂彦 ジョジョの奇妙な冒険 ジョジョ JOJO 4部

スタンド スタンド使い ジョジョの奇妙な冒険・スタンド一覧 混部

杜王町 ガオン だが断る じゃんけん 黄金の精神


2016年春アニメ


魔少年ビーティー

荒木飛呂彦の連載デビュー作。セルフオマージュの意図があったのかは不明だが、本作に通じる要素が多い。

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