曖昧さ回避
- イギリスのロックバンド、QUEENが1974年に発表した楽曲。→KillerQueen
- 荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第4部「ダイヤモンドは砕けない」の登場人物、吉良吉影が持つスタンド。名称は1.に由来する。本稿で解説。
- FLATの同人ゲーム及び派生作品。『シークレットゲーム』を参照。
- 『むこうぶち』に登場する女雀士・巫藍子(かんなぎあいこ)の異名。
- Ayaseが投稿した初音ミクオリジナル曲。
概要
キラークイーンはすでに
この概要にさわっているッ!!
【破壊力 - A / スピード - B / 射程距離 - D / 持続力 - B / 精密動作性 - B / 成長性 - A】
容姿
随所にドクロのデザインをあしらった、猫型の筋肉質な獣人のような姿。
右手人差し指の先端には起爆スイッチが付いている。
腹筋部はシャッターのように動かすことができ、猫草を入れられる程度の空間がある
能力
近距離パワー型のスタンド。パンチで人体を貫通させられる程のパワーを持つ。
エコーズACT3のラッシュを余裕のパフォーマンスで防ぎ裏拳のカウンターをお見舞いするなど、吉良もかなりパワーに自信を持っていたようだが、真の一線級と比べるとスピード・パワー共に劣っており、作中で行われた純粋な殴り合いでは、スタープラチナとクレイジー・ダイヤモンドにほぼ一方的に叩きのめされている。それも承太郎は『靴のムカデ屋』での交戦時にシアーハートアタックの爆弾で重傷を負い、仗助は脇腹に家具の破片が突き刺さる深手というハンデつきの状態だったので、ベストコンディションなら瞬殺された可能性すらある。
吉良自身は「戦ったとしてもわたしは誰にも負けんがね」と豪語していたが、闘争を避ける平穏無事そのものの生活を送っていたため、実戦経験は皆無。スタンド能力者との戦闘体験もなく、鍛錬や自己研鑽とも無縁だったので、拳を交えた仗助には「ハングリー精神に欠け、動きがすっトロイ」「一対一の戦いに向いていない」と評されてしまっている。
しかし、このスタンドの真価はパワーではない。手で触れた物を「爆弾」にする能力である。
第一の爆弾
キラークイーンが触れたものを爆弾に変える。
爆弾は2種類×2種類の合計4種類の性質を使い分けができる。
まず「何が爆発するか」について、
- 「爆弾自体が爆発する」
- 「爆弾に変えた物体に触った者を内側から爆発させる」
の2種類の性質のどちらかを設定し持たせられる。
後者の場合、爆弾になった物体そのものは爆発後も無傷で残っている。
次に「どうしたら起爆するか」について、
- 「キラークイーン右手のスイッチを押すことによってのみ爆発する」(重ちーと交戦した際には左手でスイッチを押していた)
- 「他の物体に接触すると即座に爆発する」
の2種類の起爆方法を選択できる。
前者の場合は言い換えればキラークイーンが起爆スイッチを押さない限り、対象は何をしても爆発しないが、望まない対象を巻き込まないように爆破タイミングを意図的に調節ができる。
後者の場合は誰かが触ると勝手に爆発してしまうため、意図しないタイミングで爆発してしまうリスクがあるが、スイッチどころかキラークイーンを出していなくても、吉良本人が視認できない所でも爆発が可能。
これらをそれぞれ組み合わせ、爆弾化する時に性質を決定する。
ただし性質は対象を爆弾に変える時にしか決められず、一度爆弾に変えてしまったら後から性質の再設定は出来ない。また、一度何かを爆弾に変えると、その爆弾が爆発し終わるまでは新たに爆弾を作れない。更に、自由な距離で爆発させられるとしても、自分を巻き込む位置での爆発はできない。これは接触型の爆弾であっても同様。
平穏を目指して犠牲者を爆破し証拠を隠滅する用途で発現した能力であるためか、仗助が自分自身を直せないように吉良自身を爆弾に変える事も出来ない模様(猫草戦において自身の血管を爆破しているのは体内に侵入した空気の塊を爆弾に変えたもの)。
