産まれろ…生命よ…
産まれろ…新しい命よ…
概要
【破壊力 - C / スピード - A / 射程距離 - E(2m)→C / 持続力 - D / 精密動作性 - C / 成長性 - A】
第5部「黄金の風」に登場する主人公「ジョルノ・ジョバァーナ」のスタンド。
テントウムシがモチーフの近距離パワー型で、触れた物体に生命力を注ぎ込み、そこから動物や植物といった生物を生み出す能力を持つ。
ラッシュ時の掛け声は父親を彷彿させる「無駄無駄無駄無駄…無駄ッ!」。
ちなみに射程距離は原作時点ではE評価(2m)だったが、25周年画集「JOJOVELLER」やアニメ版ではCにランクアップしている。おそらくだが他のパワー系スタンド同様に、人型の姿で攻撃を与えられる範囲が2mなのであり、生命を与える能力の効果範囲はより広いものと思われる。
原作におけるポルポの拳銃をバナナに変えるシーンや、追っ手を撒くために縦横無尽に周辺の車を攻撃しまくるシーンがE評価とは思えなかったための修正だろう。
ジョルノ本人は無自覚だったかもしれないが、幼少期の頃からスタンド能力に目覚めている節があり、後に彼の憧れのギャングとなる男の行方を反社会的な男たちから聞かれた際には「あっちに行ったよ」と彼を匿った。この際に血塗れで倒れ込んでいた男の周りを隠すには十分な量の草木が生い茂っており、それがジョルノにとっての転機にもなった。
能力
触れた物体に生命力を注ぎ込み生命を生み出すこのスタンドだが、その使い方は多岐にわたる。
創造
生み出した生き物はジョルノの意思で生き死にが決められ、死ぬと元の物体に戻る。ただし、その場の環境に適応した生物しか生み出すことができない(絶対零度の状態で生物が生まれることはできない、低温の環境では植物も短い草しか育たない等)。
スタンド自体の射程距離に関係無く、能力によって生み出されたものには距離的な制限は無い。
(アニメ版ではベイビィ・フェイスの残骸を毒蛇に変えてメローネを仕留めた際、車で大幅に距離を取っている状態でメローネの死亡を確認している)
動物を生み出した場合は基本的にその生物は「ベースとなった物体由来の場所に帰巣する」という習性を持ち、折れた歯から生み出された蝿は元の歯の持ち主へ、石碑の破片から生まれたテントウムシは石碑のもとへそれぞれ帰っている。
また生物に対してジョルノが命令を仕込むことも可能であり、メローネの殺害や最終決戦でのディアボロの捜索にも活かされている(これについては序盤で生み出したカエルについて「まだそれほど忠実ではない」と評しているため、生物自体の成長具合や個体差も影響する模様)。
チームでの戦闘にも有効な能力であり、パープル・ヘイズのウィルスが散布された場所の物体に生命を与えて生まれたヘビからウィルスへの抗体を採取する、テントウムシのブローチに生命を与えたものを敵の衣類にくっつけて発信機代わりにする、銃弾に生命を与えてヘリコプターへの着弾後に木の根を張り巡らせて身動きを封じるなどの使用法も見られた。
カウンター
物語当初の設定ではこの能力で生み出された生物は物理攻撃に対して無敵であり、生物自体に一切ダメージが入らないばかりかその衝撃が反射されて攻撃を仕掛けた人間に丸々返ってくるというチートじみた特性があった。これにより自業自得とはいえ涙目のルカに致命傷を与えたり、広瀬康一のエコーズACT3の攻撃を難なく退けている。ただし後述の「成長」で能力に変化があったのかこの特性は中盤以降まったく見られなくなり、ギアッチョ戦では能力で生み出した雑草をミスタが引きちぎっても平然としていた。また進化した後にも生み出したサソリをディアボロに踏み潰されたがこの際にも特にカウンターは発生しなかった。
生命力の過剰注入
生命に更に生命力を注いだ場合、過剰になった生命力によって意識が加速し、動作やものの見え方が非常にゆっくりとなり、受けた感覚も非常に長びく。
ただしこれはあくまでも意識だけが超加速した状態であり、その加速には肉体は勿論、精神のヴィジョンであるスタンドですら付いてこれない。意識はいくらでも動くのに肉体もスタンドも動かせず、むしろ拘束されているようにすら感じてしまうという、まさに暴走状態。
もしこの状態で攻撃を受けると、ゆっくりとダメージを受けて行き必要以上の痛みを感じることになる(これを体験したブチャラティ曰く「この攻撃を数発連続で食らったら、きっと痛みのショックで死んでしまう」とのこと)。
こちらも初めて使用したブチャラティ戦とブラック・サバス戦以降は全く登場しないが、上記の特性とは異なり失われたという明確な描写もない。ブチャラティ以外でゴールド・エクスペリエンス(レクイエム)に直接殴られた、もしくは蹴られた人間はどちらも即座に破滅しているため、確かめようもない。
(理論的に考えるとラッシュを食らった者は非常にエグイ事に……)
治療・再生
後に、ベイビィ・フェイスとの戦いで敵の物体の分解という能力を目の当たりにしたことで成長し、能力を応用して手や舌、内臓など部分的な体組織を他の物体から生み出し、これを移植することで肉体が欠損する程の外傷も治療できるようになった。(部位によっては部品を作るのに時間がかかる場合がある)
損傷した人体を治すという意味ではクレイジー・ダイヤモンドに似ているが、大きな相違点として「自分自身も治療できる」点と「要は『麻酔無しの臓器移植手術』なので、治療時に激痛を伴う」点が大きく違う。
このため、理論上は左腕を失ったジョセフ・ジョースターや片目や足、指などを失っているジャン=ピエール・ポルナレフのハンディキャップを解消する事も可能(もっとも前者はジョルノと面識がなく、後者は本人と会う前に肉体的に死亡してしまったので実現は適わなかったが)。
スタンドの知識に詳しく多くのスタンド使いに会っているであろうジョセフですら左腕の義手を直していなかったあたり、ジョルノや仗助のような治癒能力を持ったスタンド使いというのは相当珍しいのだろう。
また治療の際にはパーツの定着や傷の回復を促すために生命エネルギーも流し込んでおり、これによってブチャラティは肉体が完全に死亡しながらもゾンビに近い状態で数日間だけ命を長らえて活動することができたとされる。第5部の後日談である外伝小説『恥知らずのパープルヘイズ』ではさらに治療の精度が増し、満身創痍のフーゴの肉体を本人も全く気付かぬ隙に完治させ、実力の差を見せつけた。
もっとも、ゾンビに近い状態にする現象はジョルノが好き好んで行ったことではなく、咄嗟に能力による回復をしようとした際に起きた不測の事態であったため、本編で一度起きたのみである。外伝でもあくまで善意による治療で済ませている。
関連イラスト
関連タグ
究極生命体(アルティミット・シイング):生物を自由に創造する能力という共通点がある。
歴代主人公のスタンド
仗助 | ジョルノ | 徐倫 |
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