自身を「触れた者を内側から爆破する、本体は無傷な爆弾」に変えられれば、敵に殴られた瞬間相手が即死して自身は無傷になるはずだが、そういった事は不可能なようである。
ほぼあり得ないシチュエーションではあるが、周囲に空気が存在しないと起爆できず不発に終わる弱点も存在する。そのため空気を操作するスタンドである猫草=ストレイ・キャットには爆弾攻撃を封じられ苦戦を強いられた。
爆弾にするものは幅広く選べるようで、最終決戦では猫草の能力によって触れるようになった圧縮空気弾(つまり空気)を爆弾にしていた。能力によって『爆弾』にされているので、空気弾を叩こうが潰そうが切り裂こうがしぼみはない。
とりあえず「接触が可能かつ実体のあるもの」ならば何でも良い扱いなのだろう。
能力と呼べるかは微妙であるがキラークイーンは腹部をシャッターのように開閉が可能でそこに空間あり、猫草を収納して空気弾を射出する『武器』として利用している。軌道も自在に変えられるようである。
爆破の精密性もなかなか高く、「美那子と彼氏」のケースでは、彼氏の方はイヤリングと耳だけを残し、美那子は右手以外を消滅させるなど、爆破の規模や対象のどこを残してどこを消滅させるかも、吉良が自在に指定ができる。爆破の規模も調節可能であり、殺傷能力を十分に持つ爆破にもできれば、自分を巻き込まず無音で蒸発するように爆破もできる。
しかし基本的には被害者は跡形もなく消しており、欠片一つ残さない。この性質により、吉良は長年にわたり証拠を残さず殺人を続けていた。
一度に一発しか爆弾化できないという制約はあるが、汎用性が極めて高いのが第一の爆弾の強みであり、作中でも戦闘に証拠隠滅にと大活躍している。触れたものを爆弾に変えるのは、言い換えると「触れられたら負け」と呼べる能力であり、戦う相手はキラークイーンの掌に細心の注意を払わねばならない。
後述する第二・第三の爆弾は強力無比である代わりに制約も多く、使いどころが限定的になりがちなクセの強い能力であるため、最終決戦の戦闘でも主に使われたのは第一の爆弾だった。
康一との戦闘の際には、吉良はこのスタンドを「この指先はどんな『物質』だろうと『爆弾』に変えられる...そして、それに触れたものは『爆破』される」と説明している。
ちなみに、爆弾自体が爆発する爆弾と接触型の爆弾は、実のところ彼が川尻浩作になるまで作中では1度も使用していない(辻彩を爆殺した時も、よくコマを見ると服のボタンからカチリという音がしている)。
第二の爆弾「シアーハートアタック」
【破壊力 - A / スピード - C / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - A】
声 - カシワクラツトム(オールスターバトル) / 森川智之(TVアニメ)
キラークイーンの左手に装着されている、骸骨の顔を持つ手榴弾に戦車のキャタピラがついたようなデザインのスタンド。 「熱」に反応して対象を自動的に追尾し、爆発攻撃する性質を持つ。遠隔自動操縦型。
吉良自身「弱点はない」と豪語する。
名前の由来は上述の、「キラークイーン」が収録されているアルバム「Sheer Heart Attack(シアー・ハート・アタック)」。
本来の意味は「突然の心臓発作」だが、「心臓への一撃」「暗殺者のナイフ」の隠語でもあり、その名の通り相手の知らぬ間に近づき爆破してしまう。
第三の爆弾「バイツァ・ダスト(負けて死ね)」
【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - D / 成長性 - A】
物語の終盤、追い詰められた吉良吉影にスタンドの矢が刺さって発現した新たなる能力。対象を爆弾に変え、自分を調べようとする人間を爆破させると同時に、自分の周りの時間を1時間ほど巻き戻す無敵の性質を持つ。
名前の元ネタはクイーンの楽曲「Another One Bite The Dust」。
oneは「誰か不特定の人物」、biteは「噛む」、the dustは「ちり、ほこり」などの意味で、直訳すると「また誰かが地面に這いつくばる(命を落とす)」。「負けて死ね」は意訳である。
詳しくは下記余談にて。
なお、劇中で吉良がバイツァ・ダストを発動させたシーンは一度も描かれていない。
「アイズオブヘブン」などゲーム作品でこの技を使う際は、原作ラストバトルで行われたある演出がバイツァ・ダストの発動シーンとして使われている。
第8部「ジョジョリオン」
第8部に登場する吉良吉影も、同姓同名の別人ではあるがスタンド「キラークイーン」を有している。
大まかなスタンドデザインは第4部と変わらず、爆弾に関する能力も変わらず持っている。ただし、こちらは「爆発性のあるシャボン玉を飛ばす」能力であり、人体やバイクのタイヤなどに仕込ませて内側から破裂させる。また手から「シアーハートアタック」を複数飛ばす芸当ができる。こちらは第4部のものと比べると精密性に優れており、ミクロサイズにまで小さくして血栓を破壊して、幼少時の仗世文を救っている。
詳細は「キラークイーン(ジョジョリオン)」へ。
余談
- 由来
能力の由来は、元ネタの楽曲のサビ「She's a Killer Queen Gunpowder, gelatine Dynamite with a laser beam(彼女はキラークイーン、ゼラチンか火薬か、それともレーザービーム付きのダイナマイトか)」だと思われる。
この後に「Guaranteed to blow your mind Anytime(お前の思考を木っ端みじんにできる、いつでも)」と続く。
原曲ではこのように男の心(性欲)を知り尽くしており理性を吹っ飛ばして金づるにするのが上手い悪女を歌っているのだが、これを微妙にずらして女性の身体を(物理的に)吹っ飛ばして性的な玩具に変えてしまう男性の殺人鬼のスタンド名にする辺り、流石の荒木流アレンジ術といえよう。
ちなみに、ここでいう「gelatine」は食べるゼリーの材料ではなく、他の物騒な流れからニトログリセリンのような爆薬の事。
シアーハートアタックとバイツァ・ダストの由来である「Sheer Heart Attack」は【心臓を一突き】、「Another One Bites the Dust」は先述の通り【また誰かが命を落とす】との意味で、こちらも見敵必殺のシアーハートアタック、誰にも知られず邪魔者を葬り去るバイツァ・ダストの能力を見事に体現した良いネーミングである。
ちなみに
「Sheer Heart Attack」は本来の「突発的な心臓発作」から転じて「心臓を一突き」以外にも「暗殺者のナイフ」の隠語として用いられる。
「Bite The Dust」は「決定的な破滅」「手の施しようのない崩壊」、また日本語でも「地を舐める」と訳するように「勝負に負けて地面に這いつくばる」事態を表す英語圏の慣用句。クイーンの造語ではない。
- 対比
仗助のスタンドクレイジー・ダイヤモンドとは「壊れた物体を直す能力」を持つことから、作中でもある意味「壊す能力」を持つキラークイーンとは正反対の性質を持つとして度々対比されており、仲間と共に身を挺してでも人々を守る仗助と、自分の平穏を保つためなら他人も平気で傷つける吉良の各々の性格を象徴している。
- ユニクロ
2006年、ユニクロとのコラボ企画で「キラーダンシングクイーン」「キラータイガークイーン」などの別デザインが公開された。
- パブリックアート
JR大阪駅の駅ビル「イノゲート大阪」1階で、パブリックアート『THE FOUNTAIN BOY(噴水小僧)』として披露された際に一緒に描かれた。作者曰く強い順に描いたようで、詳細な順位は不明だが、一位とも二位とも見られる位置に描かれている。
関連イラスト
関連タグ
吉良吉影(ジョジョリオン) キラークイーン(ジョジョリオン)
歴代ラスボスのスタンド
- ソフト&ウェット:第8部主人公の東方定助のスタンド。第8部の吉良吉影と関係のあるキャラクターであるが、能力は、皮肉にも、第4部のキラークイーンとシアーハートアタックとバイツァ・ダストの3つに対応できうる相性の悪いスタンドとなっている。
- ボクのリズムを聴いてくれ:第7部にて登場したスタンドで、キラークイーンと同じ触れた物体を爆弾に作り変える能力を持つ。
- 産屋敷ボンバー:中の人ネタ